表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/34

ソーシャルハックに気をつけろ!


「Hi、ブリッジ。ちょっと聞いて、えらいこっちゃだぜ、もう」


 アパートに帰宅したダナ・ダグラソンは、丁重に戸締り。


 そして、床に寝転ぶルームメイトのブリジット・ブロンデアの金髪をかき上げて耳を出し、ささやく。


「当てちゃった、ジャックポット!

 溜めてる家賃払ってもかなりのお金が残るよ!」


「わあ♡ おめでとう、ダナ。

私も、あなたのクレジットカードで限度額まで買い物したところなの。

本当にすばらしいタイミングね!」


「何してんのお前――!?」

 ダナは叫ぶ。


 現代の建築基準を満たせなくなった老朽アパートは、音エネルギーに揺れる。


「今年のお洋服を買ったり、バカンスの予定を立てたり。

ダナ、あなたのぶんもね♡」


「ありがと、ブリッジ」


「どういたしまして」


「いやそうじゃなくてさあ! マジで何してくれやがんの!?」


 ダナはジーンズのポケットからスマホを取り出し、明細を確かめにかかる。


 ロック解除がうまくいかない。


 臨時収入の希望から、経済的打撃への急降下爆撃。


 精神的ショックが指に現れていた。


「ごめん、なさい。私が悪かったのね。全面的に」


 潤むブルーの瞳を上目遣いにし、床に座ったブリジットは、震える声をしぼり出す。


「……でも、あなただっていけないのよ? ダナ。

せっかくの休日に、私を一人にして外出してしまうのだもの。

私、さびしくて耐えられなかった。それで、あなたのPCとパスワード管理アプリをついハックしてしまったの」


「浮気の言いわけとかならまだわかんだけどなあ……いや、むしろありがちか?

 メールチェックとかのためのソーシャルハックと考えると……」


「そしたらダナが、惨死すべきファック野郎ジミーの誕生日とイニシャルの組み合わせを、パスワードに使っているのに気づいてしまったじゃない?

 私、もういっぱいいっぱいになっちゃって――」


「わ、わかった! もういい! もういいから、ジミーのことは忘れとけ!」


「……許して、くれるの? ダナ」


「いいよ。……良くないけど、致命的じゃあないからね」


 ブリジットの使った合計金額と、滞納した家賃の総額。


 それらを差し引いた後も、ダナの得た当選金は、わずかばかり残っている。


「与太話はともあれ、ブリッジと休日を過ごしたかったのは私も一緒だよ。

ちょっと遅いけど、公園まで散歩に行こう。

そこで深夜営業のケバブかなんかを喰って、あぶく銭使い切っちまおうぜ」


 ダナはブリジットに向けて手を差し出す。


 ぱっと顔をほころばせて、ブリジットはダナの手を取った。



完結および毎日更新を目標にしたいなあと思います

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ