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二話 - 冒険者登録

ま、まさか一話目で評価を頂けるなんて...嬉しくてテンションが...

ラディアス念願の冒険者登録です。

「まずはウォルムの街に行って冒険者登録だな」


義父から貰った剣を携え、義母の作った腕輪をして森の中をひたすら歩く。

しばらくすると三匹の棍棒を武器に持つゴブリンが姿を現した。

今まで幾度となく狩ったことのある魔物だ。魔物のランクの中でも最低ランクF程度の魔物なら十匹や二十匹くらい襲い掛かってきても負ける気がしない。


剣を構え対峙した時、あることに気づいた。


「あ、付与するの忘れてた」


いつも使ってた付与済みの剣は安物だったから家に置いてきたんだった!


付与を忘れていた俺はとりあえず剣で狩ることにした。

迫り来る棍棒を最小限の動きで避け、隙が出来たとこに首と胴を切り離した。


三匹のゴブリンを狩り、討伐部位である耳環の着いている右耳を切り落とす。


「ゴブリン三匹でよかった。魔法の付与を忘れていたから大群だったらヤバかったな」


慌てて剣と腕輪に付与魔法をかけることにする。

おっと、アルフ兄さんにも手作りナイフを貰ったからそれにも魔法を付与しないとな。


まずはナイフだ。


「...んー、これは【土】と【風】だな」


俺がナイフに二種(・・)の魔法を付与するよう念じるとナイフが淡く輝き、しばらくするとふっと輝きは消えた。

別に詠唱とか必要ない。付与完了である。


「次は剣か、とりあえず【強化】は付けるとして...」


考えた末、剣には【強化】と【火】と【水】の三種(・・)の魔法を付与した。

武器の質によって付与できる数は変わるけど義父の鍛治の腕はとてもいいらしい。三種の魔法を付与できた。


「最後は腕輪だけど、これはもう確定だよな」


冒険者の必需品(俺感覚)アイテムボックス!これがなくちゃ始まらないだろう。

家にあった魔法本には載ってなかったからこの魔法を完成させるのにかなり苦労したんだ。

最終的には前世のゲームやラノベでの知識を総動員しながら空間魔法の付与でようやく成功したんだけどな。

やっぱり魔法にイメージって大切だよね。


作り方はいろいろあるけど、今回は持ち主自身の最大魔力量で容量が変わるタイプのアイテムボックスを作る予定だ。これが一番簡単に作れるってのもあるけど、俺が持つ場合、このタイプが一番容量が多くなるんだよな。


そんなわけで腕輪に【空間魔法】を付与して、アイテムボックス作成に取りかかる。


空間魔法〈インフィニティボックス〉(俺命名)を使用して完成だ。


ちなみに最大いくつまで入るのかはまだ分かってない。無限じゃないとは思うんだけど...




そして一週間ほどでウォルムの街へと辿り着いた。


「ここはウォルムの街だ。身分証はあるか?身分証があれば銀貨1枚、なければ銀貨3枚が通行料だ」


「身分証はない。ウォルムで冒険者登録したいと思って来たんだ」


「ふむ、身分証がないなら犯罪歴を調べねばならん。この判定石に触れるように」


判定石に触れると石の中に青色の光が灯った。


「よし、犯罪歴はないようだな。通ってよし。ギルドで冒険者カードを作ったら申告しに来い。銀貨2枚が返却されるぞ」


「ああ、分かった。そうするよ。おっと、冒険者ギルドってどこにあるんだ?」


「街に入ったらすぐにあるから分からないことはないと思うぜ」


「そうか、ありがと」


もっと威圧的に接してくると思ったらそんなこともないんだな。

とりあえず銀貨三枚を払い真っ先に冒険者ギルドへ向かった。



本当に街に入ったらすぐに合った。こりゃ分かりやすくていいや。


ギィという音とともに扉を開け、ギルドに入る。

早朝に依頼を受ける冒険者が多いため昼過ぎの今は冒険者もまばらだ。


空いてるカウンターへと足を進める。


「いらっしゃいませ。ようこそウォルム冒険者ギルドへ」


そう言った受付嬢の頭には猫耳が生えていた。

獣人だ!

存在は知っていたが村には獣人はいなかった。だから見るのは初めてだ!


おお、動いてる!

やっぱゲーム、ラノベ愛好家としては獣人、しかも猫耳!にはただならぬ興味が湧くよな!


思わずじっと猫耳を見てると受付嬢が訝しげに声をかけてきた。


「あの、ご用件は?」


「...冒険者登録を頼む」


俺は慌てて視線を外し、気にしてませんよー、猫耳なんてガン見してませんよーとアピール。


「はい、分かりました。ではこの用紙にご記入下さいね。代筆は必要ですか?」


誤魔化せたかどうかは別として受付嬢はにこりと愛想よく登録書を差し出してきた。


「代筆は必要ない。自分で書ける」


秘匿事項の多い冒険者の登録なんて最小限の記入でOKだ。とりあえず名前とジョブだけ書いておく。


「はい、ラディアスさんですね。冒険者ランクはGからになります。...あら?ラディアスさんは魔法が使えるんですか?」


「ああ、まぁ、一つだけな」


「一つだけ?でも、魔法が使えるだけでもすごいです。戦闘に使える魔法や水を確保出来る『水球』とかだったら引っ張りだこですよー」


「当分誰かと組むつもりはないんだ」


「でも、前衛いないと魔法使いならキツいと思いますよ?」


「剣も多少使えるから大丈夫だ」


「そうですか、気をつけて下さいね。では、こちらが冒険者カードになります。ランクの説明は必要ですか?」


あっさり引き下がった受付嬢は説明モードに入った。


「Gから始まって最上位ランクがSだろ?」


俺の言葉に受付嬢はクスリと笑った。


「いいえ、SSですよ。現在このフォーリア大陸には5人存在しております。Eまでは依頼の達成件数でランクが上がり、Dからはギルドへの貢献度や依頼の達成数などが判定基準とされ上がっていく仕組みです。

依頼受注についてですが、今のランクより一つ上のランクの依頼を受けることが出来ます。ラディアスさんならGとFです。あと、禁止事項についてもお話しておきますね。ギルド内での殺人は禁止です。他冒険者への依頼達成妨害行為も禁止されております」


「ん?ギルド外での殺人は容認してるのか?」


受付嬢の説明でおや?と思ったので聞いてみた。この世界の人の命の重さってそこまで軽いのか?


「今ご説明したのは冒険者ギルドとしての禁止事項です。ギルド外での殺傷事件は基本的にギルドは関与しませんが街の衛兵にはもちろん捕まりますよ」


「なるほど。了解」


だよな。捕まるよな。普通。


「説明は以上ですが、他に何かご質問はありますか?」


「えっと、魔物の素材の買取りをお願いしたい。ゴブリンとか薬草とか、あと色々だな」


「はい、もちろん買取り致します。でも、ゴブリン討伐と薬草採取は依頼が出ていたと思うのでちょっと待って下さいね。依頼数分あれば達成とみなされますから」


「そりゃありがたいな。頼む」


受付嬢は分厚い書類を高速でめくっていった。

すげぇ速い、あれでよく文字が確認できるもんだ。

感心しながら見ていたが、どうやら発見したらしい。


「ありました。ラディアスさんはGラクスですのでFランクの依頼も受けられます。ですから...採取はGランクのコーナーに、ゴブリンはFランクのコーナーに貼ってありますから依頼数などを確認後、こちらに依頼書を持ってきてくださいね」


「分かった」


返事を返し依頼書が貼ってある場所へと行き、探す。あった。

ミツクサ草 5本、ゴブリン討伐 5体

うん。大丈夫だ。


俺はさっそく二枚の依頼書を受付へ持っていき受付嬢へと渡した。


「この依頼を頼む」


「はい、では依頼の品の提出をお願いします」


そう言われ、俺は腕輪に付与したインフィニティボックスから薬草とゴブリンの右耳を取り出した。

ついでに道中狩った魔物素材も出していく。

全部出したら結構な量になった。魔物溜りみたいなとこもあったからなぁ。


「はい、これ」


「...えっ...!?」


受付嬢が何か驚いてるようだけど驚きの意味が分からない。なんだ?薬草間違えたか?


「これ、今...どこから出しました?あの、失礼ですが、アイテムボックスを所持してらっしゃるんでしょうか?」


「...?どこからって、アイテムボックスからだ。 そんなに珍しいものでもないだろう?」


俺の特別製アイテムボックス〈インフィニティボックス〉はぶっちゃけ珍しいと思う。盗難防止機能も付けて作ったからな。

でも、アイテムボックス自体は簡単に作れるから珍しくもないはずだ。・・・よな?



ラディアスは猫耳スキーのようです。私も好きです。ハイ。

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