act. 3
-輝希side-
声羅ちゃんにメールを送ってみた。
どんな返信がくるのかドキドキした。
『せいらです。
よろしくね(´・ω・`)』
第一印象は大人しい感じがする子。
これからのメールも大人しくてでも、なんだか…
悲しい感じがした。
もしかして今までで、なにかがあったか、メールをしてて悲しいことがあったかな?
後から分かればいいかな?
しばらくメールをしていたら
僕がしたメールから返信が来なくなった。
-声羅side-
(どうしよ...)
あれから返信せずに寝ちゃった。
悪いことしたな、謝っておこう。
「声羅ー!ご飯つくりなさい」
「はい、今すぐ」
また、お母さんに使われる。
こんなに苦しい日々はいつまで続くのだろう。
そう思いながら、階段を降り、お母さんのところに行く。
「お母さ...」
「ちょっとお母さんなんて呼
ばないでよ」
「ごめんなさい。紗英さん」
-輝希side-
昨日、あれからメールは来なかった。
きっと何か用事が出来たんだろうな。
今日は休日で、用事が何もないから、読者や映画鑑賞でもしよう。
僕の世界観は全てこの2つから出来ている。
声羅にはこの世はどんな風に見えているのだろう。
-声羅side-
やっと一人になる時間が出来た。
私はお母さんが大好きだった。でも、今は嫌いだ。
彼が出てきてから、お母さんは変わってしまった。
支えてくれるかな?
輝希は。
-輝希side-
僕が学校の廊下を歩いていると、声羅ちゃんのメアドを教えてくれた、朝日山に話し掛けられた。
「輝希ー!どう?声羅ちゃんとはさ」
「声羅ちゃんとはまぁまぁだよ」
「"まぁまぁ"って...」
「別に付き合う訳じゃないんだからさ」
「付き合わないのかよー」
「当たり前だよ、あの子何だか色々抱えてそうだからなぁ」
「あぁ、それなら俺、事情知ってるぞ?」
「そうなの?」
「あぁ。あそことは何故かと仲良いんだよ」
そこで朝日山は不思議に顔をしかめた。
「そうなんだ」
「教えた方がいいか?」
「必要ないよ。声羅ちゃんが言い出すまで待つ」
「輝希らしいな」
「当たり前だよ」
「ときどき俺は、輝希が何かの宗教とかに入ってんのじゃないのか、疑うよ」
「僕の中にある真髄は全て本とか、映画だからね」
「じゃあ、輝希が読んで見てきたやつに感謝しないとな」
「ただ単に僕がマニアなだけなんだけどね」
「それでもだ!!俺にとっての輝希は神様イメージだ(笑)」
「不完全な神様だね」
「だな(笑)」
こうして、僕らの何気のない会話が終わった。
これだけでも、僕は成長できたよ。
-声羅side-
「声羅来てるよ..」
「キモーーーい」
「独り狼役演じてるよ」
「「「あの尻軽女-ビッチ-」」」
陰口。
久しぶりに学校に行ったらこれだ。
もう陰口のレベルじゃないよね...?
早退しようかなぁ
ここが凄い窮屈。
リビングは地獄。
自分の部屋は天国。
引きこもりの第一歩?
ヤバいなぁ
まず、家に帰ってなにしよう。
皿洗いして、ご飯買って、勉強して、
....メールしよ。
今日だけは頑張って授業受けよ。
「声羅さん。今暇かな?」
「なんで?」
「ちょっと話があるんだ」
「どんな?」
「声羅さんにしか言えない事なんだ」
「そぅ。名前は?私、知らないの」
「壮護です」
「そうご...。私の事は普通に声羅と読んで。堅苦しいのは嫌いなの。」
「わかったよ、声羅。向こうの部屋に
行こう。」
「わかったよ」
教室を出て左に真っ直ぐにある、学習室に入った。
入ったら5人ぐらいの男がいて襲われた。
あられのない姿にされ。
好きでもないやつらに、犯され。
何もかも初めてだったのに、こんな形で終わるのは、きっと私自身のせいなのか。