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Confession phobia  作者: nEin
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7.やり直し


こんにちは.


皆さんには、かっこ悪くても、がむしゃらになってでも

想いを伝えたいとと思える方はいらっしゃいますか…?


「た、小鳥遊くん!?」


タ○ソンが口を押さえてサンドバックの後ろに隠れる.

いくらサンドバックがデカいからって、さすがにタイ○ンが隠れるには無理があるだろう.


「小鳥遊は、魚津に何か用?」

「あ….えっと、はい.」

「何よ今更!アタシはアンタなんかにもう用はないんだからね!」

「ミズ子ちゃん!僕とやり直そう!!」


……やり直すって何だ.

サンドバックが困ったようにこちらをみている.

手招きすると、素直にこちらにきた.

タ○ソンは小鳥遊と話すのに夢中で自分を隠す盾がなくなったことに気付いていないようだ.


「はー、やっと解放された.」

「そんなこと言ってる場合か.あの小鳥遊っていうのは誰なんだ.」

「さぁ….でも、しばらく前まで俺らのクラスまで遊びに来てたよ.」

「ふぅん??そうなると、小鳥遊もお前たちと学年が同じ可能性が高いね.」

「多分隣のクラスだったかな.」


未だに言い争いを続ける2人を眺める.

やり直す、やり直さないの押し問答. いつまで経っても終わる気配はない.


「だから!!」


小鳥遊が体躯に見合わぬ大声を上げる.

これにはタ○ソンもびっくりのご様子.


「あの時別れたのは、君のためだったんだ!」

「何よそれ!勝手なこと言わないで!」

「おい、こんな夜に道端で大声あげるんじゃない.ポリ公が来たらどうするんだ.」

「…笑ちゃん、昔警察に捕まるようなことでもしたの??」

「とにかく!場所を移そう.人様の迷惑になる.」



■□■□■□■□■□■□■□■□゜。・☆



というわけで.


「やってきました笑ちゃん家――っ!」

「何でこうなった.」

「一番フリーダムなお家だから.あとは俺が入ってみたかったから.」

「後者が本当の理由だな、お前.」


「あ、あのう….」

「ん?ああ、そうだな.」


小鳥遊の申し訳なさそうな声ではっとした.

鍵を開けて、中に入る.

しん、と静まり返った家の明かりを点けると少しは家の中が温かくなった気がした.


「飲み物持ってくから先に行ってて.2階に行って左の部屋だから.」

「俺も手伝うよ.」

「大丈夫だから、早く行け.湯飲み4つくらい一人で運べる.」

「ん、分かった.じゃあ、先に行ってるね.」


度々こちらを振り返りながら、奴は2階へと姿を消した.

4つの湯飲みにお茶を煎れてお盆に乗せる.

さて、この熱々のお茶でも飲んで舌を火傷してもらおう.

そして静かになればいい.


カチャリ、扉を開ける.

「アタシには、犬島くんっていう恋人がいんの!!」

「そんな…!!犬島くん、そうなの!?」

「いやいやいや、恋人じゃないよ!!?」


……状況が呑み込めないんだが.

誰か説明してくれ.

おい、

そう声をかけようとした時に、素早い動きで何かが私の後ろに回り込んできた.


「∑ぅわッ!?」

「俺には、笑ちゃんっていう大切な人がいるから!!」

「やっぱりその女が犬島くんをたぶらかしてたんだ!」

「違う違う、俺の片思いだから!!」


やめろ、どうでもいいから揺さぶるな.脳みそが揺れる.


「ミズ子ちゃん、犬島くんもそう言ってるんだし、僕とやり直そうよ!」

「しつこいんだよお前ぇぇぇぇえ!!」

「お前は少し静かにしろ.」

「あああっつううう!!」


またしても大声を出すタ○ソンに、思わずお茶をかけていた.

いつまでも大声に耐えられるほど、私の耳は丈夫じゃない.


「何のために場所を移したと思ってるんだ.話し合いは冷静になってやれ!」

「笑ちゃん、惚れ直すわ.マジで.」

「とりあえず全員座れ.そしてお茶を飲め.」


四角いテーブルを囲うように、全員が無言で座った.

言われた通りお茶まで飲んでいる.


どうしてこうも簡単に人の言うことを聞けるんだこいつら.



これからどうなるかも知らずに. (笑)


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