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第7話
大学4年の時、俺はアメフト部のキャプテンだった。今だから言えるが、キャプテンとしての責任とプレッシャーは並大抵のものではなかった。ただ、キャプテンを任される以上、それは当然だった。
キャプテンとしての自分の決断で、結果が大きく変わる。仲間達が、大学生活という貴重な時間を捧げている。何の対価もなく、ただチームのために、目標のために、貴重な時間を捧げ、努力している仲間達。絶対に裏切れない。
そんな仲間達みんなの想いを背負って、キャプテンとしての決断をしていかなければならない。明確なビジョンと、それを実現する具体的なイメージを示しながら。
たかだか50人ちょっとの部活のキャプテンでさえ、責任やプレッシャーが大きい。さらに多数の人間の生活や将来という大きなものを背負いながら、決断し、みんなを導いてくれた工場長の苦労は計り知れない。
はたして事業部長や新しい工場長は、いったいどれほどのものを背負ってくれているのか。僕たち部下に対して、どれだけ責任を感じてくれているのだろうか。不安は尽きない。
会話を続けながらも、いつの間にか、課長はビールから熱燗へと変わっていた。




