第八話 ~異世界で武器を買う
武器を買おう。
初めての狩りを終えた後も順調に狩りを行えている。
戦果としては
狩り1日目はコボルト20匹とコボルトリーダー1匹
狩り2日目はコボルト25匹とコボルトリーダー1匹
狩り3日目はコボルト20匹とコボルトリーダー1匹
とこんな感じだ。
3日間で稼いだお金は銀貨9枚と銅貨50枚になった。
使ったのは毎日の昼食代だけなので、出費は銅貨15枚のみ。
幸いポーションを使うようなことにはなっていないのでポーションの消費はない。
最初に得たクエスト報酬の残りが銅貨35枚なので、所持金は銀貨9枚と銅貨85枚になる。
狩り4日目。
今日は狩りを始めてすぐにコボルトリーダーを見つけて倒すことができ、コボルトも多かったので昼前には9匹のコボルトを倒していた。
問題が発生したのは、ちょうど10匹目のコボルトを木の棒で殴ったときだった。
殴った感触がいつもと違い、合わせて「バキッ」と何かが折れたような音がした。
殴ったコボルトはいつものようにコボルトは吹っ飛んでいき動かなくなっていた。
だとすると思い、恐る恐る手にもった木の棒を見たら、武器として使っていた木の棒が真ん中付近でポッキリ折れていた。
困った、武器がなくなってしまった。
また、拾ってもよいが、思ったより具合が良かったので同じようなものが見つかるとは限らない。
それよりも、そろそろまともな武器を買うべきではないだろうか。
幸い、銀貨10枚あるから剣なんかは買えるだろう。
今日はそれなりに稼いだから、狩りは終わりにして武器を買いにいこう。
今日の狩りは終了にして、魔物を避けつつ町に戻る。
武器屋は冒険者ギルドの近くにあるのを確認していたので向かう。
自分が知る限り、この町には武器屋は1軒だけしかないようだから選択の自由は無い。
「こんにちは」
目的の武器屋に着いたので挨拶をしながら店内に入る。
店員さんに色々質問しようと店員を探すとカウンターにした女性がこちらにやってくる。
「こんにちは、今日はどんな用事かい?」
自分より1回りくらい上の年齢で、雰囲気的に店の奥さんだと思われる。
武器屋の奥さんらしく闊達な印象を受ける。
なんというか姉御って感じだ、絶対怒らせてはいかんな。
「今日は武器を探しにきました」
「そうかい、じゃうちのお勧めを話したげるよ」
ありがく申し出を受けて、女性から説明を受けた。
ちなみに女性はカーラさんという名前らしい。
カーラさんが話してくれたことをまとめると次のようになる。
武器の種類としては、短剣、長剣、槍、斧、弓、杖がある。
それ以外の武器は、特殊な用途であったり、製法が特殊だったりで購入や入手は難しい。
価格は短剣と弓が銀貨5枚からで、それ以外は銀貨10枚から。
もちろん、もっとお金をだせば良い武器を買える。
概ね高い武器が良い武器だと考えて良い。
武器は毎日適度に手入れをすれば数年は持つ。
折れたり、欠けたりすることはあるので、その時には持ってくれば修理してくれる。
どの武器を使うかは、武器スキルのあるなし以外は趣味の問題。
杖だけは、魔法用に細工がしてあるため、魔法使い専用。
当然、武器スキルは持っていないので、どの武器を選ぶのかは自由となる。
自由に選べるとなると、それはそれで多少悩んでしまう。
結局、使うイメージが湧きやすいことや、学生の時に授業で剣道をやっていたこともあり、銀貨10枚の鉄の長剣を買うことにする。
武器スキルは長い期間、同じ種類の武器を使っていると取得できることがあるそうなので、長剣スキルがほしいのであれば今後も長剣に買い替えるほうがいいらしい。
ちなみに、木の棒は杖に分類されるそうなので、杖を使うのもありなのだが、魔法使いではないので使う意味はほぼ無い。
「毎度あり。初めての武器を購入してくれたということで、お手入れセットと武器を吊るすベルトをおまけで付けてあげるよ。今後もよろしくね」
有難くおまけを受け取り、お礼を言った後、武器屋を出る。
手持ちのお金を全部使ってしまったため、冒険者ギルドに行って今朝の戦果を換金しておく。
そんなことをしていたら夕方近くになったたので、今日の活動は終了とし、そのまま宿に帰ることにする。
その日の夜。
夕食も食べたので、武器の手入れでもやってみることにした。
手入れのやり方は、武器屋のカーラさんがきちんと教えてくれたので問題はない。
言われた通りにやればよいだけだ。
手順通りに、武器を専用の布で拭き、汚れや傷がないかを確認して、専用の油を塗りこむ。
しかし、どうにも顔がにやけてしまう。
やっぱ、男としては武器というだけで何か嬉しくなるわけで。
手入れをしていると自分が武器を手に入れられたことに実感がわいて嬉しさが溢れるみたいな。
武器は未使用なので特に問題もなく、手入れが終了する。
さて、武器も手に入れたし手入れも終わった。
明日からまた狩りをがんばろう。