第十四話 ~ディケラにいこう(1)
なかなか毎日更新は難しいものですね。毎日更新できる他の作家さんは尊敬。
他の町にいく
この世界は中央に大陸があり、周りを海に囲まれている。
周辺の海には大小の島があり、島国を形成している島もある。
ラフィーナ王国は、中央大陸にある国の1つであり、支配領域は大陸の南部一帯でとなり、中央大陸の国群の中ではもっとも面積が大きい。
ラフィーナ王国の人口は約100万人で、面積に比べると多少人口が少ないが、これは国の南部に未開領域と呼ばれる未開発地域が多く存在するためである。
ラフィーナ王国の政治体制は王政となっている。
首都も兼ねる王都であるラフィーナと直轄地を王族が管理し、それ以外の地には貴族が割り当てられ管理を行っている。
ちなみに貴族は例によって世襲制である。
ラフィーナの南部未開領域は直轄地となっており、国の施策として開発が進められている。
現在は、最南端のトリケラ、中部のディケラ、最北のモノケラの3つの町が未開領域に作られ、これらの町を中心に開拓が進められている。
町の周辺には開拓村がいくつか作られており、集められた村人が開拓を進めている。
これらのことを冒険者ギルドで聞いたり、図書館で調べたが、実際の様子などは見てみないことにはわからないだろう。
冒険者ギルドで聞いたところ、一番近い町であるディケラは歩いて3日ほどの距離だそうだ。
その程度であれば様子見がてら行ってみようと思う。
それなりの時間がかかるので、せっかく行くのであれば何かしらの依頼を受けていくのが良いだろう。
掲示板を探してみると、都合が良いことにディケラまでの手紙配達の依頼があったので、それを受けてディケラに行くことにする。
今回初めての野営ということで道具屋で野宿セットを購入しておく。
準備を整えた後、トリケラの町の門を出て北に向かう道を進むことにする。
トリケラの北は丘陵地帯となっており、比較的見通しは良い。
日差しはのどかで初めて異世界に来た日を思い出しながら歩く。
お昼は丘の上に立っていた木の下で景色を眺めながら保存食として購入したパンとチーズで簡単に済ませた。
お昼を数時間過ぎていくつかの丘を越えたところで、前方から何か人が騒ぐような音が聞こえた。
前方の丘の先から聞こえたようなので、急いで丘を登り、頂上の木の陰から前方を確認した。
すると、道の真ん中に馬車が止まっており、周りを数人の男達が囲んでいる。
以前、冒険者ギルドで聞いた盗賊団が商人の馬車を襲っているようだ。
馬車の車輪が壊されて逃げられない状況になっており、商人と護衛と思われる冒険者が抵抗しているようだ。
ただ、多勢に無勢で倒されるのは時間の問題のようだ。
ここは、助けれるものなら助けたいがどうすべきだろうか。
コボルトであれば散々倒してきたため何とかなると思うが、人の相手は正直怖い。
特に正面から戦うのは不安がある。
周りを見回したところ、盗賊達の後ろは小さな森のようになっており、丘を伝って後ろに回り込めそうだ。
後ろから奇襲をかけることができれば何とかなるだろうと思ったので、丘の頂上から丘を伝って盗賊団の後ろに回り込む。
盗賊団を後ろから確認すると、一番後ろで偉そうに叫んでいるボスらしき盗賊と、弓を持った盗賊がいて、馬車や商人を牽制している。
剣をもった盗賊が5人いて、冒険者を取り囲んでいるようだ。
盗賊もそれほど強いわけではないので、囲まれてはいるが盾で上手く防いでいるようだ。
しかし、このままでは多勢に無勢でいずれやられてしまうだろう。
-------------------------------------------
名前: デニス
種族: 人間
年齢: 35
レベル: 4
体力: 35/35
魔力: 2/2
腕力: 7
器用: 3
知力: 3
運 : 4
技能:
なし
犯罪歴:
殺人、窃盗
-------------------------------------------
とりあえず、ボスのステータスを確認してみたが、やはりそれほど強くない。
コボルトリーダーと同じか弱いくらいではないだろうか。
……と考えていると、ついに冒険者の盾をすり抜けて足を切りつけられたようだ。
盗賊達が一気に攻勢に出そうになり、全員の注意が冒険者のほうに向いた。
いくならこのタイミングしかないな。
隠れていたスペースから飛出し、ボスに全力で向かう。
ボスは斬られる直前まで反応できなかったため、そのまま後ろから袈裟斬りにする。
ボスはそのまま倒れこんだし、確かな手ごたえがあったので倒せただろう。
次は弓の盗賊を見たら、まだ何が起きたのかわかっていないようだったので、ボスと同様に後ろから斬り倒した。
これで、残りは剣を持つ5人だ。
護衛の冒険者はこちらを確認して勝負時だと判断したのか、力を振り絞り、
「助太刀感謝する。挟み撃ちにするぞ」
と叫んできたので、返事を返して盗賊達を後ろから攻撃する態勢をとる。
盗賊達はボスがやられたため、統制がとれた動きがとれず、反応が悪い。
さらに冒険者が傷つきながらも牽制をしてくれたため、一気に飛び込み2人を切り倒す。
冒険者が1人を倒したところで、残りの2人が自分のほうに向かってきた。
2人で剣を振り下ろしてきたが、ステータス差のためか速くは感じなかったので落ち着いて交わし、そのまま切り倒した。
無事に盗賊を全滅させると同時に冒険者は力尽きたのか倒れてしまった。
急いで近寄り声をかける。
「大丈夫だ。ポーションを使えば死にはしない。
それよりも助かった。助けに入ってくれなかったら危なかった」
とお礼を言いながら、冒険者はポーションを使っている。
さすがに深い傷だったらしく、すぐに完治するわけではなさそうだが命に別状はなさそうだ。
後からやってきた商人のおっちゃん(ベンというらしい)にもお礼を言われつつ、色々確認していると、自分とおなじくディケラに向かっているそうだ。
「それなら一緒にいきませんか?ついでに護衛もしていただけると心強いです」
とベンさんから護衛がてら一緒に行くことを提案されたので、せっかくなので受けることにする。
報酬はランクCクエスト相当ということで銀貨10枚となった。
そろそろ日が暮れそうな時間になったので、馬車を修理して野営できそうな場所に移動する。
倒した盗賊についてだが、盗賊を倒したことはギルドカードに履歴が自動で残るらしい。
おそらく、討伐クエストが出ているので冒険者ギルドに行けばクエストクリアになるとのことだった。
死体に関しては道の脇に置いておけば、いずれ魔物が処理するとのこと。
それと、盗賊が持っていた武器やボスが持っていたお金は全部もらっても良いことになった。
武器など嵩張るものはベンさんの馬車で運んでくれるそうだ。
野営地ではテントを立てたら夕食を食べて就寝となる。
ただし、交代で見張りをするので、まだ傷が癒えていない傭兵さん(ブライアンというらしい)を先に休ませて、自分は見張りをすることにする。
見張りをしながら今日のことを考えた。
初めての盗賊相手の対人戦闘。
他の冒険者との共闘。
そもそもの他の町への移動など。
思ったよりも何とかなるようだ。
今後も楽しい異世界生活が続きますように。




