異世界のディナー
最近いつも頭の中でこの物語を妄想している作者です。正直僕の脳内では話が結構先まで進んでますw
その都度、忘れないようにiPhoneにメモしてるので、そっちの方では物語が進んでます。
ということで、第5話です。ぜひ最後まで読んでください!
「そうだ、この世界の冒険者ってどんな活動をしてるんだ?」
食事を待っている間、不意に大介が聞いた。冒険者と言っても色々な種類がある。大介は日本にいたころのゲームの記憶から、頭の中である程度のイメージはしていたが、ちゃんと聞いておきたかった。これで摩訶不思議なことを言われたらどうしようか。
「基本的にはギルドから依頼されたクエストをこなしたり、ダンジョンと呼ばれる自然そのままの地域に装備の素材や、希少価値の高いアイテムを手に入れるために探索に行くというのが一般的な冒険者の活動になります。また、モンスターを倒すことによって経験値を得ることができ、自身のステータスを向上させることができます。経験値を一定数ためることでレベルを上げることができます。」
まさかクエストだけでなく、自由な探索もできるとは・・・欲張りな世界である。レベル上げに没頭している未来も同時に想像してしまった。
「なろほど、つまりさっき言ってた魔王とやらを倒すには、レベルをかなり上げないとだめってことか。先が長いな~」
静香はRPGをあまりしてこなかったのか、レベリングのロマンを分かってはいない。レベリング次第でゲームの難易度が変わるのだ、もっと興味をもって・・・!大介は、心の中でそっと叫んだ。
「ん?マイリス、今、彼女が魔王を倒すと言っていたが、まさかその為に彼らを召喚したのか?まぁ、均衡を崩す策としては賛成だが、即戦力にはならないよな?」
「えぇ、先ほどお父様の前でも、申し上げましたが、私の読みでは約2年後、魔王軍との大規模な戦いが起こるはずです。その時こそ彼らの力を借りねばなりません。彼らはそれを成す潜在能力があります。その為、私は彼らを選んだのです。」
王女は、いくら2年後と言えど、そのことを何故誰にも言っていないのだろうか。そして、この召喚は彼女の独断でされたと考えるのが自然だろう。と、その時・・・
コンコンコン
「大変長らくお待たせいたしました。本日のディナーは、飛竜のステーキ、ジャイアントコーンのスープ、パン、そして食後にスキートンの実でございます。」
部屋に入ってきたのは、この城の料理長だろうか。髭がよく似合うその男は、そう言いながら、後ろに数名のコックとメイドを率いてそれぞれそれのテーブルに料理を配っていった。
飛竜!飛竜だ!!牛じゃない!ドラゴンの肉だ!!!!早速初めての食材登場。2人は興奮している。しかし、このメニューは材料は違えど、日本でも1度は食べたことのあるようなメニューだ。食文化に関しては、地球もモルゴンもそこまでの違いはないらしい。それでも食材に関しては、流石ファンタジーの世界。そして、それぞれのグラスに飲み物が注がれた。ワインのような見た目をしたそれは食事のメニューと相まって、とても上品だ。
「では、お父様」
「うむ、それでは皆の者。青木大介殿、夏川静香殿をこうして迎えられたことを祝し、乾杯だ」
そう言うと、それぞれグラスを前に掲げた。料理長や他のコック、メイドもグラスを前に掲げた。中には、ユイとマイの姿も見えた。そして、ラスカルの号令のもと、それぞれ一気に飲み干した。その後、料理長たちは席を外そうとした。
「ユイとマイも一緒に食べないか?」
「いえ、大介様。私たちは後で済ませますのでご安心を。お気遣いいただきありがとうございます。」
「そっか、いつか一緒に食べような」
「はい、その時はお言葉に甘えてご一緒させていただきます」
「ところで、ユイ、マイ、明日彼らを冒険者ギルドに案内してもらえないかしら?」
「承知致しました。それでは、大介様、静香様、明日お部屋にお迎えに上がりますね」
「あぁ、ありがとな。よろしく頼む」
そう言って、ユイとマイも部屋を後にした。いつか一緒にご飯を食べるのが今から楽しみだ。その頃には、自分たちはどこまで成長しているのだろうか。
「いただきます・・・!」
「いただきます」
大介たちは、空腹だったので余計に美味しそうだったその料理に1秒でも早く口の中にいれたかった。
「これが飛竜・・・!今まで食べた肉とはまた違った美味しさがある。しかも硬すぎなくて食べやすい!!あぁ、先輩、俺は今人生に満足しました。これで悔いはありません」
「大袈裟だな大介は。パクッ。!?なんだこれ!めちゃくちゃ美味いじゃねーか!確かに、これは人生に悔いは残らねーな」
「お2人とも気に入っていただけたようで何よりですわ。ですが、死ぬのはやめてくださいね?」
「分かってるって!冗談だよ、冗談」
そんなことを話しながら和気あいあいと食事をした。この城でここまで賑やかなのは、とても久しい。やはり、食事は人数が多いのに越したことはない。
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「お姉ちゃん、私も大介様や静香様と一緒にお食事したいです」
「そのためには、マイが恥ずかしがらずに2人と話せるようにならないとね。そうだ、明日彼らを冒険者ギルドに案内するついでに、ランチでもいく?」
「はい!ぜひ!」
この姉妹は本当に仲が良い。マイもユイの前では恥ずかしがらずに話せている。それに、この2人は姉妹ということもあって、容姿が似ている。2人ともかわいいのは言うまでもないだろう。ユイは紺色の髪を、ポニーテールにしている。マイのほうは、同じく紺色だが、姉とは違いその髪はおろしている。見る人によって好みが分かれそうだ。
「マイ、何か食べたいものはある?」
「皆さんと一緒に食べれるのなら、私は何でもうれしいです!」
「そっか、じゃあ明日あの2人にも聞いてから決めましょうか」
「はぁ~、楽しみだなぁ。早く明日にならないかぁ~」
さっきとはまるで別人のように、その可愛らしい声を響かす。これが本来の彼女なのだろう。これでは、周りの男たちが黙ってなさそうだ。この世界は平均的に顔面偏差値が高いのだろうか。
「それじゃあ、今日は早めに寝よっか。明日遅刻したら大変だしね?」
「うん!早くお風呂入って寝なきゃだね!」
そう言いながら、2人は城の廊下を、入浴場に向かって歩いて行った。
最後まで読んでいただきありがとうございます!いかがだったでしょうか?次回はいよいよ主人公たちの職業が明らかになります!お楽しみに!!!
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