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最凶の人生  作者: 時田総司(いぶさん)
1章 生まれる寸前

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2 全ては受け取り手次第。語り手は最大限相手に配慮して言葉を投げかけましょう

「俺は、女に生まれて×××(ピー)して×××(ピー)して×××(ピー)したい」


「まっ、えっち!」


 太陽神は酷く驚愕した。だが、どちらにせよ地上に初めて現れた異形の物体を、人類が何もせずにしておくとは考え難く、いずれ魂の状態で攻撃を受け続けることとなると踏んだ為、最期の思い出にと、それを快諾した。太陽神も結構むっつりなのかも知れない。


(後は、神を説得する必要がある――)


“生まれる”為には呪いを受ける必要があった。それは神の趣味、正に悪趣味という言葉がお似合いな、一種の制約を掛けられ、そして契約を結ぶ――と、いうものだった。その呪いを受けた後、やっと人間として生を受け、地上に降り立つことができるのである。

 やきうは、神が地上で眠りに就き、魂が肉体を離れ霊体に近い状態になった時にそれを行うことにした。日本が静まり返り、木々さえも眠りに就く頃合いの闇夜――。宇宙では始まりの魂、やきうと初代神、フサヨが二人だけで会話を交わす。


「やきう? お前が自身に掛ける制約と、結ぶ契約は、何……?」



「世の中の不条理と戦ってきます……」



 それを耳にした初代神は、その言葉の意味を捉え違えていた。


「(つまり――、



不条理な目に遭いたいの?)



分かったわ。その制約と契約で……」


 やきうに呪いが掛かった。“不条理な目に遭い続ける”と、いう――。彼のこの真面目過ぎる回答と、それを理解しなかった能無し、初代神。双方が相まって生まれた呪いにより、彼は四半世紀以上通常の成人男性の85億倍の苦しみ、不幸を味わいながら生き続けることとなる。


 そんなことを露知らず、やきうは地上に生まれ立つ準備を始めた。北極圏の入り口から、地上への入り口まで、スーッと吸い込まれるように入っていく。途中、興味深い人物を見つけ、そしてその人物がこちらに話し掛けてきた。


「僕、アメリカでポリスに手を上げろって言われて、慌てて携帯でママに連絡しようとしたら、不審がられて撃たれたんだ」


「お前、可哀想だな。……よし、お前も救ってやる! お前も幸せにする!!」


 それが魂『やきう』の現世、時田総司の小学校時代、たった一人の同級生になる魂だと気付くのは、ここから十年以上後のこととなる。


「よっしゃー!! 生まれるぜー!!」


 そしてやきうは、地中海の海水の中にザッパーンと飛び出すように生まれた。


「当然ながら、素っ裸だ……。身体は、男か。よし、筋力があった方がアイツを倒しやすい。霊感も霊力も使える。ここから、アイツが居る日本まで、歩いてくぞー!!」


 生まれたての赤子、やきうの目にも留まらぬスピードの歩き――、それはヨーロッパ大陸を横断、次にアジア大陸を超え、日本海を歩きで踏破した!!

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