ユイとマイ
どうも皆さん。第4話です!今回はこれから大事な魔法の基礎がちょこっと出てます!
相変わらず文章が発展途上なのでこからもがんばります!
眠い。眠すぎる。そもそも俺ら残業中だったんだよな。普通に考えて今夜中だよな?なんでこの世界はまだ夕方なの?時差ですか?じゃあ今寝たらだめじゃねーか・・・てか、この世界はそもそも24時間なのか?
1人ぶつぶつと小声で呟く大介に呆れながらも、静香は国王ラスカルから貰った、魔法の教本を読んでいた。明らかに日本語ではないが、なぜだか読めてしまう。おそらく異世界にくる時に脳になにかしらの知識を一瞬で刻まれたのだろう。実は、ここに来てからすこし頭が痛む。
魔法は基本として、『炎』 『水』 『雷』 『風』 『闇』 『光』 の6個の属性から構成されており、術者は、その適正がある魔法を扱える。また、工夫次第でこの他の属性魔法も使えるようになる。魔法を扱う上で重要なことは、イメージである。熟練の者はそのイメージを短縮し即座に魔法を発動できるが、最初のうちは、慣れるまで時間がかかる。さらに、魔法にも階級がり、初級魔法、中級魔法、上級魔法、最上級魔法、がある。勿論、その順に扱いは難しくなっていく。初級程度であれば適正がなくても発動可能。
「いつまでそんなことしているつもりだ。シャキッとしろ。お前も目を通しておけよ。勇者になりたいんだろ?だったら魔法も使えないと、な」
「うう、分かってはいるんですけど・・・そういえば、俺たちスマホ持ったままこっちきたんですね。ま、圏外ですけどね・・・」
「ま、いつか役に立つんじゃないか?魔法で電波とかつくれればの話だがな」
そう、雷の適正さえあれば工夫次第で可能な話である。
「あと、貰った装備品ですけど、俺たちの職業って何なんですかね。もし魔法使いとかだったら、この剣絶対使い物にならないですよね・・・」
「まあ、最悪金も貰っているんだし、これで好きなやつ買おうぜ。」
そんなことを話しながら、魔法教本を読んでいたらあっという間に時間は過ぎていった。そして、夕食の時間が来たようだ。ドアを叩く音が聞こえた。
「青木大介様、夏川静香様、お食事の用意ができました」
そう言って、ユイが二人のことを呼んだ。マイは相変わらず無口だ。心が開くまで時間がかかりそうだ。異世界に来て初めての食事に2人は期待で胸を膨らませていた。
「どんな料理があるんでしょうね!先輩!」
「意外と日本でも見たことがるような料理だったりしてな?それでも美味しそうだがな」
「確かに、そのことは考えていなかった・・・ま、大事なのはムードですよ!」
そんなことを話しながら、2人は案内されるまま、廊下を歩いて行った。
「あ、そうだユイさん。俺たちのことは下の名前で呼んでください。その方が変に緊張しないで済むので」
「下の名前、ですか?失礼なのですが、その下の名前とはどういう意味ですか?」
確かに、日本ではこういう形の名前だからまったく考えていなかった。大介は改めて説明をする。
「俺は、青木大介って名前ですよね?それで、青木っていうのは俺の苗字です。そしてさっき俺が言った下の名前っていうのが大介のことです。ちなみに、この人は、夏川が苗字で、静香が名前です」
「つまり、私たちとはファーストネームとラストネームが反対ってことですね。かしこまりました。それでは、大介様、静香様、改めてよろしくお願いします」
「うん、よろしくお願いします。そういえば、2人の自己紹介もまだでしたよね?もしよかったら聞かせてもらえますか?」
「分かりました。私はユイ=リンフォードと申します。こちらは、妹のマイ=リンフォードです。リンフォード家は代々このガンシード王国に使えています。そのため、私たちもこの王国に使えることになりました。そうですね、私たちのこともユイとマイで構いません。その方がこの子も安心すると思うので」
そう言ってユイはマイのほうを優しく見た。はたから見れば最高の姉妹である。大介と静香も何だか温かい気持ちになった。
「マイ=リンフォードです。よろしくお願いします」
「うん、よろしく!、あ、すみません、ついため口になっちゃいました」
「別に気にしなくていいですよ。これからも自然に接してください。その方が大介様も楽でしょう?」
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて・・・ご、ごほん、よ、よろしく・・・!」
そう言うと、ユイは微笑みを浮かべながら「はい」と言った。大介の心が少しだけドキッとしたのは、誰にも言えないだろう。マイも少しだけ心を開いたのか、笑っているように見えた。
自己紹介も終わり、お互いに少しではあるが親睦を深めることができた大介たちはダイニングルームへと到着した。
「お待たせいたしました。こちらがダイニングルームとなります。どうぞごゆっくり。」
「ありがと。ユイ、マイ」
「大介早速呼び捨てか~?ふふ。ま、いいや。ユイ、マイ、ありがとな」
そういって2人はダイニングルームへと入っていった。中に入ると大きな長テーブルがあり一番奥の誕生日席には国王ラスカルが、その1つ手前の席にはマイリス王女がすでに座っていた。そして、その向かいに見慣れない青年が1人。歳は大介と同じくらいだろうか。その見た目、気品から彼が明らかに王子であることは、一目瞭然だ。
「お待ちしておりましたよ。青木大介様、夏川静香様。どうぞお掛けになって?」
「ああ、ありがとう。マイリスも俺たちのこと、大介と静香って名前で呼んでもらえないかな?なんかよそよそしくて・・・」
すでに大介は王女にため口である。おそらくユイ達とため口で話したが為に、忘れているのだろう。ちなみに、王子と思われる青年はそれを見て少し鋭い目をした。
「分かりました。大介様、静香様。ところでご紹介が遅れましたね。こちらはガンシード王国の第1王子、そして私の兄でもあるフロイド=ガンシードです。」
「初めまして、フロイド=ガンシードだ。僕のこともフロイドで構わないよ。大介くん、静香さん」
「おう、よろしくな。フロイド」
「よろしく頼むぞ、フロイド」
先ほどは鋭い目つきをしたフロイドであったが、大介たちにやさしく微笑みかけながら簡単な自己紹介をした。さすが、王子は常に冷静であり、かつ、器が広い。おそらくモテるだろう。
「そうだ、なぁマイリス。この世界には、職業みたいなのってあるのか?それによって戦い方とかも変わるしな」
「はい、このモルゴンには様々な職業があり、その人にあった職業を冒険者ギルドで見つけることができます。明日にでも行ってみてはいかがですか?」
「本当か!よし、先輩、明日冒険者ギルドに行きましょ!」
「あぁ、そうだな。私はどんな職業なんだろうなぁ。」
「街の案内はユイとマイにお願いしておきますね」
ついに、冒険者としての生き方が明日決まる・・・!日本では会社員だったが、このモルゴンという世界ではどんな職業につけるのだろうか。もちろん大介の第1希望は勇者である。静香はなんとなく遠距離で戦いたいと思っている。これでも1人の女性なのだ近距離は怖いものがあるだろう。大介たちは、マイリスや、フロイドと談笑しながら料理がくるのを待った。相変わらず国王のことはそっちのけで。国王は少しネガティブになりかけている。
「皆、私を忘れないでくれ・・・正直ここまで影が薄いとは・・・国王として情けないな」
「「「「・・・あ、忘れてた」」」」
ここまで読んでいただきありがとうございます!次回は夕食からです!
だんだんキャラも増えてきて楽しいですね!あと1つ気になるとしたら、僕の所為でキャラの性格ころころ変わらないかということですw正直今回大介の性格が一瞬迷走しかけました・・・
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それでは、第5話でお会いしましょう!