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FILE3 父親の過去

やっとの投稿です!

「えー、ここの問題・・・」

今は3時間目の真っ最中、竜騎は暇な時間を和良とチェスをして潰していた。

戦況は竜騎がクイーンが二つ、ポーンが一つ、ルークが一つにキングが一つ。

和良はポーンが二つ、ナイトが一つ、キングが一つという竜騎の圧勝だ。

ちなみに、竜騎は黒で、和良が白だ。

普段の和良は、ゲーム事などは負けそうになると、直ぐに降参する性格なのだが、今日は違う。

なぜなら、金を賭けているからである。

「なぁ、竜騎!すこしは手加減ってもんがあるだろ!」

「うるさい!お前が俺の金を狙って、賭けチェスやろうっていったんだろ」

「頼むよ!この三千円盗られたら、俺の財産が~!」

「残念だったな、チィックメイト」

「い・い!・いぃぃぃぃやぁぁぁぁあああああああああああああー!!!」

和良が悲痛の叫びを上げているのを無視し、竜騎は机の上に置いてある和良の三千円と自分の五千円を回収した。

「おい、和良。俺から金を貰いたいんなら、家に来て俺の手伝いに協力してくれたら、金をやるよ」

「それは時給だ~~~!!」

やれやれ、やっと気付いたか。

竜騎はチェス盤の上に置いてある、白と黒の駒を分けて自分のバッグにしまい込んだ。

それを見つけた教師が、竜騎の席まで行き、怒鳴り声を上げた。

「何やってんですか!無能力者は少しでも成績が上がって、一般人になれるように努力しなさい!」

その言葉に竜騎は舌打ちをして立ち上がり、教師と向き合った。

「一般人になれだと?誰のせいで無能力者になったと思ってんだ!貴様等大人のせいだろ!」

竜騎は逆に怒鳴り返した、その声にびっくりして、教師はブルッと肩を震わせた。

しかし、教師は負けずに言い返した。

「勉強と努力を繰り返せば、なれない訳が無いんです!」

「なれない訳が無いだと・・・っ、そうかお前は知らないんだな・・・」

「しらない?・・・何のことですか?」

竜騎は、目の前で口をポカンと開けている教師に、再び舌打ちをした。

「知らないようなら教えてやる、俺の父親の名前は、多賀たが鵬斗ほうと

竜騎がその名前を口にした途端、教師の顔が青ざめた。

「鵬斗・・・って・・・あの・・反政府テロ組織「零解放組織」総裁、多賀鵬斗!?」

「そうだ、これで分かったな?」

「でも・・・そんな危険人物の血族が、どうしてここに?」

「俺のことを哀れんだ母親が、縁を切ったのさ、だから正式には親子ではない」

けれでも、俺は・・・、俺は父さんを・・・鵬斗父さんと縁を切ったなんて思わない。

竜騎はそう思って拳を握り締めた、そして沈黙が続いた。


                ~~夕方~~


竜騎は、いつもとは雰囲気が少し違った帰路についていた。

何時もなら、警備員が居る筈の通常道路も、竜騎以外の人間は一人も居なかった。

その後に、朝にホームレスと会話をした場所を通ったが、そこには一人の怯えた様子でうずくまるホームレスが居た。

竜騎はそのホームレスの元まで歩み寄った。

「おい、大丈夫か?寒いのか?」

竜騎がそう話し掛けると、ホームレスは顔を上げて、俺に向かって泣き喚いた。

「助けてくれ!!命だけは見逃してくれえ!!!」

ホームレスは酷く混乱していた、竜騎はホームレスに顔がよく見えるように話しかけた。

「おい!どうしたんだ?他の人達は?」

俺だと分かると、泣くのを止めて、俺に話した。

「他の連中は皆今日、俺たちの所に来た警備員に殺されたよ」

「なッ!・・・」

竜騎は絶句した、そして胸の十字架のペンダントを握り締めた。

「どうして・・・そんな・・・、おい!何があったんだ!」

「だから、警備員がストレス発散で・・・サイレンサー拳銃で仲間たちを撃ち殺したんだ・・・」

「それで!その後は!」

「その後は、死体を片付けて、笑いながら帰って行ったよ」

竜騎は走り出した、何も考えずに、只ひたすら。

その後、竜騎は昔よく遊んだ公園に来ていた。

そこは、とても見晴らしがよく、この街が一望出来た。

「くそっ!何でだ?俺たち無能力者の何が悪い!?俺たちは、只幸せになりたいだけなのに・・・・・くっ!うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

竜騎のなんの意味も無い叫びが、街に響いた。





                   只、それだけだった・・・・

これからも、ぼちぼち、投稿していきたいです!

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