表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

或るエルフの手記


 もうかれこれ砂漠を歩き続けて何日経ったと言うのか。

見渡す限りの砂漠と時折あるオアシスを結ぶ地図は全然役に立たない。

日に焼けてダークエルフになってしまいそうだ。



 サンドエルフの里に入れたのは130歳くらいの時だった。

キミは一番若くして来たと無駄に褒められた。

暇だったのと不老不死を獲得して王家の奴らを見返す為だ。

周囲の狂人共は、それぞれ単独で研究ばかりしており協調性がない。

私は時折小出しに見せてやるが、相手はほとんど見せてくれない。

独りで研究をするしかないのだろうか。

絶望しかける。



 里に入って20年が経過していた。

伝説の指輪を探し当てたと言う、砂掘りキチガイが鼻息荒く部屋に入ってくる。

時折見せてやっていた研究に興味を惹かれていたようだ。

私のやっていたことは無駄ではなかった。


 彼によると、その指輪は怨嗟の指輪と言うらしく、怨恨を貯め込む性質があるとのこと。

怨恨を貯め込むのであれば、我らエルフにかかっている樹木化の呪いらしき物を変わりに貯める指輪などのアクセサリーを作る手がかりになるかもしれない。

貸して欲しいと言うと、研究成果を見せろと言ってきた。

渋々了承することとする。



 指輪を研究して30年が経つが、砂掘りは一向に姿を見せない。

またどこぞで掘っているのかもしれない。

今のうちにコッソリ研究室でも漁ってやろうか。

入ろうとしたら呪術で鍵をかけていた。

いらん所はしっかりしている。



 里に入って50年、偶然指輪を作った狂人のマナを探り当てる。

ステビアという名前のようだが、聞いたことも資料で見たこともない。

瞑想ばかりしているザゼンにステビアの名前を出したら反応した。

今まで何を言っても動かなかった彼のことだ、何かを知っているのだろう。

他の者は聞こえていないか、反応が無かった。

ザゼンに頼るしかなさそうだ。



 里に入って80年、里に入る前に持ち込んだマジックバッグ内の食料が尽きた。

丁度良い、外に気晴らしを兼ねて素材集めをしよう。

10年ほどぶらりと世界を周り、中型のドラゴン丸々一匹と膨大な食料を確保し里に帰還する。



 里に入って100年目、ドラゴンは思っていたより使えない素材だった。

血などは鉱物臭いだけでロクな効果がないし、目など少し魔力を蓄えてくれるだけだ。

心臓を食べてみたが、歯ごたえがあるだけで旨くはない。

魔力上限値が少し上がった程度だった。

ドラゴンの種族や年齢によるのかもしれないが、滅多に見れないドラゴンを探す時間は勿体無い。


 里に入って120年、20年の歳月をかけても研究に手応えが感じられない。

気分転換に外に出てみようかと悩む。

周りのいくつかは、ほぼ樹木化してしまったのでマジックバッグに入れて遠くに捨てに行かなければならない。

里で樹木化されてはいい迷惑だ。


 里から出て30年、里に入って150年になる。

今年は良い年だ。

脳筋の大鬼人オグル共が構えている城塞は、元々大きな遺跡だったようで内部に遺物があると噂で聞いた。

透明化を自分に付与して潜入、軽く調べた所、異世界の住人を召喚する物体のようだ。

レバーなどを操作するも作動しない。

何か条件があるのだろうか。

生まれつきマナを持たないクズ共にはもったいない遺物だ。

いくつかの場所に設置型の魔法を付与し、起動した際にわかるよう小細工をした。

壊さずに使ってくれると良いのだが。

他の城塞や遺跡にも同じ物がないか調べることにする。

しばらくは砂だらけの里に帰る必要もないだろう。


 放浪して20年、設置したことを忘れていた魔法陣が起動したのを感知する。

20年前の私グッジョブ!

透明化して再潜入すると、3人の人間がいた。

マナを多く持つ者と少ない者がいる。彼らはどこから来たのだろうか。

話しをしてみたいが脳筋とは仲が良くない。

人間が出てくるのを外で待つしかない。

エルフは寿命が長い分、耐久戦ならどんと来いだ。

てんさい糖を取り出しかじって耐える。


 3日後、正面入口から喧嘩をしているような人間3名が出てくる。

意外と早くて助かった。

後は偶然を装って街道で会うだけだ。

先回りしておこうと思ったら商人の馬車が野党に惨殺されている。

これは都合が良い、軽くあしらって自分が生き残りという体にしよう。


 エルフの女の涙という必殺の武器を使い、3人を懐柔することに成功する。

彼らはニホンという場所から来たと言い、エルフをとても好むと言う。

さして珍しいわけでも美人でも無い私はまんざらでもないが、これは実験の為のモルモットだ。

愛着が湧いてはならないと戒める。


 翌日、彼らは特殊な能力を持っていて、自分の方が優れている、俺の女になれ、などくだらないことで争いを始めた。

人間の男の考えることはわからない。

しかも、大した能力でもない。

火を出せるだの、飛べるだの、消えられるだの、どれも魔法で可能なことだ。

ギフトと呼んでいるが、スキルや魔法とは違うのだろうか。

我々には生まれ持ってマナの寵愛の1つしかギフトが無いと思われるが、彼らは2つ、もしくは3つ持っているらしい。

個体によって数が違い、能力まで違う。

人間の癖に生意気だ。


 持っている能力を全て聞いてみたが、どれもこれもカスだった。

1番のカスはコピーと呼ばれているものだ。

自分では何もできず、他者の能力を真似する能力だと言う。

くだらない。

あまりにくだらなかったので3人とも殺してしまった。

気が短いのは直さねばならない。

貴重なモルモットだったのに。


 翌日、再度遺物に魔法陣を仕掛けに行ったらまた3人湧いていた。

私が3人殺した事と何か因果関係があるのだろうか。

試しに次の3人も飽きたら殺してみようと思う。


 一ヶ月待ったが誰も出てこない。 

追加が湧いたわけでもない。

どういう理屈で動いているのだあの遺物は、研究させて欲しい。

シビレを切らして内部に潜入したが、1名しか見当たらない。

しかも小屋に篭りっきりだ。

つまらないヤツだが性能を知らないことには殺すには惜しい。


 そしらぬ顔でノックをし、返事もないので入ると”ミーシアたん!”などと呼ばれ頬ずりされる。

気色悪い。

ボクを助けに来てくれたんだね!など妄想癖が激しい。

アナタの能力を教えて、と言うと、ダメだ、きみはツンデレだったはずだ、などと宣い、演技の指導をされる。

気色悪いし手間だが我慢する。


 このニホンジンというヤツは、ある程度冷たくし、時折優しくされるのを好むようだ。

それがツンデレなのだという。

配分が絶妙だね!などと褒められる。

ほぼ素で対応しているだけなのだが。

こんな汚い男に冷たく接しないヤツの気が知れない、理解不能だ。

ようやく教えて貰えた能力は4つもあった。

が、どれもこれも使えなかった。

一定回数の蘇りは興味を唆られたが、我々は死ぬのではなく樹木化を止めたいのだ。

つまらないし演技に疲れたので何度も殺した。


 翌日、崖の上で寝ていると人間のやかましい声で起きる。

また1人出てきたようだ。

これは素晴らしい、私が殺すと出てくるのかもしれない!

次も殺してみよう。


 穏便に事を運ぶ為に城外へ出るのを待っているのだが、1週間経過しても出てこない。

面倒だ。


 2週間経過すると2名出てきた。

なぜ増えているのだろう?

感知魔法を付与するのを忘れていたのかもしれないが、多い分には喜ばしいことだ。

森で偶然を装い遭遇する。

エルフいた!ファンタジー!などと発狂している。

そこまでエルフが好きなのか。

エルフに産まれた事を感謝する。


 2名に言い寄られ、やはり取り合いになる。

独占欲の塊のような種族だ。

サンドの里の奴らと気が合うのではなかろうか。

手は取り合わないが。

能力は闇と光の攻撃スキルだと言う。

つまらないので殺した。


 もう1名はようやく少しは研究のしがいがある、再生能力だった。

もう1つはテイマーなどと言っていたが、何をテイムしてどう使えと言うのか。

この世界にいるドラゴンは臆病で人里に降りてくることは滅多にない。

自らの肉体が貴重な材料であるという自覚があるのかもしれない。

会話が可能な素体がいないか探してみる余地は少しありそうだ。


 再生能力のある実験体を里まで瞬間移動のスクロールで持ち帰る。

テレポすごい!と発狂している。

こいつらはエルフに実験される為にいるのかもしれない。

叫び声がうるさいので口の中に硬度のあるスライムをぶち込んで手足を切り刻む。

切り落とした指や手足は再度生えてくる。

見ていて気持ちの良いものではないが、我々が樹木化した場合に切り落とし再生させればよいのではないか。

その術式を抽出しようと日々研究を重ねる。


 最近は切り落としても反応がなくなってきた。

活きが悪くなったのだろうか。

一応餌は与えているのだが。


 1年も切り刻むと再生しなくなり、死亡した。

刻むのが唯一のストレス発散だった私には辛い。

だが、研究の甲斐があって再生因子の抽出に2つだけ成功した。

これは交渉の材料になりそうだ。

1つは自分用に良いのを残しておこう。


 指輪の製作者、ステビアの名前に反応があったザゼンに話を持ちかける。

彼は両足が座禅をしたまま樹木化していた。

足が動かなくてもマナを操作して移動する程度はわけないサンドの民にとって、足が動かないのは大した不便でもない。

少し邪魔な程度だと言っていた。


 彼からステビアについて聞き出せた事は、1000年ほど前の人物なのだと言うこと、ドSだと言うこと、サンドの民と同じく極度のマイペースなエルフ女性だという使えない情報だけだった。

それだけで交換するには惜しいので取引を中止してやろうとしたら、住処の1つを教えるからと出し惜しみをしていた事が発覚。

知っているなら最初から出せ。


 嘘臭いなどとイチャモンを付け、先に確認してくると言うとギャーギャーわめいたが、私には唯一の因子がある。

彼は逆らえず待つと言った。


 ステビアの住処にたどり着いたのは、それから5年が経過していた。

そもそも世界地図を取り出し”この辺の大きな森の、この辺”という曖昧すぎる位置表現では見つけにくい目印、マナを流し込んで起動する入り口やトラップを考えれば早い方だ。

自分で自分を褒めたい。


 確かに中には変わった書物や装飾品が多かった。

本物のようなので、帰ってザゼンに報告しようとしたら、彼は8割ほど急速に樹木化していた。

手遅れな気もするが約束なので因子を与え、樹木化した左肩から先を切り落とした。

若干の再生が見られたが、本体の生命力が足りないのか、はたまた能力との相性の問題なのか、ほどなくして死亡した。

仕方ないので死体をバッグに入れてステビアの住処の近くに破棄し、中で研究を始める。

 

 読みにくい独特の暗号文を15年ほど研究し解読したが、この住処は1500年ほど前までしか使われておらず活動中期のものだということ。

アクセサリーに特殊な宝石を使い、魔法を使って延々と気の遠くなるような彫刻をしなければならないと書かれている。

手間が過ぎる!

ドSどころかドMではないか。

彼女の終の棲家を探し当てなければ。

最後の文献の目的地はファッシーナ王国だ。


 10年ほどウロウロしたが、全然見つからない。

噂も聞かない。

サンドの噂は時折聞こえてくるのだが。

誰か吹いて回っているのではなかろうか。

外出好きのカタテのやつかもしれない。

ステビアは立ち寄っただけなのだろうか。


 この30年ほど、時折アラームが鳴って現地で異世界人を確保しているが、どれもこれも不老不死には繋がらない能力しかない。

時を3秒止める、カビを出す、爆弾を出す、大きな船を出すなど、どれもこれもつまらない。

下手に世界を混乱させられても困るので全て殺したが。

ともかく、異世界人は男でも女でもエルフが好きというのは共通していた。

それだけは収穫である。


 しかし、数名は行方不明になっているので全部は捕獲できていないのが気にかかる。


 

 ステビアの終の棲家をようやく見つける。

だが、彼女は重要な記述のページのみ破り捨ててある。

他の誰かに先を越された可能性もあるが、この2ページだけならば他から推測していけばどうにかなるかもしれない。

この場所で研究をしよう。


 サンドの里の自室アラームが作動したので飛んでいくと、砂掘りのヤツだった。

最近見かけないなどというつまらない理由でアラームを作動させないで欲しかったが、なんと彼はまたしても指輪を見つけたという。

それを先に言え。


 2つ目の怨嗟の指輪だと言う。

1つ目の研究資料を渡して2つ目を貸してもらい比較研究する。

2つは作られた時代が少なくとも100年は違っていて、1つ目の方が高度な技術で作られている。

貯められるマナが倍は多い。

ぜひとも本人に会いたかったものだ。


 見つかった場所についても、それぞれ砂漠であると言う。

もしかしたら怨嗟の指輪が発動した場合、その地は砂漠になるのか。

そして貯められていた怨恨というマナエネルギーに比例しているのではないだろうか。

2つしかないのでは推測の域を出ないが、多少なりとも正解しているだろう。



 しかし、彼女は何の為にこの指輪を造り、そして制作方法を封印したのだろうか。

彼女も私と同じくサンドの民であり、不老不死を求めたのではなかろうか。

そこに気付くとは!やはり私は天才か。

一番捜索しなければならなかったのはサンドの集落なのだ。

灯台の下は暗いという当たり前の事を言っていた人間の言葉の意味を経験で知る。


 砂掘りに聞いてみたが、小さな部屋が地下深くにあったが何も無かったと言う。

指輪を掘り当てるような狂った感知魔法を使う此奴が言うのだから真実なのだろう。

残念だ。


 

 終の棲家に籠もって、もう30年以上は経過しただろうか。

一向に読み終わらない。

1シリーズ毎に暗号パターンが代わり、その解読に時間がかかるせいだ。

解読が終わったら日記であったとか、料理本であったりして燃やしそうになる。

彼女は性格が悪すぎやしないだろうか。


 追加30年でようやく全ての解読が終わったと思うと、空中から金庫のような物が出てきて破れたページが納められていた。

遊び心と言えば聞こえは良いが、全てを解読しないと教えないとはつくづく狂っている。

他人に自分の道と同じ苦労を強要しないでくれ。


 指輪の作成方法はわかったが”作成した理由は暇潰しだった”と一言書かれていた。

これには私も2日ほど寝込むくらい落ち込んだ。

長寿になると暇で狂うようだ。

私はそうならないよう気をつけたい。


 しかも、1つ目の指輪が最後の作品で合計5つあると書かれていた。

1つずつ貯められる怨嗟の量が違い、呼び出せる魔獣も属性ごとに違うという。

ステビアの得意魔法が風だった為、最後の指輪は一番強い風の魔獣が出てくるそうだ。

発動したのを見て魔法陣などを研究したいが、貯める怨嗟の量と、指輪の主になる為の試練となるマナの量の検査が比例しているらしい。

今持っている最後の指輪は私の少ないマナ総量では足りず、主になることができない。

都合の良い生贄用のエルフを探すことが課題になった。



 30年各地を放浪して、ようやく面白いギフト持ちの人間を見つけることができた。

彼は持っている能力を消し、新しく書き換えられる能力だと言う。

非常に興味深い。

もし、樹木化が呪いやマナの寵愛が原因であったなら消してもらえば良い。

私は彼の妻となることを条件に、その能力を使ってもらおうとした。



 夫婦生活が続いて3年。

合わない他人に合わせて演技するというのがこれほど疲れるとは思わなかった。

ツンデレを1年ほどやらされたかと思ったら、ツンデレはもう飽きた、優しいだけでいてくれ、などとワガママ放題だ。

能力がなければ今すぐ殺したい。

私の父や母、祖母や祖父はよくこんな生活に耐えたものだと尊敬する。


 その苦痛を代償に手に入れた情報は、夫は元々コピーの能力持ちであったこと、様々な能力を各地でコピーし、マナが宿る伝説と呼ばれるアイテムを触れることでコピーできたりすると言うこと。

他人の能力を消す能力が目覚めたのは最近であると言うことだ。

もう初老だというのに使えない人間だ。

考えて見れば、一番最初に真っ先に殺したのがコピーという能力だった。惜しい事をしたが、知らなかったので仕方がない。

不老不死について訪ねたが、探しても見つからなかったのだと言う。

確かに見つけていたら自分で使っているか、と納得する。


 翌年、そろそろ我慢の限界である。

キミは実家に帰省しないのか?という謎の単語を出され、詳しく聞くと実家に帰るのは彼らの風習なのだと。

サンドの集落に帰り、樹木化を見てもらうチャンスである。

瞬間移動スクロールで帰り、ここが実家で皆病気に苦しんでいると泣いて助けて欲しいと懇願する。

仮の夫は騙され、砂掘りの樹木化の能力を握手しながら消去した、と言う。

するとどうだろう、日に日に樹木化していた肉体は元の美しいエルフの体に戻っていくではないか!

私の努力は報われたのだ!私は不老不死になれる!


 そう喜んでいたのも数日だった。

樹木化解除の実験をした砂掘りが、不老不死は自分だけでいい!などと暴走し私の仮の夫を殺してしまったのだ。

我を忘れて反射的に砂掘りを殺し、私はサンドの集落を追放となった。

悪いのは砂掘りの方なのだが。

理不尽だ。



 そんな時、一週間後に弟のエルフ王とオーグの女王が結婚すると言う。

人が苦労して掴んだ幸福から、一瞬で転落したというのにいい気なものだ、イライラする。

そうだ、ヤツラの結婚式で石化を付与した弓矢を背中から当ててやろう!

私の渾身の魔力を込めた矢なら、10年ほどは石化したままだろう。

これで少しはスッキリするし、ついでに怨嗟の指輪の怨恨集めも捗る戦争になるに違いない。

天才すぎる自分が恐ろしい。


 エルフの里に数百年ぶりに帰り、大して顔ぶれがあまり入れ替わっていないことに愕然とする。

こいつらは何も変わらない毎日をよく過ごせるものだ。

ある意味尊敬に値する。


 私よりマナの多いエルフを3人見つけ、2番目に高い者に強い方の怨嗟の指輪を与えたが狂って死んでしまった。

マナがまだ足りなかったようだ。

1番高い者は少し目をつぶって唸って暴れていたが、意識を取り戻し指輪の主になった、と言い出した。

何を見たのだろうか。

場所を把握しておきたいので、コッソリと位置がわかる魔法と一度だけ精神を乗っ取れる魔法を付与しておく。

付与魔法を選択した昔の私、本当にありがとう。


 3番目の者は特に唸ることもなく、すんなり指輪の主になれたと言う。彼女にも同じように魔法をかけておいた。

沢山怨嗟を集めておくれ。


 2人共3~400歳なので私より随分若い癖にマナが多いのは癪だが、そういうことはよくあるので我慢する。

1~200年後の楽しみの為だ。



 ファッシーナ教会で結婚式に潜入した私は、この日まで貯めてきた石化の矢を2本、ヤツラに当てる事に成功した。

ざまぁみろ。

すると2名はなにやらブツブツと言ったと思ったら大きな魔法を発動させ、光を降らせた。

ラル・ファクの加護というギフトだ。

ギフトを付与できるようなスキルを持っていたのか、それとも私の石化の矢に詰まった膨大なマナのせいだろうか?

などと考えていると2人の首がなくなっていた。

誰がやったのだろう?

残虐な事をするヤツもいたものだ。



 それから99年、私は他の大鬼人共の城などに古代の遺物がないか探したり、言葉を解するドラゴンを探す旅をしていた。

この世界は何かと広く、移動が面倒なのが手間だ。

移動魔法も一度現地に行き、周囲の景色を明確に覚えておかないと飛べないのが腹立たしい。

99年使った結果は空振りである。

現実は非情だ。

半分は自分の所為ではあるが、戦争が激化して自由に街を往来できなくなったのも痛い。


 仕方なく、私は唯一の異世界人を呼び出す遺物のある城塞近くの軍に配備された。

何度か遊んでいたが、多少は大鬼人共もやるようだ。

人間がぼろ布のように飛び散って見ていて痛快である。


 4回目のぼろ布飛び散りショーだったにも関わらず、楽しくて逃げ遅れてしまい慌てて転んで気絶してしまった。

気づけば牢屋の中で、ご丁寧に貞操帯まで付いている。

ヒンヤリして気持ちが悪いのだが。


 私は気絶しているフリをして無詠唱で自分の肉体と魂を分離し、城内を散策して情報収集をし、暗躍するのだが……


それは、別のメリアのお話……










 追記


 これはボツ案です。


 書きはじめて1週間目くらいの時に書き上げたものです。

自分の中で、まだメリアという女性が固まっていないのもあり、固めたかった意図で作成しました。

今読んでみるとメチャクチャな部分もあり、この設定は色々と無理があるなと感じました。

多少沿っている部分もありますが、変更点が多いです。



 それに、マジックバッグや透明化や瞬間移動、他にも設置型の付与魔法を多く使っています。

作中のメリアはそういうのを一切使っていませんし、使わなすぎるのは違和感があります。


 人生の大半を研究に費やしてきたので、ヴァリエンと同じく攻撃手段が著しく少ないはずです。

なので、基本は頭でっかちの貧弱エルフという設定にしました。

そうでもないと、メリアが気弱になるシーンが作れません。


 誰しも弱点があると思います。

弱点があるからこそ、性格が想像しやすいという作者の癖でもありますが。




 長い稚拙な文章を読んでくださり、ありがとうございます。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ