2.大食い女とストーカー男
第2話目です.
今回は,女の子と男の子の名前が分かります(笑)
(やっと,ですがw)
2人の名前は,それぞれの苗字と関係しています.
どんな意味合いがあるのか,皆さんも考えてみてくださいね.
では,どうぞ楽しんでお読みください.
「おばちゃーん、いつもの!」
「あら、猫乃ちゃんお帰りー.すぐ作ってあげるから待っててねー.」
「おばちゃーん、俺もいつものでお願い!」
「あー、犬島くんもお帰り!好きな席で待ってなー.」
「はーい!」
な、ん、で、
「お前がいるんじゃーーっ!!」
「んどぅふ!!」
不意打ちだった.
犬島にとっては勿論のこと、私自身にとっても.
まさか自分が飛び膝蹴りをする日が来るなんて思ってもいなかったのだ.
そして17歳の男の子をはじけ飛ばすほどの威力があることにも驚いた.
「いってー!ひっどいよ笑[にこ]ちゃん!どうして飛び膝蹴りなんてすんだよー.」
「むしゃくしゃしてやった.」
「わ、よくTVで犯人が言ってるやつだ.」
「もー、何してんのよ猫乃ちゃんも犬島くんも!お店で暴れないでおくれ!!」
「「ごめんなさい.」」
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ご飯を食べる頃には、おばちゃんに宥められ犬島と隣に座って食事をすることになっていた.
いつもこうだ.
毎日このストーカー男に告白され、付け回され、こうして夕食を一緒に食べる.
余談だが、私がいつも注文するのは“ハイパーデラックスとんかつ定食セット+大盛りご飯3杯”.
その隣では、犬塚はいつも“スーパーデラックス唐
揚げ定食セット+大盛りご飯”を注文している.
この組み合わせを食べ続けて、かれこれ2年になる.
私たちがもくもくと食べている間、読者の方々を置いてきぼりにするのは忍びない.
そういうことで、ここで少しだけ私とストーカーの紹介をしておくとしよう.
まず、私.
私の名前は猫乃笑[ねこの にこ]、18歳. ♀.
好きなものは食べること. 嫌いなものは、告白.
告白が嫌いになったのは、毎日付きまとってくるストーカーのせいだ.多分.いや、絶対.
それはもう、恐怖症と言ってもいいレベルで.
それのせいだか何なのか、私には男性恐怖症になりかけているような節がある.
ストーカーの名前は犬島一[いぬじま はじめ]、17歳.♂.
好きなものは知らん.嫌いなものも…知らん.
そういえば、もう知り合って2年ほどになるのか.
高校への入学に合わせてこの町へ引っ越してきたって言ってたかな.
こいつとの付き合いも“ハイパーデラックスとんかつ定食セット+大盛りご飯3杯”と同じくらいになるのか.
………長いな.
“ハイパーデラックスとんかつ定食セット+大盛りご飯3杯”との2年はあっという間に感じるのに、
こいつとの2年間は永遠に感じる.
大好きな定食セットに視線を落とした私の頭の中には
“ハイパーデラックスとんかつ定食セット+大盛りご飯3杯”≧>>>>>>>(絶対に越えられない壁)>ストーカー
という方程式が出来上がっていた.