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最凶の人生  作者: 時田総司(いぶさん)
4章 小学校の真実

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9 小学生が背負っているもの――。それは必ずしもランドセルだけではない

 時田が小学校6年生の時――。


 彼は強いものイジメに遭い、へーんとつっぱる真面目で強気なお子様だった。


「宿題したのか?」


 と、シゲミに聞かれると


「一時間前にやった」


 と言いながらゲームをやっているほどだった。彼は数年後に、小学校なんて遊んで遊んで遊び通していればよかったと、後悔している。爆破スマシに怒られそうだ、遊ばな過ぎて。


 時田は、上手く怒れない。怒り方を知らないと言ってもいい。しかし、優しいかどうか問われたら優しくはない。

 自分に厳しく、他人に厳しくをモットーとしていた。



 中学に上がると、平日6時間、休日8時間机に向かっていた。周囲の環境と比べてみると、正気の沙汰ではない。もっと遊べばよかったと時田は後々後悔している。

 大学入試も、とある事情で勉強ができなかった。しかし、一年の時の評定平均が4.0だったので推薦入試でギリギリとある大学に入学する事が出来た。




 さて、ここで話を本題に戻そう。

 舞台は時田小学校6年の時、春か夏頃のコトである。下校時刻に、後輩の1年生二人がバラスの砂利道を裸足で歩いていた。

 どうしたのと聞くと、靴隠されたと返してきた。


(仕方ねぇな……)


 めんどくさがりの時田は親族の4年生に言った。


「とりあえず、俺のランドセル持て」


 多分だが、その4年生はイラついただろう。ランドセルを持たせて、今度は1年生に話し掛けた。


「二人は無理だけど、どちらか一人おぶってあげる。どっちがいい?」


 現実的に見て、二人を背負うのは無理だった。剣道3級くらいで、筋力はクラス一番だったが二人背負うことはできない。


「はい!」


 一人が手を上げた。


「じゃあ、コースケ君で良いかい? ユヒト君」


 質問するとこう返ってきた。


「うん! コースケ君をおぶってあげてよ」


 時田はこう返す。


「ホントに大丈夫?」


「平気!」


 二つ返事で返ってきた。


(コイツ……俺と似て、いじっぱりだなぁ……)


 時田は少し顔がほころんだ。

 と、同時に心配だった。バラスの砂利道でさぞかし足の裏が痛かろうにと、心配していた。しかし、ユヒト君を見捨てて歩くしかなかった。前に進んだ。


 暫くすると誰かが横に現れた。元・たった一人の同級生のU君だ。しかも、1年生のユヒト君をおぶっていた。後ろを振り返ると、親族の4年生がランドセルを3つ担いでいた。少し笑えたが、横に振り向く。


『ありがとう』とか、


『どしたん』とか


 話した記憶はないけれど、時田とU君はとても心地よかった。二人はバラスの砂利道を超えるまで一年生をおぶって帰った。


 その二人の背中を、クラスの女子達は不思議そうな顔で見つめていたとかどうだとか。


 バラスの砂利道が終わると、キレイに舗装している道になる。そこの三差路で同級生のU君は道を違う。


 じゃあね、


 とU君はユヒト君をキレイな道に下ろす。その時時田は思った。


(さっき平気って強がってたけどまだまだ小学校1年生、ちゃんと甘えてくるんだなぁ)


 気持ちがほっこりした。でも、男の強がりについて、自分と似ているモノを感じた時田は舗装された道に差し掛かったところで聞いた。


「ここからは痛くないよ。自分で歩けるよね?」


 コースケ君は嫌だといっていたが、ユヒト君は


「分かった! ありがとうU君」


 と言い降りてキレイな舗装道を歩き出した。それを見たコースケ君も、釣られて舗装胴を歩き出した。


(これでいい、いつまでもおんぶにだっこじゃ、俺だったら納得しない)


 そんなコトを考えながら歩いていたら、最寄りのバス停へ着いた。時田が停留所で座っていると、U君が帰り道と逆のバス停まで来ていた。


「どうしたの?」


 と聞くと


「何でもないよ」


 と返された。時田は不思議な気持ちになった一日だった。


 時田の小学校時代、『地区集会』というモノがあった。自宅が近い生徒同士が集まって集会を行うと、いうモノだった。夏休み前や冬休み明けなどに生活について話し合ったりする。後日おこなわれたその会で、担当教員が思わせぶりに、ハイ注目と言って時田の地区の生徒達に話を切り出した。


「時田君とU君が、靴を隠された1年生をおぶって帰ってくれました! お家の方も感謝されてましたよ」


 時田とU君はニッと顔を見合わせて頬を緩めた。

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