コンタクト4
「そんなこといって、白石先輩から聞きましたよ。本社の女性はみんな彼氏がいるって。僕みたいな男に油を売っていてもいいのですか」
「彼がなにをいったかわからないけど、全部鵜呑みにしないでね」
「どう捉えればいいのでしょう」
「あなたポイント高いわよ」
「新田さんはきれいだから正直にいうけど、チャンスだと思っていいのですか」
「どうとってもいい」
「ありがとうございます、明日から仕事が楽しくなりそうです。今度遊びに行きましょう、あっプリントアウトができましたね」
「ああ、残念。もうちょっとだったのに」
「白石さん、キャプタルガイド用のデーターをプリントアウトしてもらいました」
「おー、新人はえーじゃないか、関心々々。上司の指示を守る、当然だがな。ところで誰に頼んだ」
「新田さんです」
「彼女もフルカブだが、結構いい女だろ」
「確かに、きれいでしたね」
「おまえのタイプか」
「はい、彼女は大人ですよ。僕より年上じゃないかな」
「おまえいくつだっけ」
「26です」
「彼女は確か今年27歳だったはずだ」
「いけね、ためぐちで話してしまった」
「なにを話した」
「白石さんの悪口」
「なんだって」
「話すことを全部鵜呑みにするなと」
「そのほかは」
「なにも」
「それだけか」
「はい、そうです。話すなといわれたじゃないですか」
「俺は本社の連中に印象がよくないからな」
「なにか原因があるのですか」
「まともに話していないだけだ」
「印象を良くする努力もしていない」
「働く部門が違うからな」