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十七話 相性占い


食事が済んだ二人は特にこれと言って回りたいところはなかったためブラブラと校舎内を歩いていた。


「どこか行きたいとかってのはないのか?」

「はい、これと言っては今のところないかと」

「なるほどな」


俺も回りたいところは回ったしな、どうしたものか

そう考えていると階段の踊り場に各クラスのやっている模擬店の情報の紙が貼ってあった。


とりあえずこれを見るか。


「んー、これと言って行きたいってのがなー」


そう話していると島風がじーっと何かを見ていることに気がついた。


「どうした島風?」

「これに、行ってみませんか?」


そう言って島風が指を指したのは占いをやっているクラスだった。


「占い?」

「はい、私占いは結構好きなんですよ」


そうなのか、意外っちゃ意外だな。


「分かったとりあえず移動しようか」


その占いをやっているというクラスへと向かってみる。


「いや、結構混んでるのな」


見に行ってみると人がかなり並んでいた。

見た感じ女子同士のペアやカップルの数がだいぶ多いいな、という感じだ。


「んじゃ、並ぶか」

「そうですね」


島風がやりたいと言った以上辞めるという選択が無いんだよな。


「今日も占いを朝見できたのですけど星座占いで一位でした」

「へーそうなんか、なんて書いてあったんだ?」

「逃げないで向き合えば欲しいものは手に入るって言ってました」

「なんだそのおみくじみたいなお言葉は」

「ふふっ、逆になんでおみくじが出てきたんですか」


おみくじにあるんだよな、待ち人来る的な感じのやつ。


「ほら、失くしたもの見つかる的な感じのやつあるじゃん?」

「いや分かりますけど、狙うところがそこってなりますよ」


いや、そう感じたからしょうがなくないか?


「ここ何年か私は大吉ですよ、年始に引いたおみくじは」

「へーいいな、俺は凶だな、最近は」


多分ここ、四年間くらい凶だったと思う。

ついて無さすぎなんだよな。


「凄いついてないですね」

「まぁ、大凶じゃないだけマシだな」

「大凶?ですか?そんなのがあるのですか?」

「あぁ、あるぞ?一度見たことがある、あれマジでいいことがひとつも書いてないんだよな」


凶でも普通くらいのことがひとつぐらいあるが大凶って本当にないんだよな。


「初めて聞きましたよ、一生見たくは無いですね、当たったら悲しくなりそうです」


まぁ、確かに悲しくはなるな。

そうこう雑談をしていると


「あっくん!私たち最強の相性だって!」

「おう!俺らは最強だな!」

「イェーイ!最強!」


テンション高めのバカップルがクラスから出てきた。


うわぁ、バレたらあかん二人組がおる、できるだけ隠れてないと。


そう思って島風の方を見るとこちらを見ていた。


表情は仮面の時の微笑みだが目がイタズラをする時のそれだった。


なんだ?このタイミングでイタズラはヤバくないか?

そう、焦っていると


「わー!このお兄さん一人で並んでるよ!ペアでの相性を占う占いをやってる所で一人でいるーボッチだボッチー」


と島風が小さい少年?の声真似をして大きな声で言った。


え!!?ヤバい?ヤバい!どうする?隠れれば間に合うか?どうしy


「なぁ、シズあそこにいる茶髪ボッチって鏡じゃねぇか?」

「あれはー、うんそうだね100%鏡っちだね」


バレたー!

もう無理だな諦めるか


「よう、鏡どうしたんだ?誰かと回るって言ってなかったか?」

「いや、居るだろ?そこn」


そこまで言ってさっきまで島風がいた方を見ると


「え、居ない?」

「もしかして鏡っちとうとうイマジナリーフレンドが見えるようになっちった?」

「違ぇわ!」


もはやイマジナリーフレンドって言葉自体久しぶりに聞いたわ!


「まぁまぁ、いつもそういう格好してない鏡がしてるってことは何か良い家柄の人の対応でもしてるんだろ」

「あー、なるほどねー鏡っちも大変だねー」


いや、確かに良い家柄の人物であるがお前らが思ってる感じのじゃないぞ?


「そのパーカーとかもその人のオーダーか?高校生っぽい格好して欲しいみたいな?」

「あー、有り得るね、良い家柄の人にもちょこちょこくせ強い人いるもんねー」


......まぁ、確かにそうだがそれでも普通の人達と一緒で全体の10%くらいじゃねぇか?

というか何故そこにくせ強い人に繋がる?

ちゃんとした格好で対応しろって言わないってところか?


「高校生に馴染むようにって感じのオーダー出す人って絶対少くないよねーお偉いさんなら」


うん、予想が当たっちまったわ。


「まぁ俺らはもうそろそろ行くわ、そのお偉いさん?にはあんま会いたくないしな」

「また気に入られてなんか高そうなのとか貰っても困るしね」


二人は鏡と幼なじみなのでそういう人と挨拶することは鏡と遊んでいる時などであったのだが、

絶対に二人は気に入られて色々と物を貰うことがあってからそういう挨拶を避けるようにしている。


なんでも貰ってもお返しが出来ないから苦手だそうだ。


「んじゃ頑張れよー」

「お、おう」


そう言って二人は去っていった。

いや、てか島風はどこに行ったんだよ。


「まさか負けるとは思いませんでした」

「うぉっ!?いきなり出てくるなよ、ビックリしたわ」

「それはすみません」


先程まで居なくなってた島風はいきなり鏡の隣にいた。


「負けたって?」

「勝負に負けてしまいました」

「お、おう、というかどうして居なくなってたんだ?」

「少し戦いたくなったのでちょっとそこまで」

「いや、意味がわからんわ」


どういうことだよ、あいつらに位置を割らしてから消えるって普通に焦ったわ。


「でも次は負けません、一番は私です」

「お、おうそうか」


一体島風は何と戦っているのだろうか。


「あ、私達の番ですね、行きましょう」



「いらっしゃい、美男美女のカップルじゃん絵になるねー」


担当してくれるのは黒頭巾を被った女?の先輩だ


ってかカップルじゃないんだが


「はい、じゃあ早速やってこうか、一人一枚ずつトランプを引いて」


意気揚々と島風が一枚引き、戸惑いつつも一枚鏡が引く


ちなみに今回行う占いはスペード、ハート、ダイヤ、クローバーのJQKをそれぞれ1枚ずつ、それとジョーカーを1枚を含めた13枚を引く。

そしてその2枚の組み合わせで相性が分かり。


赤(ハート、ダイヤ)の同じ数字だと奇跡的な相性

黒(スペード、クローバー)の同じ数字だと最強の相性

赤だが数字が違うと中々良い相性

黒だが数字が違うと普通の相性

色は違うが数字は同じだと今後に期待

ジョーカーが入っていると最悪の相性


となっている。


「なるほど、流石美男美女カップルですね!」


そう言ってひっくり返したトランプはそれぞれハートのQとダイヤのQであった。


「いやぁ、奇跡的な相性は今日出てなかったんだよねー!初だよ初!」


いや、そんなことよりカップルじゃないんだよな。


「奇跡的な相性らしいですよ?橘さん」


と、とても嬉しそうに微笑んでこちらを見てきた。


「お、おう」

「嬉しくないんですか?」

「いや?すげぇ嬉しいよそこは当たり前だろ?」

「え?はい、え?ありがとうございます」


島風は照れたようで顔を赤くして下を向いてしまった。


というか今俺なんて言った?考え事してて何を言ってたか分からないんだが


「ふぁー、凄くイチャイチャするねーカップルでイチャつくのは構わないけどここではやめてよー」


先輩がからかってきたのだが、


「いや、俺らはカップルじゃないですよ?ただの友達です」

「え?いや、嘘は良くないよ?」

「いや、嘘じゃないですってただの友達ですよ」


そう言うとちらっと先輩が島風を見てうわぁ、って顔になった。


「少年、覚えておきな、女の子って傷つきやすいんだよ?そういう嘘は傷つけるって覚えておきな」


そう言ってもう一度島風を見た、なので鏡も島風を見ると無表情でこちらを見てきていた。


......え?怒ってるのか?


しばらく見つめ合ってたが島風は無言で立ち上がり先に外に出てさしまった。


え?ちょっ、え?


そう戸惑っていると先輩が


「少年さっさと追いかけて謝ってきな、しっかり心から謝るんだよ?」


怒らせてしまった以上謝らないといけない。

何が悪かったとかは分かってはいないがだからといってそのままで居ていいわけがない。

行かないと、そう思い鏡は立ち上がり走ってクラスを出たのであった。


暫定の評価でも構いません、自分の指標になるので出来れば評価をお願いします。

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