3 『庭には二羽、裏庭には二羽ニワトリが居る』っていうけど、『裏庭にも』が正しい気がする
――、
「更にこんな事もできます!」
「はっ!!」
また、彼は蘇った。殺される為に――。
「次は脚を」
「ぐあっ!!」
案の定、脚は宣言通り吹き飛んだ。
「もうやめろ!!」
観衆の中に、勇気ある警察官も居た。彼は果敢にも神に食ってかかったのだ。
「赤ん坊相手に、何をやっているのだ!? お前はそれでも大人か……!?」
「……」
静かに神は警官の方へと視線をやる。そしてニタァと醜い笑みを浮かべて言った。
「神に仇なす、アナタも愚か者です。殺します」
首が吹き飛んだ。
これで神に歯向かうことのできる者が居なくなった。
「こんな事もできます!」
「ぐあっ」
「これもできます!」
「あぁ!!」
「こうもできます!」
「がぁっ!!」
死者一名の大量虐殺が、数分でおこなわれた。やきうは殺されては生き返らされる、生き返らされては殺されるを6000回繰り返した。
(痛い、苦しい、嫌だ、逃げられない……流石に……)
あの強気なやきうが、目に光る悲しみを宿していた。それでも神は容赦せず、次の虐殺に手を緩めない。
玩具の様なモノが壊されては直り、また直っては壊される。ブシャッという音のする真っ赤な飛沫と、ガクガク揺れる痙攣を見せながら――。その様相を観衆は滑稽に捉え始めた。
『ははははははは!!』
無邪気さを孕んだ嘲笑がホール中に響いていた。
「更にこんな……」
「ヤメロ!!」
「!」
神がいつものセリフと共に魔の手を伸ばそうとしたとき、コメディアンが現れた。愛と情熱に満ちた、正義感のある血の通ったコメディアンだ。怒りを込めて神を睨み付けたコメディアンは言い放つ。
「お前は神なんかじゃない!
バカだ!
アホだ!
ポンだ!
ポンカスだ!
デブだ!
ブーだ!
ぷーだ!
お前が死ね!!」
『……』
嘲笑が止んだ。
「……ふっ……ふえ……」
宇宙創造神、『フサヨ』は、効いた。“精神攻撃は基本”という言葉が、この国でこの時生まれたのかも知れない。
フサヨは両目からいっぱいの溢れんばかりの大粒を浮かべて、攻撃の手を止めた。
「あぁーん!!」
遂にはその生温かくしょっぱい水分は彼女の頬を伝い流れ出していく。
その隙にコメディアンはやきうの元へと駆け出していた。
「大丈夫か? 逃げるぞ!!」
「あぁ……貴方は?」
「いい! ここから離れるんだ!!」
コメディアンは小さな小さなしゃべる赤子、やきうを抱きかかえ、その場から逃走し――、
『あんっ、あんっ、あんっ、あんっ!』
自宅で彼にAVを見せていた!!!!
「これは……?」
「お前は少々、遊ぶ方が良い! 見ろ!!」
「……」
やきうは、生まれて初めて人間の温かみに触れ――、
鼻血を出していた。




