表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/34

ジャングル・フルーツ



 生木出現!

 護送車へ突進!


 防弾フロントガラスを、

 梢で

 突き破らんとするかのごとく!


「Aga-Pua!」


 運転者ハンドル操作!


 護送車は生木を回避!


「Das ist gut……!」


 だが護送車の回避行動こそ!


 フレイヤの目論むところだった!


 そもそも、

 防弾仕様の護送車は非常に堅牢だ。


 つる草に吊られ、

 自重で振り子運動を行う

 細い生木が直撃したとて、


 フロントガラスに

 ひびさえ入るまい。


 向かってくる生木を無視して、

 運転者はそのまま走行させるべきであった

 とさえ言える。


 しかし親衛隊員たちは、

 直前の襲撃で気が立っていた。


 何かが

 襲い来ることを予期し、

 警戒していた。


 そんなとき、

 突っ込んでくるものがあれば、

 反射的に

 回避行動を取るものだ。


 対戦車ロケットか

 そうでないか、

 つぶさに吟味していては

 戦場では生き残れない。


 だが、

 そういった常識的な最適解こそ、

 罠を仕込む先として

 ふさわしい!


 CRASH!

 護送車の片輪が沈む!


 フレイヤの落とし穴だ!


 急ぎ掘った穴ゆえに浅く、

 タイヤを少々埋めるばかり!


 だが敵襲を振り切るために!

 護送車両は高速走行中だ!

 

 ちょっとしたつまずきも!

 速度ゆえ大きく作用する!


 CRAAAASH!

 護送車横転!


「「「「「Aga-Pua――!?」」」」」


「きゃ!?」

「ぴえええん!」


 車内の重力方向逆転!


 親衛隊員悪態!


 リウメロエが叫び、

 ルナアイナニは泣き続ける!


「Blitzkrieg!」


 フレイヤ高速移動!

 護送車へ急速接近!


 跳躍!


「Über Alles――

 in der Welt!」


 プロイセン拳法奥義!

 最大出力!


 空中より落下しつつ、

 重力の助けを受けて攻撃!


 防弾ガラスを直撃する!


 CRAAA……SH。


「我が奥義に耐えるか……!」


 防弾ガラスには

 蜘蛛の巣状のひび!


 だがそれだけだ!


 破砕するには、

 少なくとも

 あと一撃は必要だ!


「Sio tio!」

「「「「「Geh-yai-geh!!」」」」」


 BAAAAANG!


 号令一下!


 護送車の窓から半身を出して

 親衛隊員は一斉射撃!


「Schlieffen Zurück!」


 フレイヤ退避行動!


 だが銃撃は人間より速い!

 避けられぬ擦過傷!


(Scheiße!

 すずりちゃん、早く来てくれ……!)


 フレイヤは動き続ける!


 奇襲殲滅が叶わなかった以上、

 ここは退くしかない。


 近接格闘を挑もうにも、

 護送車の内に籠られてはかなわない。


 再度の奥義で蹴破ろうとすれば、

 一斉射撃の良い的だ。


 しかし既に姿をさらした後だ。


 ジャングルの中に姿を消すまで

 銃弾をかわし続けるのは、

 至難の業である!


「Kopo! Kopo-sio tio!」

「「「「「Geh-ya――!?」」」」」


 BAANG!


 密林より銃撃!


 親衛隊員

 数名の頭部へ命中!


 血液&脳漿飛散!

 フルーツジュース!

 

「すずりちゃん! 来てくれたか!」

「いいえ、フレイヤ!」


 輝く金髪!

 豊かな乳房!

 アサルトライフル両手持ち!


 声と銃撃の主は

 ブリジット・ブロンデア!


 ブリジット射撃続行!


 BAAAANG!


 親衛隊員! 殲滅!


「遅くなってごめん、フレイヤ!


 ――神聖、不可侵!」


 密森から現れるすずり!


 帝国拳法奥義発動!


 ひび割れし護送車の防弾ガラスを!


 CRAAAAAASH!


 完全破砕!


「大勝利ね♡」


 ぱちぱちと手を叩いて、

 ブリジットがかわいらしく言った。




皆さま、いつもありがとうございます。

皆さまと、そして僕に良きことのありますように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ