表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界迷行記  作者: 田中
12/26

第十二話 ~異世界で安全について考える

安全を考える


 今日は連続で狩りを7日間やったので狩りはお休みとする。

金銭的な問題がなければ、今後も1週間に1日は休むようにしたいと思う。


 さて、休みにはしたものの、昨日の反省はしなければならないだろう。

一番の反省点としては、森中など敵がいるところで、気配探知を怠ったことだ。

幸運にも魔物がコボルトリーダーだったからよかったが、もっと強い魔物だったら一撃で死ぬこともあり得た。

それに加えて防具を装備していなかったこともあるだろう。

お金がないのを理由に後回しにしすぎた感じがある。


 できる限り安全に冒険者をやっていくためにこれらは対応する必要がある。

気配探知に関しては気を付けるというのはもちろんだが、根本的な対応としては気配探知を複数でするなどを考えなければいけない。

複数で気配探知をするということは、他の人ということはパーティを組むということだが、簡単に相手を見つけるのは難しいだろう。

冒険者ギルドで他の冒険者を見た感じは、素行の悪そうなごろつき一歩手前のような人が多い。

態度の良さそうな人は大体パーティを組んでいたり、高レベルな人がほとんどである。

正直、ごろつき一歩手前のような連中を信頼してパーティを組む気になれない。

魔物だけでなく、パーティ内にも気を使わなければいけないのであれば、一人のほうがマシというものである。

そうなると、すぐできる対応としては防具を強化することか。

お金に余裕があるわけではないが、まずは防具屋に行って話を聞いてみよう。


早速、防具屋に向かう。

以前聞いたときに武器屋の近くにあるそうなので探したらすぐに見つかった。

店内に入るとカウンターにおっさんが座っていた。

おそらく、店の人だろうと思い話しかける。


「いらっしゃい、どんなものが要望だい?」


思ったよりも愛想良く答えてくれたので、剣で戦うタイプで最低限の装備が欲しいことを伝える。


「じゃあ、皮の鎧、ブーツ、手袋、盾でどうかね。銀貨5枚になるが」


思ったより安い価格だったので買うことにする。


その後、皮の鎧のサイズを調整して無事に装備品を購入できた。

試しにつけてみたが軽くてなかなか良い感じだ。


「思ったより安くて助かりました」


防具屋の店主と判明したドーンさんにお礼を言って話すと、


「皮は場所がら安く買えるから、皮製品は全体的に安いんだ」


ということらしい。

ちなみに、皮はゴブリンのドロップだとか。


「毎度あり。修理もやってるから壊れたら持って来い」


防具が無事にそろったので次に行こう。



 次は冒険者ギルドだ。

パーティを組むかどうかは別にしてもパーティに関して知っておこう。

ということで、詳しそうなギルドの人に聞くのが一番だな。

ちょうど受付にいたシエラさんを捕まえて聞いたところ、色々教えてもらえた。


まず、パーティは長期で組む場合と短期で組む場合の2種類があるそうだ。


短期で組む場合は、少し難度の高いクエストをクリアする目的で、冒険者ギルドの掲示板などで募集して組むことが多い。

短期の場合は一時的なパーティのため、報酬や揉め事を防ぐ意味でもギルドで契約をすることが普通らしい。

この契約を反故にすると、最悪の場合は死に至るらしい。

これにより、一時的なパーティが組まれることもそれなりにあるらしい。


長期で組むパーティは短期パーティで気が合った場合や以前からの知り合いなどで組むことが多い。

この場合は基本的に常に行動を共にするため、連携や合わせ技などを行うことができ、パーティによっては非常に強くなることもある。

契約等で縛ることは少なく、基本的には信頼で成り立っているらしい。


ということなら、現状では短期パーティしか選択肢はないわけだが、契約ができるとは言え、ごろつきまがいの冒険者と組む気もしないな。

もし、女の子の冒険者となら組みたいとは思うが、逆に相手から断られるだろう。

なんてことを考えていた。


「そういえば、他に奴隷と組むという方法もありますよ」


な、奴隷?

そんなものがいるんだ、というか認められているんだ。

なんか久々にカルチャーショックを受けたなあ。

と思いながら、奴隷について聞いてみる。


奴隷というのは、主に借金が返せなくなって身売りした人のことだそうだ。

犯罪者や戦争の捕虜なども奴隷になるが一般的には出回らないらしい。

だから、普通は奴隷と言えば身売りした人と思っていい。

借金が返せなくなった人の借金以上の価格であることが多いため、奴隷の価格はそれなりに高い。

なので、奴隷を持つのは貴族や大きな商会などをやっているお金持ちが多い。


奴隷には命令遵守の魔法がかけられるため、主人には危害を与えたり、逆らうことはできない。

そのため、冒険者のパーティメンバーとして購入されることもあるそうだ。

配分も必要ないし、裏切られることもないため、人によっては重宝される。


シエラさんにお礼を言い、冒険者ギルドから出る。

すでに夕方になっていたため、使用した分のポーションを購入し、宿屋に戻る。


 今日は色々調べたが、パーティに関してはしばらく諦めることにしようと思う。

ただし、機会があれば奴隷を購入してパーティを作るほうが良さそうだ。

金銭については明らかに不足しているので、これから貯金していこう。


とりあえず、防具は買えたわけだから、明日からまたがんばろう……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ