第十六話 ~ディケラの散策(1) (改)
ディケロの散策
今日はディケロの散策だ。
昨晩泊まった宿屋で朝食を食べてから町に出る。
ちなみに、宿屋は2食付で銀貨1枚と銅貨20枚だった。
食事は可もなく不可もなくというところで、トリケラと大体同じような物価なのだろう。
まずは冒険者ギルドに行くことにする。
盗賊の件もあるし、トリケラとの違いを確認しておくのも大事だろう。
道行く人に場所を聞くと、トリケラと同様に町の中心部にあるようだ。
中心部に行ってみると、トリケラの冒険者ギルドと同じような建物がある。
おそらく、モノケラ、ディケラ、トリケラは国により造られた開拓町だから、町の構造や冒険者ギルドなどの必須の建物などは同じように造られたのだろう。
中に入ってみると、やはり同じような雰囲気でカウンターと掲示板があり、冒険者がカウンターや掲示板の前に集まっている。
掲示板を見る振りをしながら周りの冒険者達のステータスを確認してみたが、トリケラと同様にレベル5前後が冒険者ばかりだった。
次に掲示板を確認してみたところ、基本的な依頼はトリケラと同様だが、ダンジョンにいる魔物の討伐依頼やダンジョン内の素材の採取依頼などのダンジョン関連の依頼がある。
どうやら、ディケラの近くにはダンジョンがあるようだ。
今日はダンジョンに行く気はないが、そのうち行ってみたいものだ。
盗賊の討伐に関してはどうすればわからないので、素直にカウンターで聞いてみよう。
「こんにちは。
トリケラからディケロにくる間に盗賊を倒したのですが、盗賊討伐のクエストなどはどうすれば良いのでしょうか?」
カウンターにいた30過ぎの男性に聞いてみる。
「盗賊を倒したら、ステータスに登録されてますので、魔道具で確認してから該当するクエストがあればクエストクリアという扱いになります。
それと、盗賊は賞金首になっていることも多いので、その確認も合わせて行います」
どういう仕組みになっているのか多少疑問に思うが、便利だから異世界仕様で納得する。
ということで、例の魔道具でステータスを確認してもらう。
「確かに、デニス盗賊団ボスのデニス、同盗賊団所属の6名の討伐履歴を確認しました。
クエストはデニス盗賊団への討伐依頼、賞金はボスのデニスだけにかかっています。
討伐依頼はボスに銀貨50枚、メンバー1人にあたり銀貨10枚となります。
賞金はデニスに金貨1枚がかかってましたので、合わせて金貨2枚と銀貨10枚となります」
予想よりも高額の収入となった。
これだけの収入が得られるなら盗賊専門のハンターになるのもありだな。
そう考えてカウンターの男性に盗賊について色々聞いてみたが、盗賊を倒すのはなかなか難しいらしい。
理由としては、盗賊連中は未開地の森などにアジトを持っており場所の把握が難しいことや、行動が狡猾で勝てそうな相手しか襲撃しないため撃退もなかなか難しいらしい。
今回は自分が偶然通りかかったため、盗賊達にとっては予想外の出来事で殲滅させられたのだろう。
それに加えて、今回のデニス盗賊団はボスのデニスが手強く、何人かの冒険者を返り討ちにしていたので、賞金が高かったのだそうだ。
ステータスを見る限りは大したことなさそうだったが、実はそれなりに強かったのかもしれない。
背後から一撃で倒してしまったから、全くわからなかったが……
賞金と合わせて手紙クエストクリア報酬の銀貨3枚も貰ったので、次は盗賊達の装備の処分も兼ねて武器屋へ行くことにする。
冒険者ギルドの外にいた人に聞いたら、すぐ近くの武器屋を教えてもらえたのでそこに向かう。
武器屋は防具屋も兼ねているようで、結構大きな店だった。
ざっと商品を見てみたが、トリケラと同じような品ぞろえに見える。
だとしたら、無理にここで買うこともない。
カウンターにいた店主と思われるおっちゃんに買い取りを依頼する。
今回処分するのは、ボスが持っていた斧、その他盗賊が持っていた剣5本、弓1張だ。
鑑定の結果、ボスが持っていた斧が金貨1枚、その他はまとめて銀貨20枚で、金貨1枚と銀貨20枚となった。
ボスは意外と良い装備を使っていたようだが、斧を使う気にはならなかったのでそのまま売却した。
これで盗賊関連の清算は終了だ。
盗賊のボスが持っていた現金は金貨2枚と銀貨50枚。
クエストクリアと賞金が合わせて、金貨2枚と銀貨10枚。
装備品の処分で金貨1枚と銀貨20枚。
まとめると、金貨5枚と銀貨80枚となった。
1カ月狩りで稼いだ額の5倍強……
どうやら、盗賊はボーナスキャラのようだ。
懐も暖かくなったので、昼食も兼ねて露店などを見て回る。
露店ではダンジョンの魔物産だと思われる肉の串焼きや野菜のスープなどが売っていたので、美味しい昼食が味わえた。
その他の露店や道具屋などは品揃えがトリケラと変わり映えしないので、さらっとウィンドショッピングを楽しむ。
さて、この後はベンさんのところか。
初体験なのもあり、ドキドキしながら向かうことにする。
きりが悪そうなので、2話に分けます。
たぶん、近いうちに次話はアップ予定




