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可愛い弟を溺愛しながら生きていく  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


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29/63

29.王太子の出迎えより、ベスが可愛い

 到着予定時刻を事前に聞いておけばよかった。執事バシリオは、早くても明日以降の到着だ。馬車ならさらに二日ほど遅いはず。バシリオの屋敷仕舞いに付き合った侍女達は、領地に入ったらしい。護衛で同行した騎士から報告を受けた。


 馬車はゆっくり領地内を進み、昼過ぎに侍女が帰還する。となれば、ゆっくり休めるよう手配するのは我々の仕事だな。シルベストレと手分けして、各部署へ通知した。帰ってきたら風呂に入れ、食事も用意する。翌日は休みにしたので、ゆっくり眠ってもらう予定だった。


 母上からは「きちんと出来ていますね」と褒められた。顔を見合わせて、シルベストレと笑う。と、ここで王太子殿下到着の一報が入った。領地内に入ったのだろう。


 飼っている鳩を使ってのやり取りは、地上を走る騎士の伝令より早い。問題は、稀に猛禽類に襲われることか。そのため複数の伝書鳩を飛ばすのが通例だった。三羽飛ばして、今日は全羽無事に到着したらしい。


「王太子なら、事前に先触れの騎士を寄越すべきだろう」


 腰に手を当てて苦言を呈したところ、少し遅れて先触れが到着する。予言のようになってしまったな。母上は呆れ顔で「準備しなさい」と促した。


「ベス、今日の服も可愛いぞ」


「お姉様も素敵です」


 準備の一環として、互いの服や装飾品を確認し合う。ぐるりと回ったシルベストレのワンピースは、膝をすっぽり覆う長さのスカートがふわふわだ。ミントの柔らかな緑で、裾に金刺繍が入っている。共布のベルトにも金刺繍が施され、シンプルなデザインだが高級感があった。


 銀灰色の髪は後ろで一つに結い、リボンとともに背中で揺れる。馬の尻尾と呼ばれるポニーテールより低い位置で結んだため、背中に流れる髪が長く見えた。リボンはオレンジで、以前に私がプレゼントしたものだ。


 装飾品は耳飾りのみ、これまた美しい縞模様のオレンジの宝石が飾られている。瑪瑙だったか? 宝石には詳しくないが、金刺繍と合わせたのだろう。


「このオレンジ、柔らかな色だな。とても似合っている」


「ありがとう、お姉様。ここのリボンをオレンジにして、お揃いにしようよ」


 可愛い弟のお強請りとあらば、拒む理由はない。私は金髪に絡めた赤いリボンを解いた。心得た様子で、ララウがオレンジのリボンを差し出す。気の利く侍女に頷き、さっと三つ編みに仕上げた。


 深緑に金のモールがついた軍服風の衣装をまとう。これは母上のお下がりだ。品質の良いウールを使っており、譲ってもらったお気に入りだった。シルベストレが緑を選んだと聞いて、すぐに引っ張りだしたのだが……気合いを入れたように思われるのは癪だな。


「もうすぐ到着される。出迎えるぞ」


「「え?」」


 シルベストレと私は揃って首を傾げた。出迎える? 誰が、誰を?! 勝手に向こうから来たのに……。

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― 新着の感想 ―
いやそいつ一応王太子なんでフリだけでも歓迎を(笑)
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