春夏秋冬
両の手にひとひらの花
両の手に雨
両の手に紅い葉
両の手に雪のかけら
両の手を伸ばした
みんな、空から降ってくる
見上げた空から降ってくる
両の手に涙―――――降ってきた
後ろを振り向くな
誰もがそう言う
前だけを見て歩め、と
でも
振り向いてしまったら?
戻りたかった
後悔しないように
一歩ずつ
そう思って…
なのに、
動けない
前が見えない
自分は強いと思ってた
ただ
失くしたくなかっただけ
けれど
この手には何も残らなかった
だから
振り向いた
両の手に涙―――――降ってきた
今日、気づいたこと
上を見る
そこには
流れる風と大きな木
そこには
透き通る青、青、青
この瞳が見えるのなら
その両の手を広げよう
両の手に
きっと…