表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/45

スケジュール2

 「こんにちは、千優ちゃん。合計額はできてる」

 「はい、1本120円でトータル36万円です」

 「それは税込みで、配送費も込みでいいんだね」

 「いいえ、配送費は別です。全国30か所となると結構かかりますから」

 「千優ちゃんが行くわけないよね」

 「まさか、業者さんにお願いします」

 「わかった、予算的にも問題はない。あとはこのキャンペーンをどうやって成功させるかが残された課題だ。このキャンペーンはテレビ、ラジオ、紙媒体、レコード会社、そしてプロダクションが参加することになったからかなり大々的になる。千優ちゃんもいまの大衆文化を作っているんだ、という気持ちで参加してくれたら僕はうれしいな。そして30人の男性の思いが意中の女性に伝わったらこれ以上の幸せはない。そうなったら良子も喜ぶだろう。そして初登場1位になったら願ったり叶ったりだ」

 「雑誌の編集はそんなことまでやるんですか」

 「そうだね、僕らの仕事は本だけ作ればいいというものではない。ニーズがあればラジオの台本を書いたり、広告のコピーを考えたり、作詞をしたりと、やれといわれたらなんでもやる。だからつねにアンテナをはって、自分からいろんな場所へ行く。どこにチャンスがあるかわからないからね。そしてチャンスを掴んだらみんなの期待に応えることが大切なんだ。イメージを形にすることは難しいが、成功したときの気分は最高さ。これは僕らしか味わうことができない。たとえば千優ちゃんが今回参加して入江良子が初登場1位になったら、千優ちゃんの仕事も必ず1位の(いしずえ)になっているんだ。人間なんてひとりではたいしたことはできないけど、ひとつの目的に向かって集まったときすばらしいパワーになる。この大波を制する快感は一度味わったら忘れることができない。僕の生きてる(あか)しといってもいいほど価値があるものなんだ」

 「正儀はすばらしい仕事をしているんですね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ