FIRE4 無意味な死
やっとです!
多分、月1程度で投稿できるよう頑張ります!
PM7:00、竜騎は自宅の玄関前に居た。
その顔には、涙の跡があった。
竜騎が玄関の扉を開けて、中に入ると、家の中は、肉が焼ける良い香りが漂っていた。
竜騎がその香りに、ボーっとしていると。
「あれ~、だ~れ~?って、なんだ竜騎か」
と、キッチンの方から声と共に、黒髪のポニーテールをした少女が顔を出していた。
「あ・・・」
竜騎は少しだけ驚いたが、直ぐに笑顔を見せた。
偽の笑顔だとばれないように、必死に。
「なんで、お前がいるんだ」
「竜騎のお母さんに頼まれたんだ、今日は仕事の都合で帰れないんだって、だから家の鍵を借りて、竜騎のご飯を作っていたんだよ」
「それはありがとう」
少し間を置いて、
「麻衣」
そう呼んだ、この少女は秋里麻衣、無能力者だ。
竜騎の幼馴染で、竜騎の母親が帰れない時などに、鍵を借りて竜騎の面倒を見る。
竜騎にとっては幼馴染だが、どうやら麻衣は我が子のように竜騎を見ている。
「ねえ、竜騎。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも・・・・・」
「さて、風呂に入ろうか」
竜騎は麻衣の横を通り抜けて、風呂場に向かった。
「あー!もう!まだ最後の一つを言ってないよ!」
麻衣がそう叫ぶが、竜騎はスルーした。
~風呂上り~
竜騎と麻衣はリビングで食事をしていた、今日の食卓は麻衣が作ったメニューだ。
「そういえば今日、警備員がおっきい袋を5~6個を持ってどっかに歩いて行ったけどなんだったんだろうね」
麻衣がふとそんなことを言ってきた、竜騎はハッとした。
「なにっ!!」
突然竜騎はテーブルを叩いて立ち上がった、麻衣は驚いて箸を落とした。
「おいっ!それはこの番地の警備員か!?」
「えっ?あっうん、確かそうだったよ」
竜騎は拳を握り締めた。
「クソッ!やっぱりあいつらが!あいつらが殺ったのか!」
竜騎は壁を殴った。
「竜・・・騎?何かあったの?泣きながら怒って」
麻衣に言われふと我に返った、目からは涙がこぼれていた。
「今日、私が見た事と竜騎が泣いていることは、何か関係があるの?」
「実は・・・・・今日、ホームレスの人達が数人殺されたんだ」
竜騎は今日あった事を話した、警備員が殺したこと、そしてその袋の中身がホームレスかもしれない、ということを。
竜騎は話している途中で、温かい飲み物と食パンと毛布を持って、外に飛び出していった。
数分すると、裏路地に着いた、竜騎は裏路地に入っていった。
「誰だ!」
そう叫ばれたのと同時に、ゴミの山から鉄パイプを持った男が出てきた。
「俺ですさっきの」
しばらくホームレスは警戒していたが、思い出したのかその場に崩れ落ちた。
「大丈夫ですか!?」
竜騎が駆け寄ると。
「大丈夫だ、ちょっと安心しただけだ」
と言って近くにあったゴミ袋に腰掛けた。
「おじさん、これ少ないけれど」
そういって持ち物を差し出した、ホームレスはそれを受け取ると、また泣き出した。
「ありがとう、こんな私のためにここまでしてくれて」
「いいんですよ、それにあなたは立派な一人の人だ、無能力者なんかじゃない」
「ありがとう・・・・本当にありがとう」
竜騎はその場から立ち去った、そして家の前まで来た所で、突然一発の銃声が聞こえた。
「!?」
竜騎は腰からSIGP220を取り出すと、音がした方に走り出した。
しばらくすると、先程のホームレスが血だらけで倒れていた。
そして、竜騎は見た、その場から歩いて立ち去る、警備員の姿を。
「くそぉぉぉぉ!!」
竜騎は叫んで引き金を引いた、銃声と同時に、警備員は走り去った。
「おじさん!」
竜騎はホームレスの元に走りよった、竜騎がホームレスを抱きかかえると、ホームレスが目を開けた。
「グフゥ・・・あぁ、君か・・・・大丈夫か?・・・」
「何言ってるんですか!!おじさんこそ大丈夫ですか?」
竜騎はそう言ったが、全然大丈夫では無かった。
ホームレスは左胸を一発撃たれていて、それは恐らく心臓に当たったものと考えてもいい。
それはすなわち、助からないと言うことだった。
だが竜騎は焦っていた。
「とにかく、病院に行きましょう!今救急車を呼びますから!」
竜騎は携帯を取り出し、119番に掛けた。
『はい、どうかしましたか?』
「おい!助けてくれ!人が撃たれたんだ!」
『分かりました、患者の身分を証明できるものはありますか?』
それは市民か無能力者かを、確認するための質問だった。
「くっ!あ・・あるわけ無いだろ!無能力者のホームレスなんだから!!」
『無能力者の場合は、保健所に連絡をしてください』
「くそ!」
竜騎はそう言って、電話を切った。
「君・・・もういいんだよ・・・・私はもう・・・十分に生きた・・・」
「何言ってるんだよ!人だろ!一人の日本人だろ!」
「私は・・・・私が生まれ変わった時は・・・平和な世の中に・・・・なっているのだろうか・・・」
「あぁ、なっている!俺が変えてみせる!だから死ぬな!」
「ああ・・・君の夢が・・・・叶う・・・ように・・・そして・・・の人を・・・・無能力者を救って・・・やって・・・く・・・れ・・・」
そう言った瞬間、手を握っていた力が抜け、ぐったりしてホームレスは動かなくなった。
「おい!おじさん!おい!くっ・・・何で?・・・何で、こんな簡単に人が殺せるんだ!?どうして・・・俺の周りの人は・・・うぅわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
竜騎の叫びが裏路地に響き、
住宅街に響き、
そして麻衣の耳に届いた。
空は・・・・・・月は・・・・・・満月だった。
まぁ、兎に角早めに投稿出来たらいいな~