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ディナーのおさそい



 王立博物館、会議室。


 四人は

 装備を確保し、

 博物館の資料を元に

 作戦会議を行い、

 結論を出した。


「これで、全ての準備が

 完了した、か?」


 フレイヤが

 ふっと

 つぶやいた。


「今できることは。

 しかし、

 そうでないものが

 あります、警視」


「好機を待つ

 ってことですね、

 姫殿下」


「それに休憩も必要だわ」


「その通りだ

 ……そういえば、

 最後に食事をとったのは

 いつだったかな……」


「事が済んだら、

 ダナもいっしょに

 みんなでおいしいもの

 食べ行きましょうね♡」


「さんせーい」


「ごめんなさいね、

 ルナアイナニ。

 お腹

 空いたでしょう?」


「へいきです、

 リウメロエ。

 でも

 たべものがあるなら

 ほしいです」


 博物館の案内図を見ると、

 休憩コーナーに

 自販機があることが

 わかった。


 飲み物と

 食べ物を得るために

 一行は

 会議室から移動する。


「ところで、

 誰かお金持ってる?」


 自販機の前に

 至ったところで、

 すずりが皆に問う。


「私たち、

 逮捕されたときに

 何もかも

 没収されちゃったんじゃ

 ないかしら?」


「そのようだ。

 姫殿下はいかがです?」


「いいえ。

 人間相手なら

 アクセサリーを売る手が

 使えますが、

 こういう機械には

 どうにもなりませんね……」


「それでは

 暴力PAYで。

 ――統帥! 陸海軍!」


 CRASH!


 帝国拳法! 奥義発動!


 自販機の蝶番破断!


「これがほんとの

 キャッシュレスね♡」


「強盗だろ!

 いや、

 すずりちゃんの行動を

 責めるつもりはないし、

 私も

 こうするほかないと

 思うが!」


「非常時です。

 致し方ありません。


 壊してしまったものですし、

 完全に外して、

 前面扉レスに

 してくださいな」


「承知しました」


 言われた通り、

 すずりは

 自販機の前面扉を

 取り外して床に置く。


「――良かったですね、

 ルナアイナニ。

 自販機の中が

 見られますよ」


 リウメロエは、

 弟が以前に、

 自販機の中身を

 見たがっていたのを

 忘れずにいた。


「こんなふうに

 なっているのですね……」


「あ、殿下。

 金属断面は

 尖ってるので

 危ないですよ」


「ルナアイナニ」

「ああー」


 リウメロエは

 弟を抱き上げ、

 手を切る前に

 危険個所から

 移動させる。


     †


「俺は

 ベワマゲカパパイの霊に

 目覚めただけでなく、


 先王を殺したことで、

 キラナニカパパイの霊を

 ほぼ全て持っている。


 無敵で最強だ。


 クザッツ人に

 俺の命令に逆らえる奴は

 王族の他にいないし、

 そいつらや外人も、

 力では俺に逆らえない。


 無敵で最強!


 世界の王

 となるべき運命なのさ。


 そして、

 俺の目の間には、

 ダナ、お前がいる」


 ジミーは

 ダナの方へ

 振り返って言い、


 両の瞳を

 あやしい金色に

 光らせる。


「とりあえず

 ファックしようぜ、

 ダナ。


 それから

 ブリジット・

 ブロウジョブを殺し!

 残りの王族も殺し!


 二蛇神の力を

 完全なものとし、

 世界を支配する!


 さあ。

 共に、

 世界を

 喰いに行こう、ダナ」


 金色の目で

 ダナを見据え、

 ジミーは

 手を伸ばす。


 コブラが

 鎌首を

 もたげるように。


(……ここは

 とりあえず

 YESと言っといて、

 ごまかした方がいいよな……)


 直観的に、

 ダナは

 それが生存のための

 最適解だと

 理解した。


 だが、

 気に入らない。


「ふざけるな、

 ジミー!

 ブリッジを

 殺すだって!?

 冗談でも許すかよ、

 ファック野郎!」


 ダナは

 声高にのたまう。


 コブラに追われ、

 拘束された恐怖の

 反動か。


 友情からの

 激烈な怒りか。


 あるいは、

 ダナもまた、

 ベワマゲカパパイの

 霊の影響で

 いくらか

 気が強くなっているのかも

 しれなかった。


 ジミーほどでは

 ないにせよ。


「……馬鹿な女だとは

 思っていたが、

 そこまで

 おかしかったのか?」


「うるせえやい!


 だいたい

 あんたこそおかしいよ。


 旅行先で

 オカルトパワーを

 手に入れたくらいで

 調子に乗るな!


 21世紀だぞ!

 現実とか

 身の程を

 わきまえろ、


 ジミー・ジミングス!」


「KUKUKU……

 KU-HAHAHAHAHA!


 現実を

 わきまえるべきは

 お前だぞ! ダナ!


 乳に

 反比例して小さい

 お前の

 脳でもわかるように、

 俺の力を見せてやる!


 ――Shhhhhh!」


 ジミーは

 両手を

 祭壇にかざし!


 全てを

 呑まんばかりに

 大口を開く!


 王の遺骸が!


 両王子の首が!


 そして

 忠節なる

 クザッツ王臣らの

 死体が!


 金色の風に

 運ばれて!


 ジミーの口に、

 両掌に、

 吸い込まれる!


「HAHAHAHA、

 感じるぞ!

 王の力を!」


 ジミーの肌色が

 変わる!


 紫がかった

 緑色の鱗が

 全身を

 覆っていく!


 身体の形と

 大きさも!


 人間のものでは

 なくなっていく!


「Shhhh……


 ダナ、

 これが俺だ。


 世界の王、

 ジミー・

 イビル=デスコブラの

 讃うべき尊体だ。


 今すぐ

 ペニスをくわえて

 媚びへつらいたく

 なったんじゃないか?


 うん?」


 邪悪な

 コブラの怪物は、


 へたりこむダナを


 遥か上方より

 見下ろし、

 尊大にのたまった。





本日もありがとうございます。


あと数日、とか書きましたが

一週間以上かかるかもしれませんね。

ともあれ、なるようになることでしょう!

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