4.特別?
こんにちは.
第4話です.
本編は短めで,2人が定食屋から出てきた直後のお話です.
では、どうぞ.
「はー、お腹いっぱい.幸せだー.」
「それにしても笑ちゃんは本当に沢山食べるよね.」
「毎日キックボクシングしているからお腹空くのかな.」
「え、そうなの!?」
「サンドバックは犬島だけどね.」
「それって俺だけ??」
「んー、まぁ.他の人間には暴力振るったことないし.」
その言葉を聞いた瞬間、犬島の表情は輝いた.
何だそのキラキラした目は.子犬か.いやMか.
「何だ変態.」
「いや変態じゃないよ.」
「嬉しそうにしてたくせに.」
「だって…特別、って感じがするんだもん.」
ふわり、微笑む.
普段はただの子犬みたいにじゃれ付いてくるくせに.
その笑顔は柔らかく大人びて.
「……黙れ乙女男子が.」
「乙女!?」
「じゃーな.明日は校門で待ち伏せするなよ.」
「待って、こんな時間に女の子一人じゃ危ないよ!送ってく!」
「いいよ、そんな.迷惑だなぁ.」
「笑ちゃん、俺いい加減泣くよ??」
どうぞお好きに.
一言残してスタスタ歩く私の後ろからは、悲痛な叫びが聞こえてきた.
「変な男に追いかけられちゃうよー!」
…それはお前だろうが.