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詩集 エール

だってキミの人生は

作者: 小日向冬子

――ごめん、今ちょっといい?


受話器から聞こえてきたのは

切羽詰まった涙声


ひとり車を走らせて

闇夜の光に吸い寄せられるように

コンビニの駐車場で小さく震える

キミの姿が目に浮かぶ


どこから始まって

どこに繋がるのかもわからない

縺れきった糸に絡め取られて

もう身動きが取れないと


そうだね、そんなのひどいよね

辛すぎるよねって

うんうんと耳を傾ける

でもそれ以上

どうすることもできなくて


泣いて

喚いて

打ちひしがれて

行きつく先はいつだって

自暴自棄の試合放棄


ちょっとずつ目を逸らしながら手に入れた

心地よい自己憐憫とあきらめに身を委ね

繰り返し同じループに飲み込まれながら

ひっそり壊れていくキミを

どうしたら止められるのか

わからない



だってキミの人生は

キミにしか変えられないから



だからボクは

いつもそっと祈って待つばかり


ぬるま湯のように絡みつく

甘い不幸を振り切って

キミが切り立った決意をする

ただその瞬間を

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― 新着の感想 ―
[一言]  『備忘録2』と併せて読むと、また見方が変わって、深みが増したように感じました。  最初に、この作品だけを拝読したときは、「温かさ」「切なさ」を感じたのです。  『備忘録2』の7話を読ん…
[良い点] 私が一番孤独で辛かった時に、ずっと側にいてくれて理解しようとしてくれた親友を思い出しました。
2015/06/05 21:55 退会済み
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