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許嫁は土地神さま。  作者: 夙多史
第一巻
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序章 境内での出会い

 ……なんだコレ?

 夕方と呼ぶには少し早い時間帯、僕は目前の光景にポカンとした。

 心地よい春の木漏れ日が降り注ぐ中、罅割れ苔生した石段を延々と登った先に小さなおやしろがある。ほとんど手入れの行き届いていない、今にも朽ちて崩れそうなとっても古い神社だ。それ故にどこか神秘的で落ち着きがあって、人なんて滅多に来ないから読書やお昼寝をするには打ってつけの場所だろう。

 でも、僕は神様の前でそんな無礼なことはしない。神様はちゃんと見てるんだ。そんなことしようものなら神罰が下る。良い子のみんなは冗談でも神様に唾を吐くようなマネはできないよね?

 だから――


 そこで賽銭箱を抱きかかえるようにして眠っている女の子は、きっと悪い子だ。


 外国人かな? 木漏れ日を反射してキラキラと輝く白銀の髪は立てば地面に届くんじゃないかってくらい長い。肌は雪のように白くて、思わず突っつきたくなるほど瑞々しいほっぺは微かに桃色に染まっている。瞼は緩く閉じられていて、桜の花弁みたいな可愛らしい唇からリズミカルな寝息が聞こえてくる。

 見たところ、十歳くらいだと思う。背丈に見合わないぶかぶかの浴衣に似た白装束を纏っていて、夜中に出現すればオバケと間違わない自信がない。もっともこんな可愛い女の子のオバケなら大歓迎だけどね。

 それはそうと、財布から取り出したこの五円玉はどこにやればいいんだ? 賽銭箱に投入したいんだけど、真っ白少女がどいてくれないとできやしない。

 どうしてくれよう、この子……。

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