輝く短剣
「イヒィー! さあ、どっちが先だ?
世界の王は慈悲深い! それくらいは選ばせてやろうじゃないか! Shhhh!」
「「「「「Shhhh!」」」」」
邪蛇神哄笑! 邪悪な声に連帯し!
コブラたちも威嚇しながら這い迫る!
「「くっ……!」」
フレイヤとリウメロエは同時にうめく。
既にあたりはコブラの密林だ。一点突破を試みる気にもなれない。
万のコブラたちを殺しても、即座に億のコブラたちが殺到し!
二人を毒牙にかけるだろう!
ああ! 何たる惨劇か!
「私が先だ! 下品な奴め!
私には姫殿下を使嗾してクーデターを為させしめたる責任があるゆえ!
来い!
そして我が身を、すずりちゃんたちの待つヴァルハラへと送迎せよ!」
「警視! いけません!
撤退し生き残るためにこそお働きなさい!」
「KUHAHAHAHA……! 良いじゃねえか!
21世紀に百点満点のくっ殺女騎士とはよォ! 気に入った!
だからお姫様! ファーストファックだ!」
「GUAAAA!」
コブラ腕咆哮!
左右よりリウメロエへ迫る!
「な!? ――Blitzkrieg!」
プロイセン拳法! 高速移動法!
フレイヤはリウメロエを抱き抱え! コブラ腕を回避!
「貴様! 話が違うぞ!」
「KU-HAHAHAHA! こうした方が楽しいからな!
女はファックのための穴じゃない。自由意志がある。
だからこそ! 尊厳を踏みにじってファックするのは最高だ!
KUKUKU……KU-HAHAHAHAHA!」
コブラ腕が再び迫る! もはや回避は叶わない!
いかに見事に動こうと! 狭まったコブラ包囲網の中では無意味!
邪蛇神に丸呑みにされるか!
コブラたちの毒牙にかかって死ぬかを選びうるのみ!
「おさらばです、姫殿下。
――Über Alles!」
「いけません、警視!」
フレイヤはリウメロエを中空に放り投げ!
自らコブラの顎に飛び込んだ!
GULP! 丸呑み!
フレイヤもまた邪蛇神の贄と果てた!
「GEAPH……。
さて、お姫様。命乞いをしてみろ。
庶民感情を満足させられたら、助けてやらんこともない。
そうだな、ストリップ・ショウだ。俺のかわいいコブラたちがポールを作――」
「沈黙せよ、下郎!
不浄の言葉をキラナニカパパイの裔に聞かすでないわ!
ただ、為すべきことを為せ。そして後、そなたは受けるであろう。
まことの王、ルナアイナニ陛下の捌きをな!」
「KUKUKU……KUKUKU……KU-HAHAHAHAHA!
それでこそだ! 滅びるべき旧体制とはかくあるべきだ!
では殺してやろう。
だが他のデカパイギャルどものように一瞬ではない。
俺のコブラたちが、お前の高貴な身体に汚れた毒を流し込む。
意識を失うことなく、だが激烈な苦痛を味わえるようにな。
それから、ゆっく――ギャーッ!?」
CRASH! 落下音! そして衝撃!
何者かが天より降臨し!
邪蛇神の眉間に輝く短剣を突き刺したのだ!
「――クザッツの王として、ぼくはあしきものをほろぼします」
「ルナアイナニ!?」
リウメロエは驚愕! 最愛の弟の名をただ叫ぶ!
「いいこにしていましたね、リウメロエ」
王はかく仰せられ、やわらかに笑った。
本日もありがとうございます。




