心臓の剣 一
3話目です。
異世界モノです。
心剣汝の従者となりて命を守らん
一太刀にて百の妖を退け
千の愚者を絶つ
汝の心剣折らざる時汝の命散りにける
世に心剣十と一つあらざる
十の心剣打ち砕きしとき
その心剣 命剣になりにける
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「そして最後の1文が最高にかっこいいじゃんよ。
〈命剣持つ者この世を統べらんこと疑うことなし〉
ってよ。 あこがれるぜ。 」
「あんな言い伝え信じているなんて、刀夜はあほだな。」
少年はまっすぐな言葉でバカにされると、負けじとケンカ腰で言い返す。
「うっせー、お前にだけは言われたくないじゃんね。
学年最下位をお取りになられた サ カ キ クン」
「うるさいなー。大きな声出すなよ。
100年前の剣の知識なんていらないよ。今の時代、銃が使えればそれで充分さ。
それに、剣史以外の科目ではお前より俺のほうが遥に上さ。負け犬の刀剣ってやつだね」
「くっそ。何も言い返せないじゃんね。
でもよー。こんな安定した世の中になったのも、命の剣を持つ王がいるからこそ、だろ。
言い伝え通りじゃないか。ワクワクするじゃんよ」
「知ってるさ、巨大勢力を軒並み滅ぼして、十剣戦争に終わりを告げたのは現国王だ。
だけどな、心剣とか関係なしに、対抗勢力が滅びれば、国もとれるし、そこそこ安定もする。
ただそれだけだろ。」
「またでた。その理屈。
じゃあ、これはどう説明するじゃんね。
王は俺たち民に家門をくれた事。それまでは名しかなかった俺たちにだ。」
一之瀬、二葉、三島、四季、五山、六仙、七峰、八尾、九地 十鬼 そして榊
これがこの国に住むすべての民の氏、「家門」と呼ばれるものである。
「たしかにそうだけど、それはこういう理由で~~だから」
「は、~~なんて言いがかりじゃんよ。」
こうして一之瀬刀夜と榊銃斗、2人の舌戦はいつものようにその日の帰り道ずっと続いていった。
to be continue...
不定期で続くシリーズです。