FIRE12 脱出
遅れて、すいません!
あと、自分、文法おかしいの気づきました。
すいません!!
竜騎は、爆音が収まると、立ち上がろうとした。
しかし、足に力を込めた瞬間、激痛で再度座り込んでしまった。
竜騎が足を見ると、手榴弾の破片が刺さったらしく、血が溢れていた。
「クソ・・大丈夫か!?」
竜騎は辺りを確認しながら、皆の無事を確かめた。
「俺は大丈夫だ・・・」
雄也が、いち早く答えた。
「俺もだ」
「僕もです」
和良に続き、政義が答えた。
「私は大丈夫だけど・・・吉田さんが!」
刃澄の言葉で、竜騎はハッとした。
「吉田さん!?」
竜騎は叫んだが、吉田の声は聞こえなかった。
直ぐに、足の激痛に耐えながら、刃澄の方へ走った、そこには、刃澄を庇ったらしく、背中に手榴弾をもろに喰らった、吉田が居た。
「吉田さん!」
竜騎は、吉田を抱きかかえた、生暖かい感触を感じ、左手を見ると、竜騎の手は真っ赤に染まっていた。
「あ・・・よ・・・吉田さん?」
竜騎は又尋ねた、生臭い血の臭いがする。
すると、吉田の口が微かに動いていた。
竜騎は、吉田の口元に、耳を近づけた。
「りゅ・・・竜騎さん・・・ご無事でしたか?・・・」
その吉田の声は、さっきの勇敢に戦っていた姿とは、とても思えない程、弱々しい声だった。
「何、人の心配してるんだよ!吉田さんが一番心配だよ!」
竜騎は、少し擦れた声で言った。
「竜騎さん・・・急いで・・・行って下さい・・・、私はもう・・・駄目・・ですから・・・」
「何を言ってるんですか!?一緒に行くんですよ!逃げるんです!」
竜騎はそう言ってはいたが、実際は分かっていた、吉田の命はもう長くは無いことを。
雄也は、吉田が使っていたライフル銃を拾い、敵に向かって発砲していた。
和良と政義は、何もせずに唯、呆然としていた。
刃澄は吉田の怪我を診ている、竜騎は必死に吉田に呼びかけていた。
「竜騎さん・・・私は・・・東条さん・・・に言われ・・・ました・・・うぅ・・・」
吉田は、息が絶え絶えになりながらも、竜騎に話し始めた。
「竜騎さんは・・・この・・日本に・・・必要な存在・・・だ・・・と」
「だから・・・何があっても・・・死なせるな・・・そう言われました」
吉田が声を出す度に、背中の傷口から鮮血が溢れ出した。
「私は・・・自分の命に・・・代えても・・・あなたを・・・守ると、そう誓ったんです」
「だから・・・行って下さい・・・ここで・・・全員死んだら・・・私は、先に死んで逝った・・・皆に・・・顔向けできません・・・だから・・・せめて、自分の使命を・・・達成して・・・逝きたいです・・・」
竜騎の目には、大粒の涙が溜まっていた、自分の為に命を棄ててまでも、守り抜こうとしている吉田の姿はとても勇ましく見えた。
竜騎は首に架かっている、十字架のペンダントを握り締めて、立ち上がった。
「竜・・・騎?」
刃澄が首を傾げながら呟いた。
竜騎はゆっくりと、口を開き、
「行こう・・・」
そう言った、刃澄はハッとして、竜騎の腕を掴んだ。
「だめよ!竜騎!吉田さんは、まだ生きている!」
「違う・・・」
「えっ?」
又も刃澄は首を傾げ、竜騎を見上げた。
「吉田さんも、連れて行こう」
その言葉で、刃澄の顔が明るくなった。
そう、脱出するんだ、この戦場から。
吉田さんと、皆と、生きて!
竜騎は吉田の肩を持ち、歩き出した。
きっと、竜騎にも不安があった筈だ、しかし、竜騎は誰かを助ける、その一心で動いていた。
しばらく投稿出来なくなります。
また、しばらく。
次回「脱出 其の弐」