だってキミの人生は
――ごめん、今ちょっといい?
受話器から聞こえてきたのは
切羽詰まった涙声
ひとり車を走らせて
闇夜の光に吸い寄せられるように
コンビニの駐車場で小さく震える
キミの姿が目に浮かぶ
どこから始まって
どこに繋がるのかもわからない
縺れきった糸に絡め取られて
もう身動きが取れないと
そうだね、そんなのひどいよね
辛すぎるよねって
うんうんと耳を傾ける
でもそれ以上
どうすることもできなくて
泣いて
喚いて
打ちひしがれて
行きつく先はいつだって
自暴自棄の試合放棄
ちょっとずつ目を逸らしながら手に入れた
心地よい自己憐憫とあきらめに身を委ね
繰り返し同じループに飲み込まれながら
ひっそり壊れていくキミを
どうしたら止められるのか
わからない
だってキミの人生は
キミにしか変えられないから
だからボクは
いつもそっと祈って待つばかり
ぬるま湯のように絡みつく
甘い不幸を振り切って
キミが切り立った決意をする
ただその瞬間を