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異世界迷行記  作者: 田中
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第四話 ~異世界のギルドに入る

トリケラの町に入ることができました。


 さて、門を抜けると小さな広場になっていて、前方と左右に道が続いている。

街並みは木造の建物が道沿いに並んでいて、前方の道の先には大きな建物が見える。

おそらく、あれが冒険者ギルドなのだろう。


 ついでに道行く人の服装をチェック。

男性はひざ丈のチュニックのような服にズボン、足には革の靴。

女性はワンピースのような服をきて、足はやはり皮の靴。

自分の格好をみると、ゆったりとしたサイズのTシャツに、綿のパンツ、合成皮の靴。


まあ、似たようなものかなあなんて思いながら、冒険者ギルドらしき建物を目指して歩く。


 道を進んでいくと、冒険者ギルドらしき建物の周りは広場になっていて店や出店が並んでいる。

思ったより人がいるんだなあ、なんて失礼なことを考えながら建物の前につく。

建物の正面には入り口らしき両開きの扉があり大きく開いている。

さらに扉の上には「冒険者ギルド」と大きく書かれた看板があった。

どうやら、この建物が冒険者ギルドで間違いないようだ。


 ちょっとドキドキしながら入ると、カウンターが並び、各カウンターにはお姉さんが座っていて、まるでどこかの市役所のような雰囲気を醸し出していた。


「こんにちはー。冒険者ギルドの登録をしたいのですがここで良いでしょうか?」


例によって、フレンドリーな雰囲気を出しながら一番手前のお姉さんに話しかけてみる。

一番手前のお姉さんが可愛くて優しそうだったからというのは理由ではない。たぶん・・・


「はい、ここで登録できますよ」


予想にたがわず、丁寧な態度でお姉さんが返事をしてくれる。


「では、登録したいのですが、どうすれば良いでしょうか?」


「では、椅子に座ってこちらの玉に手を乗せてください」


ん?また犯罪履歴のチェックか?なんて思いながらカウンター前の椅子に座り、玉に手を乗せる。

しばらく乗せても色が変わらない。

なんだ?と思っていると、


「はい、もういいですよ。確認をお願いします」


と、手に持っていたボードを渡された。


-------------------------------------------

 名前: リョウ

 種族: 人間

 年齢: 30


 レベル: 1


 技能:

 気配探知


 犯罪歴:

 なし

-------------------------------------------


なんだこれ?

名前やレベル、スキル?

なんというかゲームっぽいけど、聞くしかないか。


「すいません、これはどういう意味で何を確認すればよいでしょうか?」


「これは、あなたのステータスとなります。

先ほどの魔道具には『ステータス確認』の魔法が込められてまして、手を乗せた人のステータスがこのボードに表示されます。ですので、この表示があなたのものであることを確認してください」


おお、まさかの個人情報流出。

けど、また魔法かあ。どうにかして使いたいものだなあ。

それはともかく、内容の確認をしなくては。


 名前・・・OK

 種族・・・OK

 年齢・・・OK

 レベル、技能・・・なにこれ?まあ推測はつくからいいか

 犯罪歴・・・OK


「内容確認しました。特に問題ありません」


「それではこの内容でギルドカードを作りますね。しばらくお待ちください」


5分ほど待っていると、青色のカードを持ってお姉さんが帰ってきた。


「お待たせしました。これがリョウさんのギルドカードとなります。ギルドに関する説明はどうされますか?」


お、ラッキー。

これは是非お願いしなくては。


お姉さんのわかりやすい説明をまとめるとこういうことだった。


・ギルドは国によって運営されている

・ギルドの目的は国が手をだしずらい魔物退治やダンジョンの攻略、未開地の調査など

・国が治安維持の補助や未開地開拓事業としてやっているため登録料などは不要

・ギルドメンバーにはランクがあり、最高のAからEの5段階

・ギルドカードの色はランクを表していて青色はE(緑色はD、赤色はC、銀色はB、金色がA)

・クエストを規定数クリアすることでランクアップする

・ギルドメンバーはギルドが発行するクエストを受けてクリアすると賞金がもらえる

・モンスターが落とす素材の買い取りもギルドでやっている

・初心者のサポートとして格安の宿や武器防具の店、訓練場/図書館などの施設あり

・登録後、1週間は宿と食事(1日2食)のサービスあり


 説明が終わりお姉さん(シエラさんというらしい)にお礼を言うと、今日は時間も遅いので明日の朝に来ることを勧められた。

普通、冒険者は朝にギルドでクエストを受けて、夕方以降に戻ることが多いらしい。


ギルドには明日の朝にまた来ることにして、門に戻り、臨時の通行書を返却した後、サービスで泊まれるギルド裏手の宿屋に行って宿泊手続きをする。

案内された部屋はベットと小さな机とクローゼットだけがある質素な部屋。

無料だし、贅沢は言えないよね。


さて、やっと落ち着いたのでこれからのことを考えなければ。


どうやら、自分の知っている地球でないことは間違いなさそう。

少なくとも、ラフィーナ王国なんて国名は聞いたことがない。

そもそも、魔法があったり、魔物がいたりという段階で地球であるわけがない。

やはり、ここは異世界であることはほぼ間違いないらしい。


元の世界に戻る方法もわからないし、まずはこの世界で生きていく方法を得る必要があるだろうな。

それほど元の世界に戻りたいわけではないが。


生きていくためには働く必要があるが、元ソフトウェアメーカー社員というスキルはまったく生かせる気がしない。

そもそも、コンピュータがあるわけないだろうし・・・

商売もやれる自信はないし、元手もない。

そうなると、成り行きで入ってしまった冒険者をやるしかないんだろうなあ。

比較的国からの支援も厚いし、トリケラは辺境ということで需要も多そうだ。

正直なところ、命の危険がある冒険者稼業がやりたいわけではないがしょうがないだろう。


せっかく異世界きたし、冒険者としてがんばろう。明日から……





2014/07/21 主人公のレベルを2から1に修正

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