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異世界迷行記  作者: 田中
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第二十四話 ~ダンジョンにいこう(3)

ダンジョン探索の反省


 昨日は初のダンジョンだった。

特に怪我などはしなかったのだが思ったよりも疲れてしまった。

原因として考えられるのは「灯の問題」と「スライムの対処」の2つだ。

今後スムーズにダンジョン探索を進めるためにはこの問題は2つとも対処しておく必要がある。

まずは、冒険者ギルドで対応を考えてみよう。


 朝一に冒険者ギルドへ行くと、一昨日ダンジョンについて教えてもらった男性職員がカウンターにいたので話しかけてみる。


「おはようございます」

「おはようございます。昨日はダンジョンどうでしたか?」


 男性職員は自分のことを覚えていたようでダンジョンへ行ったことを聞かれたので、ついでに問題について相談してみる。


「昨日ダンジョンは行ったのですが、暗くて戦いにくいし、スライムが強かったのですぐに戻ってきました」

「そうなんですか。それでしたら……」


 男性職員に相談したところ、2つともあっさり解決策を提示してくれた。


 まず、「灯の問題」だが灯の魔道具を買うか、灯の魔法を使うと良いそうだ。

灯の魔道具は松明型の魔道具で、棒の先端に灯の魔法が埋め込まれているので起動キーワードを唱えると灯の魔法が発動し、周囲5メートル程度を照らしてくれるらしい。

少し高め(銀貨10枚)だが、数年は持つので買っておいて損はしないものだと言われた。


 灯の魔法は、ギルドで売っている魔法水晶を使うことで覚えることができるらしい。

この魔法水晶には魔法が1種類封じ込められており、額に当てると1回だけ封じ込められている魔法の使い方が分かるようになる魔法具なのだそうだ。

もちろん、魔法を使うために必要な魔力が無い場合は魔法の使い方が分かっても発動はしない。


 問題はこの魔法水晶の価格である。

この魔法水晶を作るために希少な素材が必要なため、魔法水晶はかなり高価で最低でも金貨1枚以上する。

それに加えて、新たに開発された魔法を魔法水晶に封じると情報流出につながるため、普通の魔法使いからは忌避されることとされている。

そのため、ギルドなどで販売されている魔法水晶は一般的な魔法のみで、数もそれほど出回らない。

ディケロの冒険者ギルドでも、比較的需要の高い初級魔法の魔法水晶(各金貨1枚)、灯の魔法水晶(金貨1枚)、解毒の魔法水晶(金貨2枚)しか在庫できていないそうだ。


 次に「スライムの対処」だが、スライムは斬撃耐性を持っており、剣や斧などでは効果が薄く倒すのが非常に困難となるため、こん棒やメイスなどの鈍器を使うと比較的簡単に倒せるそうだ。

また、炎系の魔法や氷系の魔法を使うことでも倒せる。

これらの魔法については弟子入りして習うか、大きな町のギルドに行けば魔法水晶が売っているかもしれないが、ディケロの町では手に入らないそうなので魔法は諦めることにする。

素直に武器屋でこん棒やメイスを予備の武器として購入するのが手っ取り早いだろう。


 ということで、灯の魔法水晶を購入することにする。

密かに自分なら初級魔法のように覚えることができるかもしれないと考えたが、試してみたかったので、自分とロミーの分である灯の魔法水晶を2個購入した。

灯の魔道具も販売していたので一緒に購入して緊急用としてセシリーとアニーに持たせておいた。

本当は、ロミー用に初級魔法の魔法水晶も欲しかったが、資金が不足気味であることと必要性が高く無いことから今日のところは断念した。


 さて、ロミーと2人で購入したばかりの灯の魔法水晶を額にあててみる。

すると、何かが魔法水晶から自分の頭の中に流れ込んできた感じがして、気が付くと灯の魔法の使い方が理解できていた。

具体的には、自分の頭上に小さな太陽のようなものをイメージし、そこに魔力を集中させることで発動するようだ。

横を見るとロミーも同じ様に理解できたようだが、初めての魔法なので後で訓練場に連れていって試させようと思う。


 その前に武器防具屋に行き予備の武器を買うことにする。

こん棒だとバーバリアンみたいなイメージがあるからメイスにしようと思う。

武器防具屋ではちょうど鉄のメイスが売っていたので、自分とセシリー用に購入した。



 色々購入したものを確かめるために冒険者ギルドの訓練場に移動する。

自分は灯の魔法とメイスの練習、セシリーはメイスと灯の魔道具の練習、ロミーは灯の魔法の練習、アニーは魔道具の使い方の練習とそれなりにやることはある。


 自分も灯の魔法を試してみたが特に問題無く発動することができた。

感触としては頭上に蛍光灯がついて回るような感じだろうか。

一度発動すると自分で消さない限り発動しっぱなしらしいので便利でエコな魔法だと思う。


 ロミーも初めは少し試行錯誤していたようだが、すぐに問題無く発動できるようになった。

さすが高級品の魔法水晶である。


 ついでに自分のステータスを確認したところ、魔力が2減っていたので灯の魔法の消費魔力は2なのだろう。

それと、技能に「初級光魔法(灯)」が追加されていた。

ロミーも同じだった。


 あとはメイスの練習もあるし、昨日のダンジョン探索の疲れもある。

今日の残り時間は練習と訓練として、明日からのダンジョン探索に備えることにしよう。


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名前: リョウ

種族: 人間

年齢: 30


レベル: 5

体力: 420/420

魔力: 418/420


腕力: 31

器用: 30

知力: 30

運 : 30


固有技能:

 情報処理


技能:

 気配探知、初級魔法、初級剣術、初級盾術、初級光魔法(灯)


犯罪歴:

 なし

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