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最凶の人生  作者: 時田総司(いぶさん)
3章 虐待編

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4 舐めるという行為は、犬にとっても人にとっても万物共有の愛情表現。だから男も女もあそこを舐める

「総ちゃんとお父さんの実家に行くの初めてだねー! ひいおばあちゃんもおじいちゃんも、総司に会うの楽しみにしてるのよ! ……ああ。もちろん、おばあちゃんもね」


「……(どーだか?)」


 車に揺られ、1時間半――。時田、シゲミ、キヨコ、そしてかの子の時田家4人家族は、シゲミの実家に辿り着いた。



「よぉ来たのうー! 総司!!」



「!!」


 真っ先に祖父のヒデシが時田に飛びついた。喜びを腹の底から表現している。


「長男の孫じゃー!! めでたいのぉー!」

「なっ!? 苦しい……やめ……!!」

「ホントにしゃべるんじゃなー! 不思議な子じゃのー」


 頬を寄せじゃれ合う2人に、駐車場に車を停め終えたシゲミが話し掛けてきた。


「総司。コレ、その人がじいちゃんじゃ。じいちゃんと呼べ。じいちゃん、あまり総司を甘やかさん様に……」


 隔たりを孕んだシゲミの他人行儀な一声に、ヒデシは血相を変えて怒鳴った。


「これ! なんじゃその言い草は!! こんなに可愛い子なのに……あ、総司。怖かったかな?」


「いや……大丈夫(何だ。あのオッサン、このじいちゃんにはそんなに大きく出られないのか。この家にいる間、ちょっと守ってもらうか……)」


 そしていざ、シゲミの実家の敷居をまたぐと――、



「そ! う! しぃー!!! ベロベロベロベロベロベロ!!」



「……え?」


 時田は曾祖母のマサヨに顔中を舐められていた……!!


 実は若い頃ヤリ手だったマサヨ。口唇ヘルペスを患っており、この行為によって時田の唇にもその病は伝染した。ファーストキスは曾祖母の味。


「これ! ばーさんや、止めなさい……!」


「ヒデシさんや、この子が可愛くってもう、ベロベロベロベロベロベロ!!」


「……!!」



 ――、


「おヴぇぇぇ。別の問題が出てきた……」


 時田は疲弊しきっていた。マサヨの愛を一心に受け切って――。


「それにしても、なんつってあんなに人様の顔を舐め回すんだ? 何が悲しくって――」


 時田は愛を知らなかった。

 彼は生まれる前から、不幸なヒトをほっとけない、そういった慈愛に富んだ性格をしていた。だが、こと恋愛に対しては億劫で、人から愛されるのが怖かったのかも知れない。またそれが、失われることも――。


 夜――、離れに居るシゲミやキヨコとは別の、ヒデシと一緒の寝床に就いた時田だったが、フサヨの襲撃に遭う事となる――。


「! 痛ぇ!? 目がっ!!」


 フサヨが目を指で突っついてきたのだ。


「あ゛ぁぁあああ!!」


「ゴァ――!! ゴァ――!!」


 盛大に寝いびきを掻いているヒデシの耳に、その悲痛な叫び声は届かなかった。


「ふふふ……アナタ、シゲミの目を潰したでしょ? これはその報いよ」


「!?」


「何? 不思議そうな顔をしているわね。私は神よ。ちゃんと見ていたんだから……しっかりと、これからも我が息子、シゲミに可愛がられなさい……」


 これからどのくらいの月日を痛みと共に過ごすのだろうか――?

 時田は諦めかけ、齢0歳4カ月で自殺を考える様になった。

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