FILE2 仲間と敵
久しぶりの投稿です!
まあ、長い目で見守ってください。
午前8:00
竜騎は、教室の近くを歩いていた。
竜騎は2年D組の生徒だ、そして、その2年D組は40人学級、その内の、俺を外して14人が親など身分関係で、特学に通っている無能力者だ。
他の25人は紛れもない、学生だ。
「廊下にワイヤー、50センチ間隔」
竜騎は学生が仕掛けた、通称「無能力者トラップ」に掛からないように警戒しながら歩く。
「教室に到着、ドアにトラップが2パターン、その壱、黒板消し。その弐、水入りバケツ」
そう呟くと、ドアに挟まっている黒板消しを外す。
そしてドアを蹴破った、すると仕掛けてあったバケツが落ちてきて教室の床に水が撒かれた。
大抵の学生は「ちッ!」「クソッ!」などの悪態をついてくる。
だが竜騎はそんな事は構いもせずに、
「このバケツと水は、教師が来る前に片付けておいたほうが身のためだと思いますよ」
と言いながら自分の席についた、クラスといっても竜騎たち無能力者は、教室の窓際の隅に、離れ小島のように区別されている。
竜騎達の席は3×5の長方形型で構成されている、そこで竜騎は一番真ん中の席だ。
何故なら、学生という自分達より上の身分に、唯一立ち向かったり、喧嘩をして勝利をする。
いわば、英雄扱いだ。
皆は竜騎をリーダーとしている、もちろん学生達は竜騎を畏れている。
「おい、竜騎。相変わらず俺と違って、お前は用心深いな」
「違うよ、兄さん、そうでもなくっちゃ僕等のリーダーは務まらないもの」
竜騎は、中学からの腐れ縁、野田和良とその弟の政良に声を掛けられた。
「違うよ。俺が用心深すぎるんじゃなくて、お前が用心深くなさ過ぎるんだよ」
「あっ!お前そんな事言うか!酷過ぎるぞ!竜騎!」
「兄さん!落ち着いて!落ち着いて!」
和良が、俺に飛び掛るのを、政良が必死に止めるのを横目に、竜騎はバッグの中身を机にぶちまけた。
机の上には各教科の教科書、ノート、筆箱といった学生の必需品の他に、竜騎はバッグ底を剥がした。
そして取り出したのは、拳銃の弾倉二つ、そして弾倉が入っていない、SIGP220を取り出した。
竜騎は、周りの目を気にせず、SIGP220に弾倉を入れてスライドを引いて弾を装填して、いつでも撃てるようにし、腰のベルトに差し込んだ。
「ていうか、竜騎?お前、何故ゆえにいつも拳銃を持ち歩いているんだ?」
「兄さん、大体護身用で持ってるんでしょ?でも銃刀法違反にならないのかな?大丈夫なんですか?竜騎さん」
「あぁ、大丈夫だよ。だって良く考えてみろ、俺達には今、人権がないんだぞ。要するに、一般市民の扱いを受けないんだ。だから銃刀法も無縁なんだよ」
「あぁ!そうか、じゃあ俺も手に入れたいなー、アッ!そうだ竜騎!お前拳銃俺の買ってきてよ、金払うから」
「馬鹿かお前は、俺の拳銃は買ったんじゃなくて、俺の親父の形見なんだよ」
「あぁ、そうか・・・そういえば、お前の父親って・・・・」
和良は言葉を詰まらせた、竜騎は和良が気を悪くしないように、声を掛けようとした。
しかし、教師が入ってきたためみんなが席に戻った。
「さぁ、今日もささやかな戦争の始まりだ」
竜騎は小声で小さく呟いた。
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