第三十六話 ▱龍帝門④
龍帝門の周りには、テントが立っている
野宿をしてクエスト、龍帝門守護を完了させるためだろう
「リフェルリック皆に伝えろ、登山用装備を今すぐ身につけろと」
『はっ?いや、何言ってんだリェンワ?今、他の七界の総攻撃食らってて忙しいんだよ!』
「ならば撤退させ、身につけさせろ———これは使徒様の御指示だ」
『おいてめぇ、嘘つくなっ!ここで引いたら都がやべーぞ!ぁぁ?わかってんのか?』
「もう一度言う、撤退だ」
『っ!?……ぁぁ、わかった、わかったよ!」
電話が切れた
先程数十万人と言ったが流石は『S+』等級のクエスト、百万にのぼる
使徒様のためとはいえ、骨が折れる……な
だが御神託にしても、何故登山用の『青い』装備を着けなければならないのだろうか
そもそも、青いアクセサリーを皆が持っているかだ
エルト教の聖典で柔らかい表現であるがなるべく身につけるなと書いてあるのだがなぁ
何をお考えかは私のような一信徒にはわからないが、相当な御考えであろう
先程プレイヤーの機能メールによって他の幹部三人にメールを送った
明日の朝10時、決行である
音がした、電話か?
いや、まぁ電話だろうけど……うん?え…
「どうした」
『協力要請があった』
「っ?……誰から、何をだ」
『……12からだ……ジークフリート討伐要請』
「っ!?……そうか…そう…か……了解した。保留にしろ、先にやる事は龍帝門を潜る事だ」
『12』からの要請は三年振り
私達の世界に来てわざわざ依頼してきた時以来だ
使徒様のお力は理解しているが、ここまでの数を相手取るとなると骨が折れるだろう
マイナスレベルのペナルティ受けさせない為にも、命を賭して護り抜かなければいけない
使徒様がいれば、六界の戦いに於いて圧倒的優位にたてるとともに存続の危機に陥っているエルト教の状況も改善されるだろう
今できる事は、使徒様を龍帝門前まで行かせる事だ
そこまでは必ずしも護り抜く
リェンワはそう誓った
そして残念ながら、リルラは何も考えていない馬鹿である
リェンワが思うほど天才ではない
◇
小指ぶつけた!
絶対誰かが噂してやがる
えーっと明日の10時、10時ねおっけー覚えた、バッチリアンド完璧
扉が開いた音がする
お、帰ってきたかな
「おかえ…え、…殺しに来ました?」
そこには圧倒的にやべー奴、ルシ君がいたではないか
「違うよ、ちょっとね。君の協力をしに来た」
「と、見せかけて?」
「いや、違う」
ほほー怪しさMAXですねー
ちょっと頭いいアピールしよう
此処で協力する意味ないじゃんと言うのだ!神ってんね
「あ、協力する意味は面白そうだから。龍帝門前まで行かせてやろうではないか」
先越されたぁー!
くっそ、なまこになれば良いのに
「へー、あ、協力してくれるんならさ。明日の朝10時に龍帝門行くよ」
「わかった」
ん?ちょっと待て何でルシ君龍帝門前まで行くってわかったんだ?
………ま、いいか?
今は一様登山用装備つけとこ
「何で登山用装備つけてるの?」
「へ、いやなんでわかったし」
「登山用のアクセは全て青色だから」
まじすか
でも、青色の登山用じゃない装備もあるんだろうなぁ
あるのかな?
「あ、フレンド繋いどこ」
「あ、はいっす」
チクタク、ぴっぽっぱむー
はい、フレンド登録完了。ルシ君レベル100越してるのか
は?いやいや、こないだ見た時はもっとレベル低かったやんけなんでそんなに上がったんや
謎じゃけい
「じゃ、俺はログアウトするから」
「はーい、ウィッスっす」
『S+』クエスト、龍帝門の守護(一週間で)100億シルバー
▱ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
なんと二万PVを超えました!!
やったぜーひゃっっほー!!
しかも246ポイント!
一二三さん二人分ですね?
そしてここまでお読みいただきありがとうございます!