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可愛い弟を溺愛しながら生きていく  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


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51.いざ、敵陣へ!

 迎えの馬車に乗り、がたごと揺られる。正直、ウルティア一族の馬車より質が悪い。これで王族用だと聞いて、呆れてしまった。


 我が一族は様々な専門職を抱えているため、改良や改造がほぼ毎日のように行われる。どこか改善してほしい点があれば、すぐに伝達されて問題解消に尽力するのだ。馬車も揺れる、舌を噛む、酔う……様々な意見を取り入れて改良されていた。


「うちの馬車を使えばよかったね」


「次はそうしよう……だが、今日は必須だからな」


 意味ありげに、馬車の紋章がある辺りを指さす。内側からなので正確な位置ではないが、意味は通じた。サンバドル王家の紋章が入った馬車で送迎される、それは婚約者の証に見えるだろう。にこりと笑う私に、ベスも微笑んだ。


 今日のベスは髪型をツインテールに仕上げている。地毛は肩に届く程度なので、結んだ先からウィッグだった。くるくると巻いた髪は細く長く、肩甲骨へ届く。以前は地毛を伸ばしたベスも、剣術の稽古を始めてから切った。以前伸ばした地毛を切った際、大切に保存していたのだ。


 髪の質感を誤魔化すために、香油で艶を出した。長い桃色のリボンを垂らすことで、ウィッグの不自然さも感じさせない。侍女ララウの仕事は今日も完璧だった。なお、今回は彼女の同行はない。侍女を連れて行けば、ある程度の貴族階級だとバレるからだ。


 侍女の質は家の格でもある。何より、ララウが同行したなら私達への無礼に対し、対応する義務が生じた。相手の過失を誘う作戦では、ララウが前に出たら台無しだった。万が一に備え、王宮の侍女を借りる算段はしている。


 淑女の嫌がらせは、ドレスに対するものが多いからな。緊急用の着替えも一式持ち込んでいた。敵の有責狙いなので、この衣装は汚されること前提だ。だから色の変化が目立つ白系の生地を選んだ。


 きゃうっ! ご機嫌のルカは、膝の上でお腹を見せて転がっていた。まだ大型猫サイズだからいいが、この先大きくなったら膝に乗るのは難しい。今のうちにたっぷり甘やかしてやろう。首の下から腹を通って、足の付け根まで。ぐりぐりと揉むように撫でまわした。


「毛だらけになりそうですね」


「どちらにしても、抱いて移動だから問題ない」


 ベスの指摘に、笑顔で返した。前回、渋滞にはまった辺りを通り抜け……馬車は真っすぐに王宮を目指す。街の中を抜け、景色が貴族街の立派な塀に変わった。どの家も武骨な塀で覆われ、なんとも風情がない。呆れながら王宮の門をくぐった。


 ルカを抱き上げる。ペットではなく霊獣なので、当然ながら首輪も紐も必要なかった。肩に顎をのせ、ルカが大人しくなる。開いた馬車の扉から降り、着飾ったセシリオに一礼した。準正装だが、なかなか見映える。


「ようこそ、霊獣ルカ。我が愛しのレディと兄君も」


 名を呼ばず、上手に切り抜けたセシリオが一歩前に出て、馬車の中へ手を差し伸べた。

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