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ビッグゲーム5

 「こんにちは、千優ちゃん。きょうは機嫌悪くない?」

 「なんでいつも変な登場するんですか」

 「そりゃ、仕事中だから気を使っているんだ」

 「だったら声をかけないでください」

 「それだとなにも始まらないでしょ」

 「なにが始まるんですか」

 「ま~まぁ、そういえばきのう新宿2丁目のオカマバーに行ったら、パートナーの渡辺社長がいてさ。いろいろ話したんだ」

 「パートナーってあのお見合いコンサルタントの?」

 「へぇー、千優ちゃんも知っているんだ」

 「だって登録者が100万人以上いるって有名ですよ」

 「それだけ愛に恵まれない人が多いんだ」

 「だって異性のいない職場だって多いから」

 「まあ、お見合いは日本の伝統的風習のひとつだからな」

 「社長となにを話したんですか」

 「いい女はいないかって」

 「なにそれ、それは社長の仕事でしょう」

 「まさか、自分の会社の女性には手を出さないよ」

 「ますますなにそれ」

 「地位も名誉もある人は色を好むというじゃない」

 「正儀は女の子も紹介するの」

 「まさか、情報を得るためにつき合っているのさ」

 「どんな情報?」

 「たとえばパートナーの社長が情熱的な花言葉で、いまから蒔いてもあまり手のかからない花の種を会員にプレゼントしようと考えているのさ、ピッタリの花の種はないかい」

 「時期的にサルビアがちょうどいい、花言葉も『燃える思い』とか『恋の情熱』だから文句ないけど、ただ蒔くのは6月下旬までだから取り寄せるのは急いだほうがいいかも」

 「よし、それもらった。今週中に5万袋用意できる」

 「え、5万。うちだけじゃ無理だわ。オーナーに話さないと」

 「じゃあ、急いで話をつけて」

 「僕は社長に電話してくる。また大きい仕事を見つけたね、千優ちゃん」

 「私はうれしいけど……」

 「チャンスは掴むものさ。他の案に取られたら元も子もない、早く社長に連絡しないと。じゃあ、急ぐからまたね」



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