表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辻沢のアルゴノーツ ~傀儡子のエニシは地獄逝き~  作者: たけりゅぬ
第二部 辻沢日記(コミヤミユウのセルフライフドキュメント)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/183

「辻沢日記 33」(結界の中)

 実測調査を始めるにあたって確認したのは傀儡子神社の構成。

 

外鳥居から数十メートルの石畳の参道と両脇に広がる杉林、それが途切れたところからがすり鉢状の窪地になっていて、斜面を降りる石段、底面に中鳥居、前庭、社殿というもの。


社殿は拝殿、本殿の区別はない。


調査はパートに区切って実測し、野帳に実測結果の数値をとどめ、四ツ辻にもどって図面化するという作業を繰り返す。


期日はお盆までの完了を目指す。


 持参したものは、コンベックス(メジャーのこと)、A3方眼のスケッチブック(野帳)、筆記用具はシャープペンで、重さのあるPentelのスマッシュ0.5というのを使ってる。


写真・動画等、映像記録はすべてスマホですます。角度の計測にも使用。


それと仮止めテープ。これは鞠野フスキにあると便利と教わったから。


逆に、レーザー距離計は持って行っちゃだめだよとくぎを刺されてるからなし。


 まずは社殿から調査する。


方法はひたすらコンベックスをあてて図り、野帳のスケッチブックに書き込むのみ。


最初に野帳に間取り図を書いて準備する。


社殿の間取りは8畳ほどの空間が3間ある。


区画は10cmほど段差になっていて奥へ行くほど高くなっている。


奥の間には、右手と左手隅に手すりがあって、そこだけ床の色が他と違うところから推して、床下に下りる階段だったのかもしれない。


床を剥がして中を確認したいので最後に調査する。


格子天井の上も調査すべきだが、梯子がないことを理由に今回はあきらめることにする。


というのは言い訳で、屋根裏はネズミとかスズメバチとかに遭遇する確率が高いからムリ。


 で、さっきから上で物音がするんだよね、ごそごそと。ネズミにしては大きめなのがいるみたい。


「誰?」


 絶対人間でしょ。


「住人に挨拶無しってのはどういうこと?」


 天蓋の隅板が外れ、そこからスッとした足が出て来たと思ったら、床に小動物のような物体がストッと現れた。


ユウだった。


「ここに住んでるの? ホントに?」


「まあね、嫌な奴が来ないからね、ここは」


 青墓で闘って以来のユウは、ずいぶんと小柄に見えた。ショートだった髪の毛も、さらに刈り上げて短くなっていた。


「ミユウ、もうちょっと用心しなよ」


「なんで? ユウだってこんなぼろ屋に女の子ひとりでいるじゃない」


「まあ、そうだけどさ。ミユウはすぐ、ほら」


 そう、あたしはすぐヴァンパイアの気を引いてしまう。


このあいだのバス停もそうだし、中学の頃の志野婦神社もそうだ。


彼女らからするとおいしそうだから寄せ付けるんだろう。


「まあ、この中にいればあいつらは入ってこれないけど」 


 ヴァンパイアにあり勝ちの呼び込まないと入れない習性ばかりでなく、この傀儡子神社自体が結界になっているらしい。


それは紫子さんから教えてもらっていた。


「屍人はいやだな。あの世に逝けずに未来永劫彷徨い歩くんでしょ」


 もし屍人になったら潮時のユウに狩り殺されたい。


屍人や蛭人間は何度でも青墓のどこかで復活するけど、


中学生の時に襲われた屍人のワカナちゃんは、なぜかユウが倒してから一度も地下道や青墓で出会っていない。


ワンチャン、ユウなら屍人を成仏させられるんじゃないかって思う。


「屍人もヒダルも、どっちもごめんだよ」


 ユウが言った。

 

屍人とヒダルはよく似ている。


屍人はバンパイアの餌食になったもの、ヒダルは行旅死亡人の残留思念。


発生は異なるけれど成仏できない点では同じなのだった。


(毎日2エピソード更新)

続きはこのあと21:10に公開します


おもしろい、続きを読みたいと思ったら

ブクマ・★・いいね・一言感想で応援いただけると嬉しいです٩(*´꒳`*)۶


よろしくお願いいたします(*ᴗˬᴗ)⁾⁾⁾


たけりゅぬ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ