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セルフ・イントロダクション2

 「講英社や同協通信社みたいな大きなところはなかなか入れないけど、僕がいったところは出版社とか通信社といっても小さいですから」

 「それでもマスコミで働きたがっている奴はたくさんいる。高卒が大学出と競争するにはコネと実力よ。俺も高卒なんだ。前の会社では20人の部下がいたからそりゃ大変だった」

 「なぜ辞めたんですか、そんなにスタッフがいたら信頼も厚かったでしょうに」

 「まあ、人にいえない理由があったんだ。それ以上聞くな、高卒っていうプレッシャーもあったし、いろいろあらーな。おまえも苦労するよ、高卒じゃな。でもずーっと編集で生計をたてていくつもりか。悪いことはいわねーからやめとけ」

 「なぜです」

 「若いうちはいいが、年とってやるのはつらいぞー」

 「編集といってもいろいろあるじゃないですか、僕は編集より文章を書きたいんです」

 「悪いことはいわねー、創作なんて手をだすもんじゃねえ、つらいだけだ」

 「はあ、(さと)りをひらいちゃったみたいですね」

 「いろいろ見てきたからな」

 「おまえは女が好きか」

 「嫌いな男がいるでしょうか」

 「本社にいる女は粒ぞろいだぞ、みんないい女だ。おまえは彼女がいるか」

 「いませんが」

 「うちの女性はみんな彼氏がいるみたいだ、本人に聞いたわけではないが」

 「そんなもんですか、僕にはわからないな。彼氏がいるとか関係なく、魅力的女性がたくさんいるのなら、なぜ声をかけないんですか。それともいままでこの会社に彼女たちが胸を焦がすような魅力的な男性がいなかったんですか」

 「いうねー、じゃあ俺たちに魅力がないと」

 「だって男からなにもいわないのなら、女性だってなにもいいませんよ。興味がないと思うでしょう。特にいい女だったら自分からいうなんてよっぽどのことがないとありえないでしょう。この会社の男性がみんないいと認めるなら、世の男性はみんな彼女たちに目をつけるはずです。その人たちと比べられていると、この会社の男性は気づくべきです。自分に引け目を感じている男性に魅力なんてもてませんよ。自分の殻は自分で(やぶ)らなければだれが破るんですか。そんな勇気も持てないのならいい女とかいってほしくないですね」

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