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最凶の人生  作者: 時田総司(いぶさん)
4章 小学校の真実

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6 男子ってバカだねーって女子が言うけど、男子が瞬間的にバカになってバカなコトしているだけで女子の方が平均的にみてバカ

 姉と口喧嘩し、偶に父に虐げられ、歯も磨かず月日は矢の様に過ぎていき――、


 時田小学5年生の春――。


「この小学校は休校するコトになりました」




「は!?」


「え!」


「うぇ!?」




 全校集会――。校長の一声で、体育館は水を打った様に静まり返った。人生振り返ってみて、小3から小5までが2番目に幸せだった時田だったが、ここに来て重大な危機が迫ってきた。


(学校、編入? しないといけないの……?)


「休校と言っても、この町の子達が増えたら、またこの学校は再開します。安心してください」


(『安心して』って、あと1年の僕らは、最後の小学校時代を他の学校で過ごすコトになるんだろうが……)


 もう一人の同級生と、時田は顔を合わせ、しかめっ面になった。


 その年に、小学校の窓に絵の具で文字を書き、小学校の思い出を綴った。


『思い出いっぱい』


『ありがとう』


 言葉はそう書くコトとし、あとは絵を描いた。さて、先述した様にこの小学校では過疎の進んだ地域の為、『1・2年学級』『3・4年学級』『5・6年学級』という3学年で授業をおこなっていた。算数以外は、それぞれの学級で同じ内容の授業をおこなっていたのだ。2年に一度、仲の良かった1つ上の歳の竹田君と、時田は同じ学級になれた。同じ学級で勉強を教えてもらったり、同じ教室で暮らしていけた為、同じ学級の年は、もっと仲良くなれた。『5・6年学級』は、修学旅行にも行けたが、運の悪いコトに時田の修学旅行の年は、6年生の年と決まっていた為、1つ上の子とは行けなかった。時田はそれを酷く残念がっていたが、小学校が休校する年の、最後の年に同じ学級になれたコトを何かの縁だと思い、少しだけ嬉しかった。


 小学生しか笑わないくらいのギャグを言い合ったり、体育館で鬼ごっこをしたり――。その小学校最後の年は、ありきたりで何の変哲もない、特別な日々だった。




 ――、


 三月になり、1つ上の子らは卒業を迎えた。その日、在校生全員でやる、例のアレ。


「ありがとうございました」




『ありがとうございました!!』




 送辞を合唱の様に言い、1つ上の竹田君を含めた六年生達を送り出した。


(竹田君も、中学生か……。竹田君の1つ上の人達も、中学校に上がってからめっきり遊んだりしなくなったな。竹田君とも遊べなくなるのかな……。僕が中学生になる1年後、学校で関われたらいいな……)


 時田は、僅かで純粋無垢な希望を抱き、その日を終えた。




 4月――、


 時田は通い慣れた小学校から、別の小学校へと転入した。同級生は2人から13人になった。


「同級生の……女子?」


 先述したサチコちゃん。学級が同じこともあった彼女は『1・2年学級』の時に一緒だった、歳は1つ下の女子だった。その為、正真正銘の同級生の女子は、時田の中では今回の転入を機に会う、初めての存在だった。


(そもそも、13人なんて、名前すぐに覚えられるのか……?)


 一抹の不安をもって、新しい小学校に、時田は登校していた。


 教室に着くと、佐藤が話し掛けてきた。


「おはよー。総司君、何が趣味なの?」


「あの! ……えっと……何ちゃん?」


「えー、名前覚えてくれてないのー? ショックー」


「あっ……、ゴメン……」


 時田はこんな調子だったが、元・たった一人の同級生は違った。




「1年生から6年生まで、全員顔と名前覚えた」




「!?」


 時田は雷に打たれた様な衝撃を受けた。




 この子、勉強苦手なハズなのに……、


 そんなに覚えて、意味あるの……? 


 どうやってこの人数を……? 




 疑問は尽きなかったが、『勉強ができるだけのヤツよりも、人の名前を覚えられるヤツの方が、社会に認められる』と、のちに思い知らされるコトになる、時田だった。




 新しい小学校は、時田にとって劣悪な環境だった。生徒同士で口喧嘩が絶えない。イジメがある。言葉遣いが悪いヤツばかり。何でこんなにガキが多いのか? 精神年齢が高めの時田はいつも疑問に感じていた。


 特に嫌気がしていたのが、女子四人だ。


 四人で集まって話をしている。すると、そのうちの一人がトイレに行く。そうなればその一人の陰口を言う。その一人がトイレから帰ってくると、『やっほー』とか『おかえりー』とか言った後、別の陰口を言う。また、別の一人がトイレに行く。そうなればその別の一人の陰口を言う。その別の一人がトイレから帰ってくると、『やっほー』とか『おかえりー』とか言った後、別の陰口を言う。そんな陰湿な陰口を言う習慣が、小学校の時点で身に付いているのだ。時田は毎日、嫌気がさしていた。

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