ビッグゲーム2
「さっそくなんですが大野さん、キャプタルサービスのことを聞いてもいいですか」
「なんでもどうぞ」
「端末機の普及率はどれくらいあるのですか」
「実際数字を出していえないくらい悪いです」
「それは媒体価値がうまく伝わらない宣伝に問題があるのですか」
「話しにくいことから聞くね、確かに宣伝も悪いかもしれないけど、端末機が10万円を切らないとだめだと思う」
「へぇー、端末機ってそんなに高いのですか。そのうえ通信料金がかかるんですよね」
「全国一律にして料金は3分40円だからそれほど高くない、それに値段はどうにでもなる」
「じゃあ、あとはソフトの問題か。でも電話回線ってそんなに余っているんですか」
「NNTも有効利用したいんでしょう、電話だけなら3分10円にしかならないもの」
「それじゃ具体的に情報提供者にはどんな企業が多いのですか」
「いろいろだけど、まあ、マスコミといわれる会社はほとんど揃っている。テレビ、ラジオ、新聞、出版、広告など」
「みんな独自の媒体をもっているところばかりですね。キャプタルサービスを利用することでどんなメリットがあるのでしょう」
「それをいまみんなで暗中模索しているところです。テレビ画面を使った文字情報というのはリスクが大きいんです。文字の情報量では紙媒体にかなわないし、映像ならテレビや映画を見ればいい。ただテレビは番組の構成上、リアルタイムの情報に弱い。つまり、生番組ならいくらでもニュースを差し込めますが、録画番組ならテロップしか流せない。そんなとき、キャプタルの画面を見れば全部の新聞社のニュースがリアルタイムで見ることができる、そこが強みですね」