結成! デカパイギャル軍団!
拳打! 蹴撃!
撃ち合い数度!
その後、すずりとフレイヤは残心を行う。
「帝国に衰退なし。
――久しぶりだな、すずりちゃん」
「誉れのヴァイマール。
――元気で何よりだよ、フレイヤ!」
手を取り合って微笑みをかわし、二人は再会を喜ぶ。
「……やれやれ、いきなり殴り合うもんだからびっくりしたぞ、俺は」
「失礼いたしました、殿下」
フレイヤは王子に一礼。
「しかし、救助者のバイタル確認のためには適正だったと考えます。
くわえて、突然の同船者の戦闘能力の確認を、
殿下の警護担当者としては欠かすことはできません」
「ああ、責めちゃいないさ。
女の子はみんな仲良くしてるのが一番! ハッハー!?」
王子はけたたましく笑った。
何が面白かったのかは、すずりとフレイヤにはわからない。
「では改めて、シャワー室へ案内を――」
「殿下のお手を煩わすまでもありません。
職務内容外ですが、私がやらせていただきます」
王子の手が伸びるよりも早く、フレイヤはすずりの肩に手をかけて連れ去る。
†
「ねえフレイヤ、
なんでクザッツで王族の警護なんてやってんの?」
「……私も良くわからない。
インターポールから指導・交流のためにクザッツ警察に出向してたんだが、
いつの間にか王室警察に行くことになって、
ジャブジャーブ殿下の担当になっていた」
「えー」
「目下のところ問題はないし、
下手に騒いでキャリアの傷となっても困る。
何より、すずりちゃんにまた会えたのだ。
きっと良いことであったのだろう」
「そだね。
ダナとブリッジだけじゃなく、
フレイヤにも会えるなんて思わなかったよ」
「……その言い方だと、
クザッツ滞在中に偶然会ったかのように聞こえる。
だが、そんな偶然があるものか?」
「あったみたいね、何故か。
あの二人、草津と間違えてクザッツに来たらしいよ」
「……信じがたい。
しかし、すずりちゃんがそんな嘘をつくはずもないな……」
†
クザッツ・ファイヴスター・パレス、正面入り口
「ハハ、しかし偶然だね、
君も――ダナもクザッツに来てたなんてさ」
「うん、びっくりした……」
回転ドアをくぐって豪奢な建物に入りながら、
ジミーとダナは言葉をかわす。
「充電器は持ってるんだろ?
なら、ここのラウンジでコンセントを借りればいい」
「うん、そうするよ」
ダナはジミーの後を追って、
最高級ホテルのエントランスを進む。
すさまじくきらびやかな内装だ。
ドレスコードなどがあるのかもしれない。
土産物屋で買ったビキニとビーチサンダル姿で、
咎められないものだろうか?
ダナはこわごわ辺りを見渡す。
見覚えのある、輝く金髪のビキニ巨乳美女
――ブリジットを見つけた。
「ブリッジ! 無事だったんだね!?」
ダナは声を上げ、ブリジットの方へ向かう。
「ワッツ!?」
ダナの急な方向転換にジミーはうろたえる。
「ダナ!? 連絡もなしに再会できるなんて!
これはもう運命ね♡ 結婚しましょ♡」
「うおおお……! マジでブリッジだ……!
あれ、こちらの方は?」
ダナはブリジットをハグし、叫ぶ。
そして気づく。
見知らぬブリジットの同行者に。
「俺はフローショトク・キラナニカパパイ。クザッツの王――」
王子は金縁ティアドロップサングラスをずらし、目を見せる。
キザったらしく。
「ダナ、すずりちゃんは? ダナと一緒じゃないの?」
王子の言葉をさえぎって、ブリジットが問う。
「子猫ちゃん、人の自己紹介をさえぎるのは良くな――」
「ダナ! 急に走るなよ。
ここ広いからわかんなくなっちゃうじゃないか」
やってきたジミーが言い、反射的にダナの肩に手をかける。。
「!?
ジミー・ファッキンアスホール!?
ダナから手を放しなさい! そして死ね!」
ジミーを見るなり、ブリジットは飛び掛かる!
「うわ!? ブロンデア!?
とにかくよせ! ここは五つ星ホテルだぞ!」
ジミーは飛び退り、ブリジットの暴力か逃れる。
「ファック野郎の墓石には高級過ぎかしら!」
「やめてブリッジ!
……ブリッジの気持ちは嬉しいけれど、
今怒っても、ブリッジや私の得にはならないよ。
ね、落ち着こう、ブリッジ?」
「……ダナがそう言うなら……」
ブリジットは攻勢をやめ、ダナの肩に手を置く。
「でも覚えておいて、ジミーを信用しちゃダメ!
このファック野郎は、爪先から頭のてっぺんまでクソよ!」
「そうだ!
おい抜け作、こちらの黒髪ショートヘア巨乳レディと別れろ。
俺がまとめてかわいがってやる」
「は!? あんた何を言っ――」
「ハッハー!
良いところで会ったなフローショトク!
かわいい猫ちゃんたちじゃないか!」
王子に対するジミーの声を、別の王子がさえぎって言った。
「フレイヤ!」
「すずりちゃん!」
「ダナ!」
「ブリッジ!」
王子に同行するはフレイヤとすずり!
デカパイギャルたちは再会を喜ぶ!
ああ! なんとすばらしいことか!
仲良し四人組が一堂に会したのだ!
「フローショトク!」
「ジャブジャーブ!」
一方で王子たちは笑い合い、
クザッツ上流階級伝統の組み手あいさつを取り交わす。
「良くわからんがめでたいらしいな、フローショトク」
「ああ、良いことが起こったようだ、ジャブジャーブ」
「祝福せねばならないな、フローショトク」
「まったくその通りだな、ジャブジャーブ」
「「それでは、美しきお嬢さん方。
クザッツ王家の名にかけて、祝いの席を設けよう……!」」
中々殺人を伴うバトルシーンに入れませんね……ですが、なるようになることでしょう!




