表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最凶の人生~思考盗聴器と共に生き、本当に一度死んだ男~  作者: 時田総司(いぶさん)
6章 束の間の高校編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/91

47 合格しても終わらない理不尽。それでも現れた、小さな希望――

 筆記試験の試験会場――。

 会場全体に広がる静寂の中、鉛筆のすすむ僅かな音だけが、静かに鳴り響く。


(何か、ひっかけ問題ばっかだ……)


 機械の様に問題を解く中、一つの気付きを感じ取るが、そこで止まっていては時間的に間に合わない。再び時田は機械の様に問題を解き続けるのだった。


 試験は終了した。


(フー、まあまあかな?)


 手応えはそれなりに有った。だが、思いの外疲れる。

 人が密集するとそれだけで疲れるものだ。しかも、そんな中、少しばかり多い問題の数々を決められた時間内に解いていく。二択の問題が、更に空間の無機質さを深めていく。それらの要素によって、時田は神経をすり減らした。


 結果は――



 合格!!


(よし……!)


 自慢ではないが、時田は人生における重要な試験を、未だに落としたことは無い。


(よし! ……これで思考盗聴器さえ無ければ、順風満帆な人生なのにな……)


『何か受かったんだって』

『やるじゃん』


 試験中、無視できていた音声送信も聞こえてきた。くっ、


(次、乗車試験あるけど、気が散るから黙っといてくれよ。どういう仕組みだか知らんけど、頭ん中で話すのは止めろよ?)


『えー、いいじゃん』



「! ! ! !!」



 時田は酷く憤慨した。すると――、



『……』



 音声送信は鳴り止んだ。


(! ……よし、これで午後からの乗車試験、何とかなりそうだ)



 ――、


 あっという間に時間は過ぎ去り、午後の乗車試験の時間になった。

 乗車する順番は、午後の一番始めの順番だった。


「お願いします」

「はいよ」


 明らかに人を嫌っていそうな態度の人が、試験官だった。あまり気にせず、決められたコースを回る。カーブに差し掛かる。すると――、



「内輪が当たってる、不合格」



(は?)


「不合格だよ」




(はいぃぃいい?)




 時田はその後、最短距離でスタート地点に移動する事になる。


 不合格。


 時田は納得していなかった。

 サイドミラーから見た、車の内輪は、角度的に白線に当たっていなかったからだ。


「はい、次の人―」

「……」


『落ちたんだってー』

『ダメじゃん。ヘタクソか?』


(黙れ)


『……』


 待合室に戻る。教習所の教官さんが話し掛けてきた。


「どうだった?」

「何か、内輪が白線に当たっているって言われて、落ちました」

「そうか、あの試験官は良く落とす事で有名だからなぁ」


「……!」




(何ですとぉおお!!!?)




「まぁ、そんなヤツも居る。次、頑張れ」

「……」


 納得いかない……。仮免許の試験は数万円かかる。


(そうやって金を稼いでいるのか……)


 時田は大人の厳しさを味わうのだった。


 数日後、またしても同じ試験官による試験を行う事になる。そして今度はワイパーの速度が遅いという謎の理屈で落とされる事となった。そうして、2、3回落とされてやっとこさ仮免許を取得する頃には、大学がある、関東地方のとある県に行く頃になっており、本免許は夏休み中に取得する様になった。


(ナルさえ居なければ、教習所で過呼吸を起こすことなく、卒業式にも出られて、余裕を持った日程で免許の試験を受けられただろうに……

 さて、免許のことはそのくらいにして、思考盗聴器――。こいつをどうにかしない限りは、安心した大学生活を送ることはできない……。どうにかして、それを使用できないようにしなくては……)


 時田がそう思っている矢先、知り合いの音声送信が届いてきた。


『あの時、僕が知っていたら……』


 その声はK君のものだった。K君は中学生時代のクラスメイトで、中学卒業後は、工学部系の高等専門学校へ進学していた。


(K君!?)

『うん。真司君、元気かい?』


 工学部系の学校に通ったK君なら……何か参考意見をもらえるかも知れない……!

 3月の引っ越しの日まで、あと5日ある……! K君に相談して、少しでもいい方向に事をもっていかないと……!

 時田は3月某日、K君の家に行って、思考盗聴器について相談する事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ