『追いはぎ地蔵とプレスマン』
掲載日:2026/09/24
あるお寺に、お地蔵様が祭られていました。お寺の前には、大きな街道が通っていて、昼間は大勢の人が行き来するのですが、夜になると、真っ暗になり、何やら怖いようなところでした。あるとき、この街道に追いはぎがあらわれ、持っているプレスマンを奪われるという事件がよく起きました。村人は、宿場に人が来てくれるかどうかが死活問題でしたので、この追いはぎを捕らえて、旅人が離れていかないよう、かわりばんこに見張りをすることにしました。
屈強な若者にわざとプレスマンを持たせ、街道を無防備なふうで歩かせますと、何者かが後をつけてきます。おとりの若者のふところに手を入れてきたところで、隠れていた村人が飛びかかり、どんなやからなのか見てみますと、びっくりです。お地蔵様でした。
お地蔵様が追いはぎを働くなんて、よっぽどのことがあるのでしょうが、襲われるほうにそんな事情は関係ありませんので、村人たちは、相談し合って、お地蔵様を鎖で縛って田んぼに穴を掘って埋めてしまいました。それ以来、追いはぎの被害は出なかったということです。
教訓:田んぼに鎖、というわざとらしい展開に、田鎖、を思い出せれば、もう速記の人である。




