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最凶の人生~思考盗聴器と共に生き、本当に一度死んだ男~  作者: 時田総司(いぶさん)
6章 束の間の高校編

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14 Kのコト2

 さて、春休みの最後の日にミーティングがあったが、春休みにはもう一つ、重要なミーティングがあったことを話していきたい。


 新1年生が入ってくる――。


 田之上が気に掛けていた事なのだが、当然野球部監督をはじめとする首脳陣もこの事実には目を光らせていた。

 そしてそのミーティングがおこなわれる――。


「新2年生、雨天練習場!!」



『はい!!』



 全力ダッシュでコーチの元へ向う為、20秒もしないうちに該当の部員は整列していた。


「集まったか……お前らそろそろ新1年生が入ってくるいうのに、こんな体たらくで良いと思っとんのか? 特にK! お前じゃ!!」


「はい!!」


「K!! お前はっ!!」


 コーチの手元から何かが飛んできた。昔なら指導の名の下に済まされていた行為だ。

 だが、今は違う。


  Kは勿論、その周りに居た、新2年生も怯み、雨天練習場の空気が、一瞬で凍りついた。その後で追い打ちをかける様にコーチが一喝を入れる。


「もっと気合を入れろ! 全員だ!!」



『はい!!』



 ミーティングは終わった。その後、新2年生だけで選手間ミーティングがおこなわれる。


「1年生は、直ぐ上の2年生を見るわけだから、俺らがしゃんとしとらんとな。宮川はどう?」


「ああ、その通り。しっかり見本にならんとな」


 そこで2,3人ほど旧2年生、次の4月から最高学年になる新3年生の先輩達がやってきた。


「やられたか、お前ら?」

「しっかりしてくれよ」


「はい……」


 ここで千原さんが不意に真実を話す。


「まぁ、俺らも1年前に言われたんじゃけどな」


「そうなんですか?」


「毎年言わりょうる事じゃろうな。まあ、気を引き締め直すという事じゃな」


「はい」


(一区切り――、付けたのか……)


 時田はそっと感じていた。



 ――、


 そして時田達は2年生になった。


「○○中学出身!! ポジションはピッチャーです!!」


 桜の花びらが、グラウンドにも色を付ける頃、新1年生が大きな声で自己紹介をしている。


「1年、ノックをする。希望ポジションに就け!!」



『ハイ!!』



 時田はボールキーパーという、ノックに使用するボールを、選手から渡されノッカーに渡す役割をしていた。


 直ぐに、1年生が指導を受け始めた。


「ピッチャーはボールが転がった方に走れ! ランナー1塁、ゴロがファーストの方へ行ったら、そっちへ走れ! 自分で捕れたらその後、各塁へ送球! ファーストが捕りそうだったら1塁のベースカバーにそのまま走れ!」


(去年と同じだ……。高校に入ってすぐは、皆動けないのか……この繰り返しの中で生きていく……)


 時田は齢16にして(早生まれ)円環の理、その心理に触れていた。その上で――、


(ぼ……、俺はこの野球部で何を成すのか……? この部の為になにができるのだろうか……?)


 部の中での自分の存在価値を疑問に思っていた。



 教室で――、


「K、何でお前が理系なんだ?」

「時田ぁ、わしゃ騙されたんじゃあ!!」


 理系クラスの選択者が集まる教室に、時田とKは居た。Kには何やら訳があったらしく――、


「1年の時の担任、梅山にやられたんじゃ。『わしゃ頭わりいけぇ絶対理系にはなれん』って言ったら、あいつ『分かった』って言っとったわ。何が『分かった』じゃ! 何も分かっとらんわ!!」


「それで、担任が理系に入れたんか……そりゃ梅山が悪い」


「じゃろ!? お前か横田に勉強教えてもらうわ!!」


「分かった……」


 Kに心底、同情した時田だった。

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