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二十二話 最高の文化祭 ※澪視点


文化祭当日


朝のHRも終わって待ち合わせの場所に、よし行こう!って思ったら何人かの男の子が集まってきた。


「島風さん!俺と回ってくれませんか?」

「いやいや、俺と回ってくれないか?」

「出来れば僕と回って欲しいなー」


ボクはもう約束してる人がいるし待たせてるからどいてほしいんだけどな。


「申し訳ありません、既に約束している友人がいまして」


「そ、そうなんだ」

「じゃあ、無理なのか」


色々と言いながら分かったと言って去っていった。


まずい、そもそも遅れてるのにちょっと時間食っちゃった、急ごう。

そう思って走って待ち合わせの場所へと向かった。


待ち合わせの場所に着いて周りを見て見たけど周りに橘さんはいなかった。

一人いたけど、カッコよくてパーカーを着ている人だけど橘さんではなかった。


んー、どこにいんのかなー。

待ち合わせの場所間違えたかも?


そう考えて橘さんへと連絡する。



「どうした島風、俺が見つからないって話か?」


え?この声って

先程の男の子の方を見てみると。


「え、え?橘さん?」

「そうだが、実際に電話に出ただろ?」


えぇ!!?いつもと全然違うじゃん!

いや、でも確かに言われてみれば髪あげた時に見える顔と一緒か。


「すみません、いつもの見た目と違かったので全然わかりませんでした」

「問題ない、そのための変装だ、逆にバレているならそっちの方が問題だ」


それもそうだけど......


「まだまだ橘さんのことを知らないってことですね」

「なぜそうなる」

「よく見ていれば分かるはずでしょう?私としてはいつも見ているつもりでしたがまだまだですね」


友達のことを見抜けないなんてダメだもん。


「まぁ、今日は俺だってバレないようになのだから目的は果たしているから問題は無い、だが俺とよくいる二人組だけにはバレる可能性が高いからできるだけ避けるぞ」

「なぜですか?」

「あいつらは絶対俺の変装を見破るだろうからな島風と一緒にいるのがバレると不味い」


あの二人が見抜けるのにボクが見抜けないって、ボクの友達レベルが低いってことじゃないか。


「......分かりました、とりあえずどこかに行きましょう。」


そのあとブラブラーとしたけど行きたいところがなかったから橘さんが行きたいって言った縁日系?のだし物を回った。

その時に勝負をしようとなったので勝負をしている。


今はボクのクラスの射的をやりに来ている、もう縁日系のだし物はボクのクラスが最後で他のところではボクの全勝

でも、射的も負けないぞ!


「先にやってもいいですか?」

「ああ、いいぞ俺は後でも構わん」

「勝ち負けはどうしますか?」

「そうだな、商品を落とした数でいいんじゃないか?」

「それだとお菓子で荒稼ぎできてしまいますよ?」

「ならひとまとまりになってるお菓子を一つという換算で」

「分かりました」


弾をもらって何を狙うか考える。

すると1番上にあるヘアピンが目に付いた。


あのヘアピン可愛いな。

あれ欲しいから狙おーっと。


一発目と二発目で狙って撃ってみたが二発ともかすりともしなかった。


うーん、流石に勝ちにこだわるならもうそろそろ違う落としやすい物にしないと。


その後は全部お菓子を狙って落とした。


「やはり射的は苦手ですね、あまり当てられませんでした」

「苦手と言っても二回当ててるじゃんか、下手な人はかすりもしないぞ?」

「そうなのですか?あまり他の人と射的をやったことがないのでわからないです。」

「苦手という程でもないと俺は思うぞ?普通くらいじゃないか?」

「そうなのですね、ありがとうございます」


お世辞だと理解してるので軽く流す。


「じゃあ次は俺な、すまん弾を貰ってもいいか」


次は橘さんの番だ一番最初にチョコを狙ってしっかり落としていた。

そして次に狙ったのがボクが欲しかったヘアピンを狙った。

恐らく最初のチョコはさっき言ってた弾のクセをみたのだろう。


そしてしっかりヘアピンも落としその後は無難にお菓子を狙って全弾当てていた。


いいなぁ、あのヘアピン欲しかった......

でも全弾当てるって凄いなぁ。


と素直に尊敬していると橘さんは振り返ってきて満面の笑みを浮かべながらVサインをしてきたのだが。


え、その笑顔ズルくない!?


いつもの二倍増しくらいの明るい笑顔にドキッとしてしまった、顔が熱くなっているのがのが分かる。


「ッ......」


すると橘さんが不思議そうな顔をしてこっちを見てきた。


「どうしたんだ?」

「い、いえなんでもないです」


それからしばらく橘さんは首をかしげ続けていた。



その後はお腹が空いたということでご飯を買って食べてたんだけど、たこ焼きを食べているときのこと。



「お、たこ焼きもうまい」

「本当ですね、文化祭なのに結構食品は力が入っていますね」


所詮文化祭と侮ってたことを詫びないといけないね。


「そういえば島風はたこ焼きのキムチ入りを買ったんだっけか」

「はい、そうですよ?もしかして気になりますか?」

「あー、まぁ気にはなっているが普通のたこ焼きを食べたかったんじゃなかったのか?って思ってな」

「そうですね、普通の味のたこ焼きも食べたかったですがキムチ味が気になりまして」


たこ焼きにキムチが合うって聞いたことはあったけど食べたことは無かったんだよね。

でも普通の味のたこ焼きも食べたかったっちゃ食べたかったんだy......あっ、そーだ!



「さっきキムチ味が気になるって言ってましたよね?普通のたこ焼きと交換というのはどうですか?」

「お、それはいいな

じゃあ交換しようか」


やった!たこ焼き食べれる!


「では、はい」


自分のキムチ入りたこ焼きを爪楊枝で刺して橘さんの口元へと出す。


「......え?」

「早くしてください、落としてしまいそうです」


ただでさえ球体でバランスとるの難しいから早く食べてくれないと。


「え、ちょま」

「ほら、早く、本当に落ちちゃいますよ」


ヤバイヤバイ落としそう!ってかなんでまだ食べてくれないの!


すると、すんでのところで橘さんがパクッと勢いよく食べた。

なんかモグモグしながら考えてる?

そんなに変な味かなぁ。


それも少しのことで橘さんは自分のたこ焼きをボクと同じ様に爪楊枝で刺して口元に持ってきたのでボクもパクッとたべる。


んー、おいしい!たこ焼きといえばこの味だよね!


だが食べた後も橘さんは爪楊枝を出しっぱなしでこっちを見てくる。


んー?どうしたんだろう。


ちらっと爪楊枝を見たあとにまた橘さんの方を見る。

すると今の橘さんの立ち位置、行動を見てみると、あれ!?これってあーんの体勢じゃ......


わかった瞬間に一気に顔が熱くなる。


「この前もそうだが食べさせ合いは好きな人とか女子同士でやろうな?こうなるから」

「は、はい、凄いですね、付き合ってる人達はこういうことをしてるんですもんね」

「そうだな」


ボクには耐えられないかもかもしれない。

単純にすごいなぁって思うけど。


何かこう、恥ずかしさが凄くて黙っちゃってから気まずくなった。


もくもくとたこ焼きを食べていた時にふと


あれ?この爪楊枝橘さんがパクってしたよね?

関節キスしてない!?


少し落ち着いてきたなと思っていたらまた恥ずかしい事に気づいてしまった。


その時に橘さんが呆れた目をしていたような気がするのは気のせいだろう。


「あれ?島風さん?」


ん?聞いたことがある声?


その声がする方を見てみると春風さんと九重さんがいた。


「春風さんじゃないですかどうしたんですか?」

「いやぁ、この前の練習試合の手助けを申し出てくれたじゃん?すごくありがたかったから感謝をって思ってねー」

「いえ、その件に関しては私がご迷惑をおかけしましたので」


あの時はボクが応援に行きたかったから言ったし逆に迷惑になっちゃったかもだし......


「助かったのは事実だから素直に受け取ってよー」


そう言いながら春風さんは橘さんを見る、その時に九重さんも橘さんを見ていたようで


「あの人カッコよくね?先輩かな」

「どうだろうね?」


と耳打ちしていた。

すると春風さんは首を傾げながらこちらを見てきた。


「あー、なるほどねーそういうことかー」

「どういうことですか?」


なんでボクの顔を見ながらしきりに頷くんだろう。

そして近づいてきて耳元で


「隣に居るのは橘くんでしょ?この前の練習試合に来たのは橘くんか宮本くんのどっちか目的かと思ってたけど橘くんだったんだねー、明らかに髪の色がそうだし」


そう言って離れていったけどボクはその事を聞いて驚いた。

その情報だけで判断するなんて、凄いなぁ。


「そういえば島風さんは後夜祭に残るの?」

「今のところ予定では無いですが」


本当は屋上の鍵借りてるから残るには残るんだけど流石に屋上に行くとは言えないし。


「そうなんだー、私は湊が一緒にダンスしよって言うから残るんだー」


ダンス?そういえばなにかそんな感じのジンクスを聞いたような?


「じゃあ私たちはもうそろそろ行くねー」

「はい、ではまた」


反射的に反応をしたのだが、なにか思い出せそうな思い出せなさそうな感じだった時に春風さんは行ってしまった。


行く前になにか橘さんに言ってたけどなんだろう。


「なぁ、バレてるんだがさっき島風の耳元で言ってたのはそういうことか?」


あー、さっき橘さんに言ったのはそういう事かぁ。


「そういうことですね、推理の理由もきちんと言ってきましたよ」

「マジか、どうしてバレたんだ?」

「この前サッカー部の練習試合の時に春風さんにお願いして行ったのですけど、そこで目当てがいつもは来てない橘さんか宮本さん?って人のどっちかだと思ってたらしいんですけど、橘さんの髪の色で確信したらしいです」

「あー、練習試合の時と今回の二人でいるのと髪の色で確信したと」


そういう事だね。凄い洞察力だよねぇ。


「まぁ、春風だから多分大丈夫だろ」

「そうですね」


確かに春風さんなら安心はできるかな。





ご飯の後は行きたいところもなかったのでブラブラすることにしていた。


「どこか行きたいとかってのはないのか?」

「はい、これと言っては今のところないかと」

「なるほどな」


歩いていると階段の踊り場に各クラスのやっている模擬店の情報の紙が貼ってあったのでそれを見てみる。


ん?これって......


「んー、これと言って行きたいってのがなー」


そう橘さんは言ってたのだがボクのことを見てきて何かを見ている事に気がついたみたいだ。


「どうした島風?」

「これに、行ってみませんか?」


ボクが指を指したのは占いをやっているクラスだった。



「占い?」

「はい、私占いは結構好きなんですよ」


毎日星座占い見てるしね!


「分かったとりあえず移動しようか」


廊下を歩いてそのクラスへと向かった。


「いや、結構混んでるのな」


確かに結構並んでる人が多いなぁ、でも占いだしこんなものだよね。


「んじゃ、並ぶか」

「そうですね」


「今日も占いを朝見できたのですけど星座占いで一位でした」

「へーそうなんか、なんて書いてあったんだ?」

「逃げないで向き合えば欲しいものは手に入るって言ってました」

「なんだそのおみくじみたいなお言葉は」

「ふふっ、逆になんでおみくじが出てきたんですか」


その例えはちょっと予想を超えてきたなー。


「ほら、失くしたもの見つかる的な感じのやつあるじゃん?」

「いや分かりますけど、狙うところがそこってなりますよ」


分かるよ?分かるけどさー、おみくじに例えること自体が結構なクセの強さだよ。


「ここ何年か私は大吉ですよ、年始に引いたおみくじは」

「へーいいな、俺は凶だな、最近は」


凶っていちばん低いやつじゃない?


「凄いついてないですね」

「まぁ、大凶じゃないだけマシだな」

「大凶?ですか?そんなのがあるのですか?」


大凶?大吉みたいに大をつけてるからもっとひどいの?


「あぁ、あるぞ?一度見たことがある、あれマジでいいことがひとつも書いてないんだよな」

「初めて聞きましたよ、一生見たくは無いですね、当たったら悲しくなりそうです」


うへぇ、そんなの引きたくないなぁ。


「あっくん!私たち最強の相性だって!」

「おう!俺らは最強だな!」

「イェーイ!最強!」


ん?聞いたことがある声?


そちらの方を見てみると橘さんといつも一緒にいる宮本さんと長谷川さんがいた。


橘さんの方を見るとやべぇって顔をしていた。


あ、そういえばあの二人にはバレるって言ってたっけ?

うーん、ボクが見破れなかったけど二人には見破れるのかどうかってところかな?

これは橘さんの一番勝負だね!


「わー!このお兄さん一人で並んでるよ!ペアでの相性を占う占いをやってる所で一人でいるーボッチだボッチー」


よし!少し離れたところで見てよーっと。


スっと隠れて様子を見る。


んー、聞こえてる感じだと直ぐにバレてるみたい。


ボクが見破れなかったのに見破れちゃうのかぁ

橘さんの友人の一番はボクがなりたいんだけどな。


そうこう考えていると二人は去っていったので橘さんの元へと戻る。


「まさか負けるとは思いませんでした」

「うぉっ!?いきなり出てくるなよ、ビックリしたわ」

「それはすみません」

「負けたって?」

「勝負に負けてしまいました」

「お、おう、というかどうして居なくなってたんだ?」

「少し戦いたくなったのでちょっとそこまで」

「いや、意味がわからんわ」

「でも次は負けません、一番は私です」

「お、おうそうか」


次こそはボクが勝って橘さんの一番になるんだ!


「いらっしゃい、美男美女のカップルじゃん絵になるねー」


カップル?そういえば男女でいるからそう見えなくもないのかな?


「はい、じゃあ早速やってこうか、一人一枚ずつトランプを引いて」


よっし!じゃあボクはこれ!


一枚引いて先輩に渡す。

橘さんも一枚引いて先輩に渡し、先輩がその2枚をひっくり返す。


「いやぁ、奇跡的な相性は今日出てなかったんだよねー!初だよ初!」


先輩がひっくり返したカードはハートのQとダイヤのQだった。


「奇跡的な相性らしいですよ?橘さん」


やった!凄く嬉しいな!奇跡的って言葉が凄い良いよね!


「お、おう」


むぅー、なんか反応が微妙そう。


「嬉しくないんですか?」

「いや?すげぇ嬉しいよそこは当たり前だろ?」


当たり前?ボクと奇跡的な相性なのが嬉しいのは当然。

そんな真剣そのものの表情でそう言うのはドキッとするよ?


「え?はい、え?ありがとうございます」



「ふぁー、凄くイチャイチャするねーカップルでイチャつくのは構わないけどここではやめてよー」

「いや、俺らはカップルじゃないですよ?ただの友達です」


ただの友達......ん?なんでボクは今こんなにモヤモヤしてるんだろう。

友達って言って貰えてるのに。


「え?いや、嘘は良くないよ?」

「いや、嘘じゃないですってただの友達ですよ」


友達......ただの?ボクはただのって言われてるところに引っかかってる?でも違うような気が......


「少年、覚えておきな、女の子って傷つきやすいんだよ?そういう嘘は傷つけるって覚えておきな」


先輩がそう言ったあと橘さんはボクを見てきたので見つめ返す。

何か橘さんの見る目を見たらモヤモヤが凄くなって、その後のことはしばらく記憶にない。


次に気がついたのは廊下を歩いている時だった、何故かボクは一人でクラスを飛び出してきてしまったらしい。


少しすると橘さんが走って追いかけてきた。



「島風、すまんかった、だからこっちを向いて欲しい」

「......別に怒ってないですよ」

「それでもごめん」

「いえ、本当に怒っていないのです」


ボクは怒っていない......はず、分かんないこの気持ちが何かは分からないけど怒ってはいないはず、だから迷惑をかけたボクがいけないと思うんだけど......


「何かこうモヤっとした何かを感じて気づいたらこうしてたのです、だからこちらこそごめんなさい」

「こちらこそすまなかった」

「いえいえ、こちらこそ」

「いやいやこちらこそ」


「ふふっ」

「ははっ」


なにか廊下で二人してペコペコ頭を下げていたらおかしくなってしまって笑ってしまった。


あ、そういえば!


「もうそろそろ文化祭も終わりますが後夜祭は残りますか?」

「ん?俺は別に残るつもりは無いが島風は残るのか?」

「私はキャンプファイヤーを見に行きたいって思ってます、私結構ゆらゆらとしている炎を見ているのが好きなんです」


あとは薪の燃える音も好きなんだよね。


「一緒に後夜祭に残って焚き火を見ませんか?」

「まぁ、焚き火を見るのは好きだが流石に人目が多くなりすぎる後夜祭は厳しくないか?」

「そこに関しては大丈夫です、絶対に人が来ないスポットを既に押さえてあります」

「そんなスポットがあるのか、どこなんだ?」

「屋上です、私が先生にお願いして鍵を借りました、本来は入らない場所なので恐らく人は来ないでしょう」


ふっふっふー、これが普段の授業とかの受けてる姿勢の良さよ!


すると橘さんがハッ!と何かに気づいたような顔になる。


「俺が残らなかったら島風は屋上で一人悲しくキャンプファイヤーを見てたのか?」

「そういうことですね」


あははー、そこに気づいちゃうかぁ。

確かに橘さんが来なかったらボク一人だもんね。


「......まぁ屋上ならいいか、俺も残るよ」

「本当ですか?嬉しいです!」


やった!橘さんと見たくて鍵借りたから来てくれて嬉しい!


「とりあえずHR受けた後屋上に行けばいいか?」

「はい、一応周りに見られないように来てくださいね?」

「分かった」


テンションが上がりつつも表情に出ないように教室に戻った。



HRも終わり解散になった後周りに人が見えなくなったら屋上へと走っていった。


階段を一段飛ばしで上って鍵を取りだし屋上を開ける。


扉を開けると外の冷たい空気を感じる。


うぅぅ、寒いなぁやっぱり防寒してきて正解だったなぁ。

あ、あっちの方がほのかに明るい。


少し明るい方に行ってみると既に校庭にセットしてあった木に火がついている。


キレイだなぁ。


ボーッと見ていると、ふと視線を感じてそちらを見てみると橘さんが居た。



「ん?橘さん?来たんだね!」

「もう普通の喋り方で問題ないのか?」

「大丈夫だと思うよ?さすがに人来ないだろうし」


逆に来たら来たでその生徒何やってんのって話だしね。


橘さんはボクの横に来て柵に手を乗せボーッと火を見る。


「そういえばHR終わってから急いで来たのか?」

「そうだよー、まぁボクの方が先に来てたからボクの勝ちだね!」

「なんの勝負だよそれ」


橘さんは少し可笑しそうに笑ってこちらを見てきた。


ポーっとその顔を見ていたら突然強い風が吹いて髪が乱れる。


「にゃー、前髪が邪魔ー!」


頭をぶんぶんと振って髪をどけようとする。


「島風一旦止まれ」

「え、何?」


呼ばれたので止まって橘さんの方を見てみるとカバンから射的の時に取ったヘアピンを出してボクの前髪に付けてくれた。


「ほら、これで邪魔じゃないだろ?」

「うん、でもこれ」

「それやるよ、そもそも島風に渡そうと思って取ったし、欲しかったんだろ?」

「え?どうしてわかったの?」


確かにあの時欲しいなぁってぼんやり考えて狙ったけど......


「そりゃあまぁ、欲しそうだったからとしか」


そんなに表情が欲しそうだったのかなぁ、自分のことだからちょっとわかんないかも。


「そんなだったかー、ごめんね?」

「そこは謝るんじゃなくてプレゼントなんだし感謝して欲しいかなー」

「うん分かった!ありがとう!」

「よく似合ってるじゃんか」

「え?うん、あ、ありがとう」


いきなり褒めるなんてズルいよ......

でもそういう所がボクは......ボクは?

ボクはなんだろう?今ボクは何を思った?


「「「ワァー」」」


ファッ!!?


いきなり大きな声が聞こえてビックリした。


「どうしたんだ?」


そう言って橘さんが校庭を見たのでボクも校庭に目を向ける


「あれは、フォークダンスだね」

「なるほどな」

「皆楽しそうだねー、でもなんか男女のペアが多くない?」

「そうなのか?」


そう言ってジーッとしばらく校庭を見て。


「確かに多いな」

「でも楽しそうだしいいね!」


皆笑顔で踊ってて楽しそうだなぁ。

あ、そーだ!


「ねー橘さん、私達も踊ろうか」

「え?ここで?」

「そうだよ?逆にどこで?」

「いや、ここか」


ボクはここで踊ると思って話したし。


「なんか、後夜祭で異性と踊るとっていうジンクスがあるって聞いたことあるけど知ってる?」

「うん、知ってるよ?ただまぁキャンプファイヤーの周りじゃないから問題ないよ!」


よく分からないけどみんなが楽しそうにしていることを橘さんと一緒にやりたいだけだしね!


「じゃあ、踊ろうか!お手を拝借、ボーイ?」

「それは普通俺がやるやつじゃね?」

「まぁまぁ、気にしない気にしない」


しばらく橘さんと踊っていたけど、すごく楽しかったし橘さんもずっと笑顔だったから楽しんでくれたかなぁって思った。


文化祭の最後に楽しい思い出が出来たね!


本日はもう一話上げます。把握よろしくです。

ヨロシク!!Σ( >д< )ゞ



暫定の評価でも構いません、自分の指標になるので出来れば評価をお願いします。

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