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第14話

お互い心地良い酔い加減の中、俺はジュンペイに語りかける。


『人生はな、必ずしも平等とは限らない。今回みたいに不運な状況に陥ることも多い。嘆いていればいいのか、恨めばいいのか、それとも逃げればいいのか。』


『僕ならとりあえずやけ酒っすよ』 ジュンペイが応える。


『まあたまにはいいよな。でもそればっかりじゃ悲しいだろ。何事も、今おかれている環境のせいにしちゃいけない。言い訳したくもなるし、恨み辛みもある。となりの芝生だって青く見えるからな。でも、格好いい生き方ってゆうのは、どんな環境だろうと、与えられた環境の中で、精一杯努力し、常に前を向いている、そんな生き方なんじゃね~かな。』


ケンタはヒートアップして、さらに体が熱くなる。


『そうっすね。周りの環境とかじゃなく、要は自分がどれだけ出来るかってことですよね。自分との戦い。なんか超ヤバいっすね。ケンタさんどんだけヤバいっすか。』


ジュンペイの気分の高揚が、言葉を意味不明に変えてゆく。


『そうだ。人や周りに惑わされるな。自分の信念を貫け。やってやろうじゃねぇか。』 


繁華街で拳を握りしめるスーツ姿の若造2人が、明日の日本経済を支える。


『ケンタさん、俺、明日から超~頑張りますよ。今日までの俺なんてバイバイ、常に今の自分を超え続けてやる。信念を貫きます。』 


いつになく頼もしい後輩の姿。


『熱く語り合える仲間って、最高だな。』 俺も清々しい気分だ。


『先輩、俺、信念を貫きます。だから、明日から頑張るために、ちょっとキャバクラ行きたいっス。この前、課長に連れてってもらったとこ。』


ジュンペイの目が爛々と輝いている。


『しょうがねぇな。割り勘だぞ。』 


繁華街で拳を握りしめるスーツ姿の若造2人が、今日の夜の経済をも支えている。



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