鍛錬、そして連携の勝利
「Über Alles!」
フレイヤ! プロイセン拳法! 連打発劫!
「上下一心!」
すずり! 帝国拳法! 連撃繚乱!
「「「「ギャーッ!?」」」」
武芸燦然! 誉れの業よ!
銃を抜こうとした男たちを、鮮やかに吹きとばす!
「クソッ! ひるむな! やれ!」
「「「「Geh-yai-geh!」」」」
イワン号令!
アロハグラサンたちは立ち上がる!
「ドアが閉まります、ご注意ください」
だが! エレベーターの戸が閉まる!
フレイヤとすずりが戻った直後に!
「ちっ……逃がしたか……!」
エレベーターはなめらかに上昇!
デカパイギャル軍団! 離脱完了!
「追え! 全ての階で片っ端から停止ボタンを押すんだ!」
「「「「Geh-yai-geh!」」」」
アロハグラサンたちは、階段へと走り出す。
†
「ありがとう、助かった。
エレベーターをあのタイミングで閉めてくれた功労者は?」
「あ、私」
フレイヤの問いに、ダナが答える。
「ありがとう、ダナ。
私のおっぱいさわっていいよ♡」
「すずりちゃんがブリッジみたいなこと言った……」
「そうかしら、ダナ?
わたしそうは言わないで、逆に揉んであげるところだけど」
「ん♡ ――実践しなくていいから!
それで、どうしよう?
とりあえず上に行ってるけど、他のビルへの通路とかないよね……?」
「ないね。
ヘリポートはあるけど、そう都合よくヘリが来るはずもない」
「ゲイファック中の王子二人を人質にして、
正面突破はどうかしら?」
「つまらんことを言うな、ブリッジ。
人質の通じる相手じゃない。王室警察の制服を着てる私をも、
奴らは撃つつもりだったのだから」
「フレイヤの言うとおりね……困ったわ……」
「……しっかし、あいつ何が目的なんだろ?
家賃は払ったんだし、もういいじゃんよ」
「え? ダナを狙ってるに決まってるじゃない」
「うんうん、ブリッジの言うとおり」
ブリジットとすずりは、さも当然のことのようにのたまった。
「え、そうなの!?」
二人の言葉に驚き、ダナがとんきょうな声を上げる。
「それはそうだろう。
伝え聞いたかぎりだが、
奴はダナが一人でいたところに声をかけて来たんだろう?
なら、ダナが目的だと考えるのが一番シンプルだ」
「えー、
それなら家賃の嫌味なんかをえんえんと言うかな。
最初っからハーレクイン傲慢ナンパ金持ちみたいな話を
やっといた方が早くない?
どのみち私ゃ断ったけどさ」
「ダナはかわいいから♡
ダナが謙遜するよりもずっとね」
言いつつ、ブリジットはダナの乳房を揉みしだく。
「んぅ♡ だから!
揉まな♡ いで! ブリッジ♡」
「――ホテルの警備部門とクザッツ警察への通報は、既に私が済ませている」
スマホをしまいながら、フレイヤが言った。
「私たちはこのままエレベーターに乗り続け、適当なところで降りる。
そして立てこもれる場所を探す。
そこで奴らの逮捕ないし撃退を待つ。
それ以前に発見されるようなら、
銃の役立たぬ環境を強いて決戦を行い、勝つしかない。
こちらの意図せぬタイミングでエレベーターが停まり、
そこに奴らがいた場合も、決戦を行うこととなる」
「つまりフレイヤ、無策ってこと?」
「ああ。
しかし、すずりちゃんだって
必勝の作戦があるわけではないだろう?
もし、あるのなら教えてほしい。
私たちの友達を守るために」
「ごめんフレイヤ、責めるつもりじゃなかったの。
ほんとにごめんね?
でも、状況を確認させてくれてありがとう。
私、がんばるから」
「すずりちゃんがそう言ってくれるなら、
私たちの勝利は確定したとも。
夕飯をどこに食べに行くかを考えながら、
リラックスしてやるとしよう」
「それじゃ、そろそろ停めるよ?
最上階は展望室で、広すぎるから良くないだろうし」
「ああ、停めてくれ、ダナ」
「ダナ、お願い」
「ダナ、がんばって♡」
「ポチっとやるだけなのに緊張すんね……!」
ダナは階床ボタンを押す。
エレベーターはなめらかに、手近のフロアへ停止する。
†
エレベーターのドアが、エレガントな効果音を鳴らして開く。
「――!」
フロアに降りるなり、
四人は荒々しい足音を聞きつける!
階段を駆け上ってくる音だ!
それも複数人が!
「ファック!」
先頭はイワン!
一人突出して速い!
「Schwesterlich Zusammenhält!」
フレイヤ突撃!
プロイセン拳法炸裂す!
「ギャーッ!?」
イワンに直撃! 骨肉粉砕!
打撃の勢いで階下へ転落!
「「「「「Aga-Pua――!?」」」」」
衝突音!
クザッツ語での悪態!
下にいたアロハグラサンたち――
イワンが雇った、
クザッツの屈強な男たちをも巻き込んだか!?
階段を駆け上る中での数十キロの落下物だ!
当たればただでは済まない!
「まだだぞ、すずりちゃん!」
「わかってるよ、フレイヤ!」
しかし、フレイヤとすずりは気を抜かない。
銃による反撃に備え、壁際へ。
ダナとブリジットに手で合図して、後ろへ回らせる。
これで、即座の銃撃を受けることはなくなった。
「来い! 三下ども!
プロイセン! ヴァイマル! ブンデスレプブリク!
三拳法の武名の糧と果てるがいい!」
「大日本帝国拳法もお忘れなく!
無刀ゆえ、首を取ってはやれないけどね!」
二人は堂々と声を張る!
磨かれた業にふさわしい勇壮なる態度だ!
そこに、何かが飛んでくる。
「――ん!?」
すずりの動体視力は、飛来物は円筒形の金属だと確認した。
フレイヤの知識は、それはクザッツ警察装備品のスタングレネードだと見抜いた。
「伏せて!」
「伏せろ!」
すずりとフレイヤは同時に叫ぶ。
しかし遅い。
閃光! 轟音!
次弾発射!
閃光! 轟音!
さらに続く閃光轟音!!
複数のスタングレネードによる光と音の暴風に、
四人の感覚は白く染まる。
「Hola! Hola!」
「「「「Geh-yai-geh!」」」」
指揮官号令!
クザッツ警察たち応答!
階段を駆け上る!
クザッツ警察たちは、
倒れふすデカパイギャルたちに手錠をかけ拘束!
「フローショトク殿下、
ジャブジャーブ殿下、両殿下弑逆の現行犯で逮捕する、賊女ども。
国王陛下の直々の御手討ちをおびえて待て!
惨死すべき邪悪の徒めが!」
エンジニアの皆さま、メンテナンスありがとうございます。
ここに書いたからとて、お目に触れることもないのでしょうけれど、他に書くところもないので書いておきます。いつもお世話になっております。おかげさまで楽しくやっております。
ほんとうにありがとうございます。
そして、読者諸賢のご高覧にも感謝いたします。微増が続いており、うれしいです。




