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異世界迷行記  作者: 田中
7/26

第七話 ~異世界で狩りをする

ついに冒険者として狩りにいきます。


 今日からコボルトを討伐して冒険者らしくお金を稼いで行こうと思う。

きちんと準備をしていく必要があるよね。

何を準備したものか……


行先は南の森。

一昨日通ったときはコボルトしかでなかったが、おそらく道沿いだったからだろう。

今回も同じように道沿いでコボルトを倒すのが良いだろう。

人より強いとはいえ、命の危険があるのだから慎重にやらないとね。


武器はお金がないからこの前拾った木の杖をそのまま使うことにする。

多少不安だが、コボルトであれば問題なかったので大丈夫だと思う。


防具はないけど、これもお金がないから仕方がない。


道具は回復ポーションを3個買った。

一緒に買ったポーチに入れて腰につけている。

ちなみに、ポーションが3個で銅貨30枚、ポーチが銅貨20枚で合わせて銅貨50枚だった。


あと、お昼ご飯として軽食が必要だな。

冒険者ギルド前に出ていた露店で肉をパンで挟んだサンドウィッチのようなものを購入。

飲み物は、「水滴」の魔法で水が出せるからこれで十分だろう。

昨晩試したところ、「水滴」の魔法はコップ一杯分の水が出せた。

名前からして、ほんとに水滴だったらどうしようとは思ったがそんなことはなかったようだ。


ちなみに他の魔法も試したがどれも使い方によっては便利だが戦闘では使えないものだった。

「種火」は指先にライターのような炎がでる魔法だったし、「微風」は扇風機くらいの風を出せる魔法だった。

「種火」はライターいらず(ライターはこの世界にないようだったが)だし、「微風」は暑い日に便利そうだ。


ちなみに、今日はコボルト狙いなので、冒険者ギルドでクエストを受ける必要はない。



 さて、こんなものか。

一昨日通った門を抜けて森に向けてゆっくり歩く。

天気もいいし、湿度も低くて風も気持ちいい。

できることなら木陰でお茶でも飲みながら読書でもしていたいものだ。


なんてことを考えながら歩くこと小一時間、森の前につく。

さて、気合入れますかね。


先日、森を歩いたときのように警戒をしながら歩く。

警戒しようと思った瞬間、近くに気配を感じる。

どうもコボルトのような気がするが確かめてみよう。

道から少し外れた場所にいる気配に近づくと、やはりコボルトがいた。

こちらは木の陰にいるのでまだ気が付かれていない。

後ろから近づき、木の杖で攻撃すると先日と同じように一撃で倒せた。


やはり、コボルトの気配を感じれるようになったらしい。

ステータスにも「スキル:気配探知」と表示されていたからそんな予感はしていた。

そして、木の杖で一撃なのは、きっと高い腕力値のせいなんだろうな。

多少ずるをしている気はするが、せっかく手に入れた力だ、遠慮してもしょうがない。

自分が生きていくために有効活用させてもらおう。


 牙を拾いつつ、次の敵を探すと少し離れたところに2つの気配を感じる。

どうやら、コボルトが2匹いるようだ。

木の陰に隠れながら近づくと、やはり2匹のコボルトがいた。

ふと、思いついてコボルトに「ステータス確認」の魔法を使ってみる。


-------------------------------------------

名前: 

種族: コボルト族コボルト

年齢: 3


レベル: 1

体力: 20/20

魔力: 1/1


腕力: 4

器用: 4

知力: 1

運 : 1


技能:

 かみつき

-------------------------------------------


さすがに弱い。

これなら、シエラさんが言っていた大人の男性なら倒せるというのも納得だ。

もっと言えば、自分のステータスなら余裕すぎる。

少し調子にのって、2匹のコボルトを攻撃してみたが、あっさり勝つことができた。

ステータスからみてそうじゃないかと思っていたが、コボルトであれば複数いても相手にならないようだ。


道に戻り、気配探知を行いながら森の奥に進んでいく。

気配探知を使うことで効率よくコボルトを発見して倒すことができるため、昼頃までには20匹のコボルトを倒すことができた。


 ちょうど道の横に座れそうな石があったため、休憩を兼ねて昼食にする。

気配探知で周囲に敵がいないことは確認済みだ。


サンドウィッチをかじりながら、収支計算をしてみる。

今日の調子で狩りをやれば、1日銀貨2枚は稼げる。

出費は、宿代が銅貨50枚、食事が銅貨30枚と仮定すれば、1日銅貨80枚で過ごせる。

さすがに毎日狩りをするのは疲れそうなので週に1回休みをとるとする。

そうすると、1か月(4週間で計算)に収入が銀貨48枚、出費が銅貨2240枚(銀貨22枚と銅貨40枚)なので、トータルで銀貨25枚と銅貨60枚が最終的な収入となる。

と考えたところで、サンドウィッチを食べ終わってしまった。


 先ほどの計算によれば、本日のノルマは達成しているので道を町のほうへ向かう。

そうすると、気配探知で感じられる端っこのほうに、何やら少し大きな気配を感じた。

おそらく、コボルトの上位種のようだと思われるが、どうしたものか。

これまでのコボルトを見る限り、多少強くなったとしてもおそらく問題はない。

なら、一度見てみるほうが今後のためだろうと判断して、感じた気配の場所を確認しにいく。


向かった先には、コボルトが成長して犬のようになった魔物が1匹いた。

どうやら、鹿のような動物にかぶりついており食事中のようだ。

せっかくなので、「ステータス確認」の魔法を使ってみる。


-------------------------------------------

名前: 

種族: コボルト族コボルトリーダー

年齢: 5


レベル: 2

体力: 60/60

魔力: 1/1


腕力: 6

器用: 8

知力: 2

運 : 1


技能:

 かみつき、爪

-------------------------------------------


これが、コボルトの上位種のコボルトリーダーか。

ステータスを見る限り、コボルトよりもかなり強くなっているな。

でも、自分のステータスは腕力が5倍、器用でも3倍強。

そして勘に近いけど、それほど怖さを感じないからなんとかなりそう。

数字も大事だけど、やはり勘や感覚を大事にしないとね。


ということで、いつもの通り、気が付いていないコボルトリーダーの後ろから木の棒で攻撃してみる。

攻撃をくらったコボルトリーダーは転がりながら木にぶつかった。

どうやら、一撃では倒せなかったようで、転がった姿勢でこちらを睨んでいる。

そこで追撃をしたところ、次の攻撃で倒せてしまった。

コボルトと同じように消えると、後には大振りな牙が残る。

どうなら、ドロップはコボルトリーダーの牙のようだ。


 無傷でコボルトリーダーを倒せたものの、やはり緊張したのか少し疲れてきたので、気配探知を活かして魔物を避けながら町へ戻ることにした。

町へ着いたら、まっすぐに冒険者ギルドに向かう。

シエラさんのカウンターが空いていなかったので、別の女性のカウンターにいく。


コボルトの牙は前回と同じく『コボルト討伐』クエストとして処理をした。

コボルトリーダーの牙についても『コボルトリーダー討伐』クエストがあったため、同じように処理をお願いした。

ただ、『コボルトリーダー討伐』クエストは適正ランクDのクエストだったため、青色のカードを出した時に怪訝な顔をされたが、そこは愛想笑いでごまかした。

あと、ランクDのクエストはクエストクリア報酬が銀貨1枚だったので本日の収入は銀貨3枚となった。


無事に稼げたので、宿に帰って夕食を食べてさっさと寝ることにする。


今日はノルマを超えて稼げたから、まるで仕事が上手く行った日みたいだ。

この調子なら、異世界でもやっていけそうな気がしてきた。

明日からもがんばろう……




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